パルディとダーランマの取引
扉を破壊してきたものたちは管理場に入り、これをパルディたちは逆に会いに行くことにした。
「これはこれはお初にお目にかかる。我らのような人間扱いされないものに何の用ですかな?」
侵入者との話はパルディではなく、交渉のうまいアルディンが対処することにした。
「謙遜しないでよ〜。君たちがここの管理人殺したの知っているんだから〜。で、この中で一番強い奴隷ちゃんは誰かな?」
侵入者もとい、アワリオがアルディンに言った。もう扉をダーランマが破壊して管理場に入ってから半ばやけくそになっていた。
「我がこの奴隷管理場の新たな王だが何用だ。」
パルディは前に出た。アルディンはなんで前に出てきたんだと心の中で思っていたが、前に出てしまったからもう手遅れかだと思っていた。
「お前が王か。私の名はダーランマ。この管理場で反乱が起きたアワリオから聞いてここに来た。そして、その管理場の管理人を倒したものを試すために来た。」
アワリオの後ろから出てきたダーランマは言った。
「そんなダーランマ様。私が話をつけますからまってくだせぇよ。」
「時間がかかるし、この方が手っ取り早い。」
ダーランマはそう言って、服のポケットから小さな小瓶を出した。
「これを飲んでみろ、素質があればお前たちに素晴らしい待遇を与えよう」
「もしその素質とやらが我になければ?」
ふふっと笑いながらダーランマは。
「お前に才能などなければ暴走、またはそこで耐えきれずに発狂死するかだよ」
「いいだろう。その瓶に入った液体を飲んでやろう。ただし、最初に言ったこと忘れるな」
ダーランマはまた、「ふっ」と笑い、
「私に二言はないよ。その液体の適性さえあればいいからな。さぁ遠慮せず、ぐびっといくがいい。」
ダーランマはパルディに瓶を渡すと、パルディはその瓶を受け取り、言われたとおりにぐびっと液体を飲んだ。
「どうだ?何か変化があるか?」
「今のところはないな。でいつになったら貴様の要望通りになるのだ?」
「変化がないか・・・。少し様子を見ようかな。またここにくる何かあればこれに連絡せよ」
ダーランマはまた小型の連絡機のような機械をアルディンに渡した。
「なぜ我が王に渡さず、私に渡すのですか?」
「お前さんのところの王が暴走すれば連絡できないだろう。だからお前に渡すんだ。その機械は私の名前を呼べば反応するようになっている。」
機械の説明をするとダーランマとアワリオは管理場から出て行った。
「一体なんだったんですかね。王よ。・・・王?パルディ王?」
アルディンはパルディを何度も呼んだ。だがパルディは決して振り向くことはなかった。
「なんだこれは・・・。この力があれば我一人で奴らに復讐を・・・。王族から追い出した奴らに復讐できる。」
パルディはブツブツ言いながらここに来ることになった要因、原因を思い出していた。




