奴隷
ヴラドリオを背負って理人はダーラスたちを探していると、カルナクを見つけダーラスにヴラドリオを治療して欲しいと言ったが、魔力切れで今日はダメだということでその日は各々で解散することになった。
ヴラドリオは理人がおぶって宿へと送り、理人はアルムの屋敷へと戻った。
「よう。今日は大変だったらしいじゃねえか鏡よ」
アルムの屋敷に入ると使用人より先にある人が待っていた。
「ガイリじゃないか。どこ行ってたんだよ急にいなくなったから心配したぜ」
「悪いな。まぁ俺はいつもふらりとどこかに行ってはまたふらりと帰ってくるからな。ところでお前アムライ先生を見たと聞いたがどこで見たんだ?」
ガイリはどうやらアムライの事を聞くためにわざわざ屋敷の玄関で待っていたらしい。
「師匠は・・・帝国の手先になった。要は俺たちを裏切った」
ガイリは信じられないといった顔で理人の言葉を聞いていた。
「そんなありえない!先生に限ってそんなこと!きっと操られているに違いないんだ!」
「お前そんな喋り方するキャラだったけ?まぁ師匠が裏切ったのは違いない。俺や同盟相手のリーダー・・・弓道寺さんにまで手を出したんだから」
弓道寺というセリフを出した時、理人はかなりイライラしていた。やはりアムライが弓道寺に対してかなりの重傷を負わせたのにかなりイライラしていた。
「とりあえず今日はもう休ませてもらう。疲れたからな。じゃあな」
そう言って理人はアルムの屋敷の借りている部屋へと戻り、休んだ。
ガイリはその間、ある事を考えていた。
(先生が心から帝国に使えるはずはない。私はあの人のおかげでこうして真っ当に生きていられるんだ。今度は俺が先生を助けるばんだ!)
ガイリも屋敷内の部屋へと戻ると、仕度を始めた。
その頃帝国では・・・
「いや〜今回はかなり収穫があったけど結構痛手をこちらもおったな。しばらくアムライは治療だし、バウラムもしばらくはしたいで放置だな」
ダーランマは魔法でアムライとバウラムを監視していた。それにより、炎魔王カスマの意識が少しでも覚醒したのがとても嬉しいのと、皇国の戦力、闘将アルダスを戦闘不能に追いやったのまで見ていたのでとても気分が良かった。
「しかし、後は4人はどうするかだよな・・・アムライとあいつは敵性者だったしもう1人のやつも・・・」
コンコンと帝王の間を誰かがノックした。
「誰だ?入ってよいぞ」
「失礼します」と言って入ってきたのはアワリオだった。
「どうしたアワリオ何用だ?」
「いえ。これから私は奴隷市場の方へ行こうと思っているのですがダーランマ様もご一緒なさりませんかなと」
「なぜ私を誘うのだ?護衛が必要ならゼネラルでも連れて行けばよかろう?」
「いや。もしも奴隷市場ならダーランマ様の探し物見つかるかもしれませぬよ?」
なぜ敵性者を探しているのをアワリオが知っているのかは知らなかったが、確かにいい提案だなと思い、
「わかった。私も向かおう」
アワリオとダーランマは帝国の奴隷市場へと向かうことにした。