氷の切り裂き魔
「最近入ったもとは野良の切り裂き野郎どもか。ということはさっきのはあんたの異能力か?」
「先ほどの氷のことを言っているのかな?あれは違うよ。あれはダーランマ様にいただいた液体を飲んだらこの力が使えるようになっただけだよ。ダーランマ様は適正者だとか言っていたな」
「適正者だと?」
柳はなんの適正者のことかわからなかった。
「今死ぬ貴様には関係のない話だよ。」
ベルナはまた攻撃態勢に入り
「氷柱ショット!」
氷柱の形に固めた氷を柳にはなった。
「光剣!」
柳は手から能力の光剣を出し、氷柱を粉砕し、砕けた氷はボロボロと地面に落ちていた。
「やはりお前には接近戦がいいか。アワリオ様から頂いた情報からお前は光の剣を作る能力者らしいからな」
そう言ってベルナは氷の剣を作り出し、
「氷刃、氷柱丸」
剣の形をした氷を作った。なぜか先っちょの方が氷柱のような形になっており、柳はなぜこんな無駄なこだわりがあるんだろうと氷柱丸を見ながら思っていた。
「変わった趣味してるんだなお前」
「ふっ。この最先端の流行がわからないか。まぁだからお前はダメなやつなんだろう・・・な!」
と氷柱丸の先端部分で切るところか槍のように柳の心臓めがけて突きをくり出し、柳はギリギリのところで光剣を使い
「全く。切るかと思いきやそんなことか。ならばその形の方がいいんだろうよ」
と言って受け止めていた。
「ふっ。流石は腐っても帝国に仕えていたやつだ。この程度ではやられてくれないか。だが私もこの氷はこの程度にしかコントロール出来ないからな・・・。」
「急いでいるんでな。そろそろ決めさせてもらうぞ切り裂き魔。」
柳は光剣を作り出し、
「光剣・一文字!」
光剣で横に漢字の一文字を描くよう横に薙ぎ払った。
「氷盾!」
ベルナは素早く氷の盾を作り、一文字を受け止め。
「この程度でぇぇぇぇ!」
踏ん張っていた。
「うぉぉぉぉぉ!いい加減に砕けやがれ!」
ビキビキ!と音を立てながら氷の盾にヒビが入っていった。
「くぉぁ!」
氷の盾を砕かれたベルナは衝撃で後ろへと吹き飛び、牢屋のある部屋まで飛ばされた。
「しまった!なんて事だ!」
柳は慌てて飛ばしたベルナを追いかけた。なぜなら牢屋でチリンを人質にされればひとたまりもないからである。
柳は心からベルナが気絶しているのを祈っていた。
「さて牢屋に着いたが、チリンちゃんが無事かを確認せねば」
柳が牢屋のある部屋ウロウロしていると
「貴様、迂闊すぎるぞ!」
「切り裂き魔!やはり起きていやがったか!」
ベルナは突然柳の背後に現れ、襲いかかる。
「喜べ!貴様には我が異能力を使ってやるよ!」