出立
「実は我々もアワルディア帝国に向かうことになったので一緒に向かって欲しいのですが」
「私がか?まぁ確かに今からアワルディア帝国に向かうから構わないが、急に何故だ?」
ヴラドリオはカルナクに理由を尋ねる。急にアワルディア帝国に向かうと言うカルナクに疑問を持ったヴラドリオ。
カルナクはこう言った。
「さっきとは理由が変わったんです。私の仲間、レジスタンスの配下をアワルディア帝国に潜らせていたのですがそいつからの連絡が途絶えてしまったのでそいつが捕まってしまったのかどうかを見に行こうと思っているのです。」
「見に行くだけなのか?」
ヴラドリオはカルナクに尋ねる。昔のカルナクなら助けに行くと答えると信じてカルナクに尋ねていた。
「もちろん助けることが可能であれば助けますよ。ただもしも助けることができなければ」
「できなければどうするんだ?」
「私は彼のことを始末しなければならないかもしれません」
あまりカルナクの口から聞きたくはなかった単語を聞いたヴラドリオはいつからこいつはこんな薄情なやつになってしまったんだと思う。
「心の中で薄情だと思っているかもしれませんが仕方ないんです。我々レジスタンスはアワルディア帝国には到底かないません。もしも我々の拠点などの情報が奴らにバレて仕舞えばレジスタンスはいっかんの終わりです。」
一理あると思ってしまった。ヴラドリオはカルナクの言う言葉に納得せざるをおえなかった。確かにレジスタンスの規模は知らないがレジスタンスに所属しているカルナクが言うのであれば確かなのであろう。そしてこれは仕方ないのかといやでも納得するしかなかった。
「お前の口から人を始末するとかあまり聞きたくなかったのだが、そうするしかないのならそうするしかないんだろうな。よし分かった。私も君たちと行こう。ではカルナク、君とのあの約束は果たせないんだね。」
「すみません残念ながら。またの機会にお願いします。ヴラドリオ様はすぐに皇国を立たれようと考えているのですか?」
出発の支度を終えて今まさに皇国からたとうとしていたヴラドリオにカルナクは尋ねる。
「出来れば早いほうがいいな。今夜までには出たい。」
ヴラドリオが今夜といったがもはや時間はなかった。今は夕方で数時間しか夜まで時間がなかった。
「わかりました!できるだけ早く支度を整えてくるので出来ればここで待っていて下さい!ではまた数時間後に!」
そう言ってカルナクはヴラドリオのもとから走って去っていった。
その頃ギルドにいたガイは
「受付嬢さ〜んなんかアワルディア帝国付近ですぐにでもできそうなクエストない?」
ガイは受付嬢に聞く。
「いやそんなことピンポイントで聞かれても・・・。あっ!ちょっと待ってください!最近確かあったはずなので今探します」
ちょっと言葉がおかしいと思ったガイだが、受付嬢がクエストを探してくれているのを待っていた。
すると受付嬢は埃のかぶっていたクエストをガイに見せる。
「ギルドを掃除していたらこの前出てきたんですけどこれを受けて見てはどうですか?まぁ依頼人が生きているかは知りませんが」
受付嬢に見せられたクエストをガイは受け取り内容を読む。
「何?これは・・・探しびとかい?」
内容はある女性を探して欲しいと言うクエストだった。