ダルキリアの決意
「そんな話が違いますよぅ。そんなあなた私は好きではないですよぅ。もとのあなたに戻って下さいようダーランマ様ぁん。」
ダルキリアは甘い口調でプルプレをとらえるのをやめるようダーランマに言う。
しかしダーランマは
「お前の思っている私は知らないが、事情が変わったんだ。もしそこにいる女が私を攻撃しなければこんな条件は出さなかったがな。さぁ選べダルキリアよ」
「くぅ。なぜか名前だけはいっちょ前に覚えていやがってぇん。どうしようかしらぁん」
ダルキリアは考える。プルプレをとらえればアワルディア帝国の傘下に入ることができ、安定した生活が約束される。
しかしそれを行うには今まで一緒に仕事をして来て、部下で一番信頼しているプルプレをダーランマに渡さねばいけない。
ダルキリアには重い決断である。今後の為に仲間を売るか、それとも今回の話を無しにされまた地道に人さらいをしアワルディア帝国に奴隷として人を売り続ける不安定な生活を今までのように続けるか。
ダルキリアは頭を抱えながら考えた。
悩んでいるダルキリアを見たプルプレは
「姉さんいいですよ。どんな決断を下そうとも私はあなたを恨みはしません。だから好きなようにどうぞ」
と微笑みながらダルキリアに伝える。
「すまない・・・プルプレ」
プルプレは首を横に振り、
「いえ。いいんです私は姉さんのもとで戦えるのなら本望ですがこのダーランマとか言うやつの命令に従うくらいならその判断でいいんです」
プルプレはまるでダルキリアの答えがわかっているかのよう言った。
「我が盗賊団に命じる。我がダルキリアの意思を阻むもの・・・プルプレを捕縛せよ!」
「姉さんを捕獲しろとは本気ですかい大姉さん!」
周りにいる盗賊団の部下たちはダルキリアの命令に驚き、ダルキリアに尋ねる。
「2度も言わせるな!プルプレを・・・捕らえろ!」
ダルキリアは言葉にするのも嫌だったが部下たちに命令する。
「姉さんはいいんですかい?この命令に納得しているんですかい!」
部下の1人がプルプレに聞く。
「お前たちの頭は誰だ?私ではないだろう?ならばダルキリア姉さんに従えばいい。遠慮せずに来い。私は納得しているからな」
「・・・わかりました姉さん。お覚悟を」
盗賊団の部下たちはプルプレを円形状に囲む。
「それでいい。お前たちはダルキリア姉さんを頼むよ。ではな!」
プルプレは話している間に不意をつき、盗賊団の部下の1人にナイフを投げつけ、
「ぐべ」
と飛んできたナイフに刺さった部下は倒れその隙にプルプレは帝王の間から脱出した。
「逃すな!追え!野郎ども」
「はい!大姉さん!」
ダルキリアに命令された部下たちはプルプレを追っていく。
「これで私たちをあなたの傘下にしてくださり、なおかつ私を愛してくださりますか?」
「貴様らの決意は今のでよくわかった。いいだろう。愛し合う件については保留だが傘下に入ることは認めよう。」
こうしてガイアラー盗賊団は正式にアワルディア帝国の勢力へと加わった。