魔王とダーランマ
ダーランマが妖精王にはなれないことを告げた現妖精王、そして妖精王の地下から声が聞こえたダーランマはその声を聞き突如妖精王の部屋から空いた穴に飛び込み地下へと入った。
「よく我が声に応えてくれたなダーランマよ。我が貴様の望みを叶えられるほどの力を与えよう。ただし貴様には我の復活に手を貸してもらうぞ」
地下に落ちるダーランマに声は言った。
「力を与えるとか、私に何をさせる気だ?それにお前は一体何者なんだ!」
ダーランマはそう声に問いかけた。そして地下の足が着く陸までに落ちるとダーランマはあたりを見回し声の主を探した。ダーランマが見つけた物体は厳重な封印を施されており見ただけで妖精族がわかるようなものだった。
「お前は古い戦いで我が父上に封印された魔王だな!」
「いかにも。貴様の忌々しい父、ダルナンテによって封印された魔王なり。しかしよく我が魔王だと分かったな」
「当たり前だ。こんな厳重な封印魔法、父上が昔言っていた魔王に他ならない。それに父上、妖精王の部屋にあった文献で見たことがある。妖精の里のどこかに厳重に封印されていると。だから分かったのさ」
魔王と名乗った封印されている物体はダーランマの話を聞いて惜しいやつだなと考えていた。魔王は封印は完全には解けてはいないが他者に語りかけることはできるようになっていた。
「貴様はそれだけの知恵を持ち、器としては充分であるの妹に妖精王としての座を取られるなど本当に可哀想だな。どうだ我が話にのらぬか?それに見合った対価はやろう。お前は妖精王になりたいのだろう?ならば我の封印の一部でも解いてくれればよい」
ダーランマは妖精王になれる力と聞いて心が揺らいでいたが、少し考えさせて欲しかった。
「魔王さん時間をくれないか?私はまだ自分の可能性を捨てきれない」
「いいだろう。だが予言しよう必ずお前は私を頼りに来る。これは確定事項だよ」
魔王はそう言った後にダーランマをもとの妖精王の部屋へと飛ばした。
「これは上級魔法!」
「良いか我と貴様が喋ったことは他言してはならぬぞ。もしも誰かにバラせば貴様を私が殺す。それくらいの余力はあるからな。わかったな」
分かったダーランマは答え、妖精王の部屋から出た。
妖精王の部屋から出て、妖精の里を飛んで移動していると、ダーラスとすれ違った。
「兄さん。倒産に呼ばれたんだって?やっぱり次期妖精王は兄さんだって話?」
「ダーラスか。まだ父上から聞いていないのか?」
なんのことかわからなかったダーラスを見て、ダーランマはまだダーラスが次期妖精王ではあるということを伝えられていないことをダーラスの表情を見て分かった。
「ダーラス?父上がどこに向かったか知っているか?」
「父上ならさっき妖精王の部屋に戻ったけどどうしたの?」
「わかった。ありがとなダーラス」
そう言ってダーランマはもう一度妖精王の部屋へ戻るのだった。