ヴラドリオの過去、カルナクとの関わり
アルムの屋敷を離れ、ギルドに向かっている途中、ギルドに向かっている一人の男に出会った。カルナクはその男にギルドにヴラドリオという男はいないかと尋ねてみることにした。
「すいません。ギルドに向かっているのでしたら尋ねたいことがあるのですが。もし、ヴラドリオ・バーラッシュという方が今どこにいるか分かりますか?」
その男は立ち止まりカルナクに言った。
「私がヴラドリオ・バーラッシュだがお前は誰だ?」
カルナクはそれを聞いた瞬間、ヴラドリオの前に跪いた。
「お久しぶりにございますヴラドリオ様。昔バーラッシュ家で傭兵をやっておりましたカルナクと申します。これで思い出せませぬか?」
「お前カルナクか?バーラッシュ家が滅んで傭兵の人らの噂を全く聞かなくなったので皆殺されたのかと思っていたのだがお前は生きていたのだな」
ヴラドリオは喜んでいた。昔バーラッシュ家で傭兵をしていたカルナクと再び会えたことでとても気分が良くなっていた。
「でカルナク。私に何の用だ?これから明日の準備で忙しいのだが」
「まさか本当に決闘するつもりなんですか?鏡理人と」
「知っていたのか。そうだ。私は鏡理人と明日決闘する。そして舐めた口を叩けないくらいに痛めつける」
ヴラドリオは理人を殺す気はなさそうだがカルナクはヴラドリオの過去のことを知っているため、勢いで殺してしまうんじゃないかと考えていた。
「私のお願いでも聞けないのでしょうか。決闘をやめることは」
「ダメだ。これはあの鏡理人という奴のためでもある。だがたしかに勢いのあまり殺してしまうかもしれないな」
ヴラドリオは恐ろしいことを言った。カルナクは理人がまだ必要だったので死んでもらうわけにはいかなかった。必死でヴラドリオに決闘をやめてくれるように申し込んだ。
「お願いします。奴には私が言い聞かせますから。だから決闘するのはやめてください。貴方様とあいつでは実力に差がありすぎます!」
「ならば私がもし鏡理人を殺しそうになったらお前が俺を止めればいい。その時点で俺は攻撃をやめる。これならばどうだ?」
カルナクは何故そこまでして理人と決闘したいのかなぜかわからなかった。
「何故そこまで鏡との決闘に固執するのです。貴方様がわざわざ相手をするほどの男でもないのに」
「あいつは俺の予想だが多分異能力を身につけて調子にのっている。そんな奴の鼻っ柱を折ってやるのも大人のつとめだろ。まぁ私は多少やりすぎるかもしれないが。まぁその時は頼む。では明日な」
「待ってください!まだ話は、、、」
カルナクは説得を続けようとしたが、その前にヴラドリオが去っていった。
「止められなかったか。ならば明日ヴラドリオがやりすぎそうになったら止めるしかないな。実里のために鏡にはまだ死んでもらっては困るからな」
カルナクはヴラドリオの説得に失敗し、決闘中にヴラドリオが理人を殺しそうになったらそれを止めるという手段しかなくなった。カルナクも宿に戻り翌日に備えた。
次の日、理人VSヴラドリオの対決が始まろうとしていた。