ダーランマの帰還
「図にのるなよ!今一時的に能力を解いてしまったとはいえまた使えばいいだけのこと!くらえ!」
ベルナはまた能力を発動!
「なんのぉぉぉ!」
柳は手から光剣を作り、それをベルナに向けて投げる!
「ちっ!最初みたいに大人しくくらえよ!ナイフ投げるぞ!」
「むしろナイフの方が楽だからそうしろよ。最初見たくダーランマに与えられた氷の能力でもいいんだぞ」
「もはや忠誠のかけらも無くなっているな。主を呼び捨てとは」
「元々、私はスパイだからな。ダーランマにはかけらほども忠義はないよ」
ベルナは怒り狂い、柳を何としても倒そうとするが、能力を発動しようとすれば光剣を投げ、氷で攻撃すればまた光剣にて防がれる。
「時間がないんだから早くくたばってくれよ!」
柳はベルナに言う。ベルナは
「貴様こそ大人しく倒されろや。はぁはぁ。こちとらお前を倒す気でいるのに全部うまく防ぎやがって」
ベルナは能力を使いすぎてかなり疲弊していた。ふらりと一瞬体勢を崩してしまったベルナ。それを柳は見逃さなかった。
「光剣・煌斬」
スパァ!と縦に目くらましのようになり光剣を輝かせた後、ベルナに一太刀入れた。
「ぐふぅ!覚え・・・とけ。」
捨て台詞を残し、ベルナは仰向けに倒れた。
「はぁはぁ。結構体力を持っていかれたがなんとか倒せたか。さてチリンのいる牢屋に早く向かわねば・・・」
「そうはさせないよ。女王様はこれから我々に必要なんだ。君には渡さない。」
コツコツと足音が聞こえて、牢屋部屋に奴が現れた。
「もう帰って来やがったのかアワリオ!」
柳の背後にアワリオが現れた。
ベルナと柳が牢屋部屋までの戦いまでにいく中、帝国の入り口で待っていたゼネラルは、、、。
「柳のやつ遅いな。やはりいろいろ小細工しておいたとはいえこの作戦に気づいているやつでもいたのか」
ゼネラルはたとえ何かあっても、「ダーランマ様のためだ」とか言えば中の兵隊も通してくれる。もしくは通じなければ柳は兵隊ごときには遅れはとらないだろうと思っていた。
しかしゼネラルが柳を見送って1時間たっており、何かあったんではないかと感じていた。
城から牢屋のある部屋は最短ルートで行けば往復でも40分くらいのルートのはず。
いっこうに城から出てこない柳にゼネラルはかなり心配していた。
「早くしないとダーランマ様たちが帰って来てしまう。早くしろよ柳」
ゼネラルはもしものためにダーランマには"様"をつけるようにしていた。
「おっ。ゼネラルじゃん。お迎えご苦労〜。」
「!。これはダーランマ様にアワリオ。お勤めご苦労です」
ゼネラルは心の中では
(間に合わなかったか。すまない柳。俺はもう協力できない。後は自分でどうにかしてくれ。無事にすむことだけは祈っておく。)
ダーランマたちが帰って来たことによりもう協力はできないと柳に申し訳ない気持ちでいた。
「ではダーランマ様。私は城にお先に戻るので何かあれば。ダーランマ様はゆっくり帝王の間へとお戻りください」
「ふむ。わかった、ではまた後でなアワリオ。」
そう言うとアワリオは珍しく走って城へと向かった。
(まさか柳のことに気づいてるんじゃ・・・。)
ゼネラルは柳の無事を祈るばかりであった。
この後、ゼネラルはダーランマに自分がいない時の間、城に変化はないかと聞かれ、ゼネラルはダーランマに変化はありませぬと報告していた。