4月5日 ご機嫌登校
「~♪~♪~♪」
今日は待ちに待った入学式。
今日からお兄ちゃんと同じ学校に通えると思うと、自然と流れ出る鼻歌が止まることはない。
「明日からお兄ちゃんとこの道を歩くんだよな~♪」
私はこれから三年間通うことになる通学路を見回した。
登下校の時に寄れそうなコンビニ、桜が咲いている公園、カップル御用達感の漂う喫茶店、有名らしいレストラン等々。
通学路のくせに学生に寄り道をさせようと、強烈な誘惑があっちこっちから放たれている。
と、寄り道、もといお兄ちゃんとのデートプランは充実しそうだけど、
「ホント遠いな~」
徒歩で通えるとは言え、40分以上歩く。自転車は、以前事故があったらしく、使用を禁止されているからな~。
お兄ちゃんはこの道を全力疾走で行けるって言ってたけど、常人とてもできるとは思えない。
お兄ちゃんならできるだろうけど♪
………あ、麗もできるかな。
など色々考えている内に前の方に巨大な建物が見えてきた。
「あれだ♪お兄ちゃんの待つ学校は♪」
公立緑山河高校。
私にとっては大した偏差値じゃないけど、何よりもお兄ちゃんがいる。
それだけで行く価値がある。
いや、行く義務がある。
私と、お兄ちゃんの、ハッピーエンドの為に行かなければならない。
それが定められた運命。
私にはお兄………(以下略)
「さぁて。お兄ちゃんの待つ学校へ、いざ突撃~♪」