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32、美津子の刺客・1





「 黒髪に 黒い瞳・・? 」




ショウゴは 蛇ににらまれたカエルのように


身動きもせず、



オンナの言葉を 繰り返した。





彼女の目ツキは、まさに獲物を狙う爬虫類。



ショウゴの心の内まで まさぐってくる。





ジェシーとキースは、


自分の心臓の音を 聞きながら


コトの成り行きを見守った。




だがこのカエルは、カエルでも


でっぷり太ったウシガエルだった。






「う~~ん ・・・黒髪で黒目ねぇ~ぇ? 


チャイナタウンにも コリアンタウンにも


掃いて捨てるほどいるしぃ~。  


あ、ほらあ、

ここにだって~キヨポンがぁ?」






ちょっとやそっとでは動じない。



ショウゴは、まず


この女が何者なのかを、見極めることした。




ジェシーはホッと胸をなでおろし、皿を拭き始めた。






「そうよねえ~ぇ」





オンナは一転して、


これでもかという 気さくな笑顔を作って見せた。



押してもダメだから、引いている。





「いくらここらのイケメンを

網羅してるったって


ダウンタウンも 広いんですもの、

そりゃあムリな話よねえ~」





ショウゴは、ちょっとムッとした。





「いったいどんな子を 探してるデスカ~?」





ウワサ大好き男のキースが、


ガマンできずにしゃしゃり出た。






「それがね、ただの子どもじゃないのよ。

アタシも会ったことはナイんだけど・・・


一度会ったら忘れないくらい、印象的な子だって。」





「インショー的・・デスカ?」





「特に眼がね。 


先週の金曜にはNYこっちに着いていて、


アタシのところに来る筈だったのに

連絡もないの。



日本の親友の頼みで、


しばらく預かる事になってたんだけど」





「い、イヤだわ、

なにか事件に巻き込まれたんじゃないかしらあっ?!」





ショウゴは大げさに 驚いて見せた。





「そうなのよーーもう、

随分心配しちゃったわ~」





オンナが


ショウゴのテンションに、ぴったり合わせてくる。





「でもね、先方に連絡したら、

逃げたんだろうって言うのよ、


そんなタマじゃないって。」





「逃げた? 

それって、何かワケありデスカ?!」





キースがさらに 身を乗り出す。



その、キースの頭のてっぺんから


カウンター越しに見える胸元までを、



オンナの目が一瞬で、検証する。






「子どものくせに、ジゴロなのよ。


目的を果たすためなら

どんな相手でも 手段を選ばないんですって」




「オウ! ジゴロ?!」




「ど・・どんな相手でも・・?」





ジェシーも、弱々しい声で会話に入る。





「そう、どんなオバサンでもブスでも、

イロオトコでも、


その気にさせちゃうのよ」




「きゃ~んステキっ! 

アタシも口説かれたいーーん」





「なんたって、20も年の差がある

アタシの親友の夫まで


寝取っちゃったんだから!」




「え、ええっ?!」





お昼のワイドショー的スキャンダラスな


オンナの物言いに、



キースは まんまと目を輝かせた。





そして、その先を期待するキースに


勿体つけたちょうどいいタイミングで、



オンナはタバコの煙を くゆらせた。






「ジゴロでジャンキー、サギに乱交に窃盗、


・・とにかく 油断のならない子なの。



名前は リ・オウジ。 身長170。

  


もし、それらしい子を見つけたら

ココに連絡してくれないかしら」





女は日系のTV局の名称に、


プロデューサー“井上真由美”と


書かれてある名刺を ショウゴに渡した。






そして立ち上がり際に


ロックのレミーマルタンを イッキに飲み干し、




そのグラスの中の氷で、タバコの火を消すと



カウンターの上に100ドル札を置いた。





「帰るわよ キヨシ」





女ボスの言葉で、キヨポンも立ち上がる。





「じゃ、ショウちゃん、また来るから!」





2人はドアに向かって歩き出した。






ふう・・と息をひとつ


ジェシーがつき終ろうとしたとき、


店のドアが開く、ベルの音が鳴り響いた。




そして聞きなれた笑い声とともに、


2人の男の子が現れたのだ。






「オッス ショウゴ!! 

おもしろいモン見せに来たぜ~!」




「オウ・・!!」





“・・ジ”と続けようとして、


ジェシーは思いっきり言葉を 飲み込んだ。




視界のスミに映った


井上真由美の姿を、確認したのだ。







--------------------To be continued!

このお話はフィクションであり、設定は1980年代NYです。

なお、本作は作者本人により「イースト・セブンス・ストリート ~NYの夢追い人~」として、以前アメブロに掲載されていたものです。


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