肉体の変化
「王様!王様!いい加減に反応してください!」
アルディンは何度もパルディに声をかけたが反応がない・・・。
「まさか王はさっきあの人にもらったあれを飲んで死んだんじゃ・・・」
「ふっ。我を舐めているのかアルディン。あの程度の液体など全て我の力に変えるよ。我は最強なのだからな。拘束などはされるかもしれぬが必ず生きている男だぞ」
アルディンはパルディがやっと喋ってくれたことに安心し、
「やはり王はそうでなくては。でさっきの液体を飲んで何か変わりましたか?」
「いや何も・・・。うっ!うぉぉぉ!」
ニョキニョキ!
パルディの下半身の後ろからモンスターが持っているような尻尾が生えた。
「パルディ王!お尻に尻尾が!」
「見えないが。尻尾なんぞ見えないんだが。尻尾なんてわからぬが何かお尻に違和感を感じる・・・。」
「認めてください!王には見えないかもしれませぬが我々にははっきり見えております。」
「なんとぉぉぉ」とパルディは叫けぶ。
「これはどういう意味かを奴らに聞きにいく必要があるな、アルディン!奴らの元へと向かうぞ。」
「いえ。その必要はありませんよ。我らにはこれがありますから」
アルディンは手に持っていた小型機をパルディに見せ、パルディは
「なんだこれは?」
とアルディンに聞いた。
「もうボケてるんですか。これさっき奴らにもらった連絡の為の小型機じゃないですか。」
「そうだったか?でどうやって連絡とるんだそれで?」
「えーと。確かあの人は名前を呼んだら反応するとか言ってたな。名前は確かえーと。」
「ダーランマ」
ブォン!とパルディがダーランマの名を呼ぶと小型の連絡機が反応し、映像が出てきた。
「なんださっきの奴らか。何用だ?」
映像から先程まで会話していたダーランマが映っていた。
「おい貴様!我に一体何を飲ませたのだ!あの液体を飲んだがなぜか尻尾?が生えてきたと周りの奴らが言うではないか!これはどういうことだ!」
映像越しにダーランマは考え込んでいるようにアルディンは見えた。
「おい。何を考えている?我らの王を毒殺でもする気なのか!」
「答えを知りたければ私の城、アワルディア帝国城に来るといい。そしてそこで我が説明を受けろ。パルディ、お前は適正者として選ばれたのだ。ではお前たちが来るのを待っている」
「あっ!ちょっとまて!」
ブォン!といって映像は消えた。
「答えを知りたければこいということか。よかろうならばいってやろうではないか。では我はこれから城に向かう。アルディンだけ連れていくので他のものは留守番だ。では行くぞアルディン」
「王が望むのであれば」といってアルディンはパルディとともに城に向かう事となった。
その頃、二人の男たちが城に囚われているチリンの救出計画を実行しようとしていた。