種賀谷実里の決意
「秋月。大丈夫か?」
理人とチリンはガイアラーの森を歩き、マールン草原に向かっている途中だった。
「秋月は装備がちゃんとしてないんだから、俺から離れんなよ」
「分かった。頼りにしてるね。鏡君」
「ところでマールン草原までの道分かるか?俺装備を整えてて何もルートの調査とかできなかったからマールン草原までの道のりがまだわからないんだ」
「マールン草原までの道は働かせてもらってる店主の人に聞いたよ。何に使うかは言わなかったけど」
「それは店主の人とか心配していないのか?せっかく働かせてもらってしかも店にまで泊めてもらっているんだからあんまり心配かけちゃダメだぜぇ〜」
理人はチリンにそういうが、チリンは無視して
「やっぱり店主には迷惑かけてるからこんな危険なところに行くと言ったら多分とめらると思う。だから店長にはマールン草原までの道のりだけを聞いた」
まぁこの手ぶら状態じゃなと理人は思っていた。
「さてマールン草原はあと何キロぐらい?」
理人はチリンに聞くと
「うーん?あと真っ直ぐにとりあえず5キロぐらい?」
うわ結構あるなと思いながら理人は
「じゃあとりあえず進みますか」
と言い、理人とチリンはマールン草原に向けて歩いていた。
その頃、実里は
「ここは小さな村だがまぁゆっくりしてくれ」
実里は男に連れられ小さな村に連れられる。
「気分は悪くないか?あの人の名前を言ってからずっと驚いているが」
「いやなんでもない。気にしないでくれ」
男は歩きながら言った。
実里はあの男の名前を聞いてからずっと頭の中の整理がつかないでいた。
(何故鏡の憧れの人の名前が。まさか弓道寺もこの世界に?しかし同名という可能性もある。会ってみないとわからないな)
そう考えていると村まで実里を担いで来た男はまた実里のもとまできて言う。
「では我々のリーダーにあってもらおう。多分、話は通じると思うよ」
そう言って村の中央でかいテントのようなところに着いた。
「リーダー、草原で見つけた子を連れて来ました」
リーダーと呼ばれた男は反応し、
「よし、お前は下がれ」
「はっ」と言いながら男は去って行き、テントの前で実里は待たされる。
「種賀谷実里だな?入れよ」
そう言われた時に実里はテントに入り、中にいた人物を見て驚愕した
「よう。俺の名前は弓道寺 健吾だ。俺も異世界召喚されたんだかお前もそれでこっちへ来たのか?」
弓道寺は実里に尋ねる。
「なぜ私が異世界人と分かる?」
「分かるさ。その服装この世界じゃない服だしな。それに俺はある人に頼んで異世界召喚されたやつを感知したら連絡してくれと言っといたからな」
「なるほど、私はあなたのことを知っているよ。かなりの有名人らしいじゃないか。友人が写真に謝るくらいにあなたを尊敬していたからね」
それを聞くと弓道寺は驚くが、少し黙った後また実里に話しかける。
「じゃあ俺と同じ世界から来たってことか」
「そういうことになるね」
、実里と健吾は自分の世界について話し合っていた。
弓道寺は自分が前の世界から去って国はどんな状況になっているかを知りたかったからである。
「さて本題に入ろうか、まぁ簡単なことだが俺たちレジスタンスに入らないか?」
「どうして私だけ誘う?他の2人も感知できるなら連れて来て2人も誘えばいいじゃないか?」
「とりあえず君1人さ。後の2人は今合流しているし、じきに誘うさ」
実里は頭を横にひねりかなり悩む。
「・・・考えさせてくれないか」
と言いテントを出た。
「リーダーの話は聞いたか?」
「聞いたよ」
外で待っていた実里を村に連れてき男が実里のもとまできていう。
「リーダーは君を欲しがっている。何より人材不足だし、俺たちだけじゃガイアラン皇国、アワルディア帝国には敵わない。倒す気はないが、今両国はにらみ合いが続いてる。それを出来るだけ止めたいんだ」
それにと男は続けて
「リーダーは人も探してるんだ。だからその人も探してあげて欲しい。君には期待しているよ」
と男はいい去って言った。
実里は苦渋の決断の末に覚悟を決めた。
温かい目で読んでください。