バウラムの力
「お前なんで頭血だらけなんだよ!怒るに怒れなくなってくるじゃねぇかよ!」
アルダスはバウラムに言い、バウラムは頭に違和感があったのは気づいていたが自分が血だらけなのに気づいていなかった。一緒にいたカルナクはさっきのバウラムの攻撃を受けて軽く横に飛び、気絶していた。
「そんな些細なことはどうでもいい!さっさと殺し合おうぜ!アルダス!」
バウラムは装備していた剣でアルダスに襲いかかった。
「ちっ。手加減したくないが、血だらけなのが気になってしかたねぇ。どうにかしろよその顔をよ!」
アルダスはバウラムが血が出しているのかすごく気になり防戦一方だった。
「どうでもいいだろう。俺の血など!はやくやりあうぞ。さもなければ先にお前を殺してしまうぞアルダス!」
バウラムは攻め続けアルダスはそれを防ぎ続けていた。
バウラムの頭から血が出て顔に垂れている理由はただ一つ。アムライに投げられた時、皇国に入る入り口に衝突し、少しの間くい込んでいた。バウラムは衝突した時、意識を痛みのあまりに取り戻し、カルナクが来る前に森の隠れられそうな場所に隠れ、強い奴が現れるのを待っていた。そして自分の頭の傷に関しては全く気にしていなかったので今の状態なのである。
「あー!もうめんどくさくなってきたからバウラム!お前を気絶させて王に謁見させて、今までの事、色々と吐いてもらうぞ」
「吐くとは一体なんのことなのかな?後今までの私と一緒と思わないことだな。気絶狙いでやろうとしているならアルダス。お前を今日ここで終わらせてやるよ」
バウラムは帝国にいたことについて喋る気などさらさらなく、自分のことをなめているアルダスを殺す気でいた。
「そうだな。気絶狙いじゃダメだよな。じゃ本気でやってやるよ。いくぞ」
アルダスは装備していたアルム家の家宝、戦斧アルムトを構えた。
「家宝か・・・。私にそれを向けてくれるはな。これはまじでやれそうだよアルダス!」
次の瞬間、バウラムは剣でアルダスに斬りかかった。アルダスはそれを戦斧で受け止めた。
「くっ。硬いな。流石俺たちの家の家宝」
「ふっ。貴様が今更アルム家を語るんじゃないこの恥さらしが!」
アルダスはそう言って、受け止めていた剣を戦斧で押しこみ、後方へと飛ばした。
「受けてみろ!必殺!薙ぎ払い!」
アルダスは戦斧を思いっきり薙ぎ払い、バウラムはそれを剣でなんとか止めたが威力に耐えきれず、さらに後方へと飛んでいった。
「結構飛んだな。あいつ見えないしな。少々やりすぎたかな?死んでなきゃいいけど」
アルダスが後ろを向いた瞬間背後から何か伸びてきて、アルダスの腹部に刺さっていた。
「ぐふっ」とアルダスは言って腹を見ると大量の血が出ていて何がおきているのか分からなかった。
「何が起きているのかわからないって顔してそうだなアルダス」
アルダスが後ろを向くと、バウラムがゆっくりと歩いてきて、顔を見るとさっきまで血まみれだった顔が何故か綺麗になっていた。
「お前、さっきまで血まみれだったのになんで・・・。」
「これが俺がダーランマより与えらし、魔族の血によって目覚めた能力よ。お味はどうだい?」
バウラムは余裕の表情で、アルダスと喋っていた。