吸血鬼の血
「さて次はそこの女だな。名はなんと言う?」
ダーランマはマリアルに聞く。アワリオに地下にいる女を連れてこいと通信では頼んでいたが名前は覚えていなかった。
「マ、マ、マリアル・バーラッシュ、ですぅ」
マリアルは精一杯名前を答えた。ダーランマの気迫がすごく、名前をゆうだけでマリアルは本当に精一杯であった。
「マリアルか。貴様にはこれを飲んでもらおう。今から投げるから落とすなよ。落としたら貴様を今殺す。」
ひょいっとダーランマはポケットから中に何か液体の入っている小瓶をマリアルに向けて投げる。
マリアルはなんとかそれをキャッチする。かなり震えながらのキャッチだったが落とすのだけは防いでいた。
「よく拾った。それを飲め。話はそれからだ。後貴様に選択権などないぞ。今飲まなければ気様を殺す」
ダーランマはことを早く進めたかったのかやたらとマリアルを脅していた。殺すと言われたら飲むしかないと、死の恐怖を感じながらもダーランマから投げつけられた瓶の蓋を開け、中に入っている真っ赤な液体を勢いよく飲んだ。
「こ、これで、私のことは殺したりしませんか?」
「ああ。よく飲んでくれた。ありがとう。ではさよならだマリアル・バーラッシュ」
「どういう意味だ?」と思いながらマリアルは考えていると、突然体に異変を感じる。
「な、なんだこれ?わ、私が私じゃなくなる感覚?これは一体?」
マリアルは立ってはいられず地面をあまりの苦しさに転げ回っていた。
「はぁはぁ、くる、しい、よ。父さん、はや、く、たす、け、て・・・」
しばらくマリアルは沈黙し動かなくなった。
数分待つとマリアルは起き上がる。
「どうだ?目覚めは最高かい?吸血鬼?」
ダーランマはマリアルに言う。
「目覚めはどうだだと?なんだこの小娘の体は、私の本気の半分も出せぬではないか。」
マリアルはさっきとは違い、威風堂々としており逆にダーランマが圧倒されていそうな雰囲気であった。
「まぁそう怒らないでくれよ。バーラッシュ家の魔族。いや吸血鬼よう。」
「けっ。体をくれたのには感謝しているがこの体じゃあまだ扱いきれないな。どれ少し手下を増やすか。ではまたな」
「待て私の話を聞・・・」
マリアルの体に入った吸血鬼と呼ばれた奴はマリアルの背中から翼を生やし、天井を破り、何処へと飛び去っていった。
「ちっ。これだから扱いきれないような奴は苦手なんだ。あの吸血鬼は魔王様でも扱うのがやっとなほど気まぐれな奴だと聞いたからな。仕方ない、ゼネラルにでも捜索を命じるか。」
ダーランマは急いで魔法を詠唱し、映像を出してゼネラルがいるであろうゼネラルの家につなげる。
「ゼネラル!いるか、応答せよ!」
ダーランマは呼びかけるが反応がない。
「こう言う時に限っていないとは!くそ!奴は後回しだ。騒ぎを起こしてくれた方が探しやすいしな。とりあえず次の訪問者の相手をせねば。」
ダーランマは次の訪問者の相手をすることにし、逃亡したマリアルを後回しにすることにした。