ダーランマにかけられた呪い
「か・・・っは。な・・・ん・・・で」
「私の本当の能力は自分の受けた痛みをその分、倍の威力へと変えて、相手に与える能力。しかしバウラム。お前体を両断されてよく喋れるな」
そうアルダスが思っていた時、バウラムのいたところを振り向くとなんとバウラムの体が自然にくっついていた。
「驚いた。本当に人間をやめたんだな」
「ああ。私はもう人間などではないよ。しかし私は適正のない方。だからこうなるしかなかった」
バウラムはそう言うと、体がモンスターへと変化していった。
「!。バウラム、お前」
「ガァァァァ。コレガ、ブザマナ、ワタシダヨ」
モンスター化したバウラムは言った。
「お前、体が両断して死ぬことはないていうことは死ねないのか?」
「サスガ二、ソレハ、ナイ。タダ、ワタシハ、イチド、シンダラ、モンスターヘト、カワルアンジヲ、ウケテイル、ダカラ、ツギコロサレレバ、ワタシハ、カンゼンニ、シヌ」
「では私がお前にできる配慮はただ一つ。ここでお前を楽にしてやることだな!」
アルダスはそう言って戦斧を構えた。
「ソウ、カンタンニ、イクト、オモワナイコトダナ」
バウラムは完全にモンスター化すると、爪が長く鋭利になり、身長もニメートルある、四足歩行の獣へと姿を変えた。
「うらぁ!戦斧・・・無双!」
アルダスは戦斧をバウラムに向けて、振り回し続けた。
アルダスの攻撃はバウラムの爪で止められた。
「なっ!爪ごときで我が家宝を受け止めただと!」
「コレハ、ジブンデモオドロキダ。コレホドワガ、ツメガ、カタイトハ」
片方の腕の爪でアルダスの戦斧を止めていたバウラムは残っている片腕爪でアルダスを引っ掻いた。アルダスは少し横にすれてかすった程度だったが、血が軽く噴出した。
「イマノ、ワタシナラ、コンナコトモデキル」
バウラムはなんと、アルダスが出した血をつらら状に固めて、アルダスへと向けた。流石にアルダスはそれをガードはできず、腹部に思いっきり刺さった。
「かはっ!能力が強化されているだと・・・」
アルダスはそれを受けて、立っていられず、戦斧を地面に落として倒れた。
「デハ、コンドコソ、サヨナラダアルダス」
バウラムがアルダスに向けて爪を心臓めがけて刺そうとした時、バウラムの爪に向けて、飛び道具が飛んできた。
バウラムはその攻撃を爪で受けたが、何も起こらないでいた。
「ナンノツモリダ?オトナシク、ネテイレバヨイモノヲ」
「はぁはぁ。こちとらやばいけど私が寝ていたらアルダス様が確実に殺されちゃうからね。時間稼ぎさせてもらうよ」
なんと、カルナクがギリギリのところで起き上がり、アルダスがとどめを刺されそうになったところを救った。
「ダガコンナコウゲキデワタシヲタオセルト?」
「そんなわけないだろ。ということで逃げさせてもらうよ」
「ナンダト?」とバウラムは不思議がっていたがカルナクは次の瞬間目を閉じた。そしてカルナクが先ほど放った飛び道具が目くらましのようにすごい輝きを放ち、周辺の人、つまりバウラムの目をくらました。
「ヨクモキサマー!」
バウラムは無我夢中で爪を振っていたがカルナクたちには当たらず、目を閉じていたカルナクは軽く眩しいな程度で済んだのでアルダスと戦斧を担ぎ、皇国へと撤退した。