サポートマン
「何をしている。はやく刺せと言っているんだ。その剣で」
男は言うが、理人は剣を下ろす。
「何故やめる?チャンスだぞ?今殺さなければ次に私が貴様を」
「いいよもう。もとから殺す気なんてないんだろう俺のこと」
理人は男に言うが、男は否定する。
「殺されたい奴がお前にあんな接近して攻撃すると思うか?」
「確かに一理あるが逆に一つ思うことがある。お前俺に対して手を抜いているだろう?先程からお前の拳から殺意を感じない」
男はすっきりしたかのように大きく笑い声をあげる。
「そうかそうか。よくわかったもんだな」
「ではわかってもらえたところで話を聞いてもらえないか?」
理人は男に言う。男は頷くがその前にと・・・
「私に名前はない。正確に言えば覚えてないんだな。ただみんなからは俺の能力は補助能力があることからサポートマンと呼ばれている。よろしくな」
サポートマンはやっと理人に自己紹介をする。
「何故私に殺されようとした?最初は殺意剥き出しでいたじゃないか」
「ゲンが殺されてしまった以上、私には帰る場所がない。なら一層の事殺されて仕まえば楽だからな」
「サポートマン。お前とゲンの目的を聞いていいか?どうも俺たちを狙いに来たという訳ではなさそうだからな」
理人はサポートマンに聞き、サポートマンはもはやヤケクソかのようになんでも喋る。
「いいだろう。まず私とゲンは違う国の人間、とうに滅びた国のね。私とゲンは国が滅んでからなんとか生き残るために2人でなんでもやってきた。盗みに殺しの依頼など。そしてとある場所でこんな噂を聞いたんだ。ガイアラーの森には吸血鬼が最近現れると。私とゲンはそいつを倒すためにガイアラーの森へときたんだ」
「では何故俺たちを襲ったんだ?」
理人はサポートマンに尋ねる。確かに吸血鬼討伐が目的なら理人たちを襲う必要は全くない。
「手柄が欲しくてな。お前たちがもしも吸血鬼打倒を目標としているなら私たちの敵になる。早く潰しておいたほうが楽だと思ってお前たちを襲ったんだ」
「そうだったのか・・・。なぁサポートマン」
理人はサポートマンに相談する。
「俺と組んであいつの・・・ゲンの仇をとらないか?」
「ゲンの仇だと?ゲンはお前が殺したんだろうが!」
サポートマンは激怒し、理人を怒鳴る。
「すまない。正確に言わなかった俺が悪かったな。確かに俺はゲンを殺した。しかしまだゲンは生きている」
「どういう意味がわからないんだが。ちゃんと説明してくれ」
理人は困惑しているサポートマンに言う。
「正確には死んでいるが死体で吸血鬼に体を利用されている。吸血兵士とかいうわけのわからないものになってな」
「し、死体を利用されているだって。それは許せない。しかしとどめを刺したお前と組むなど・・・」
サポートマンはゲンを殺した理人と組むことをためらう。
「少し考えさせてくれ。気持ちに整理をつけたい」
サポートマンは少し悩んでいる間、吸血鬼と戦っているヴラドリオはピンチに陥りつつあった。