ゴールド、情報収集の旅の巻③
翌日、私は再び冒険者ギルドへと呼ばれました。
依頼の内容は、またしてもオーク討伐。
昨日と同じ、近隣のダンジョンから現れる個体です。
依頼そのものに問題はございません。
ですが、受付の言葉や周囲の視線から、微かな違和感を覚えました。
――頼りきっている。
それは感謝とは異なる、
自ら立とうとしない者の視線でございました。
とはいえ、オークの被害に困っているのも事実。
見過ごすことはできず、私は再び森へと向かいました。
討伐は滞りなく終わります。
数体のオークを仕留め、肉を回収し、村へ戻る。
オークの肉を差し出すと、村人たちはまた歓声を上げました。
その笑顔を見て、私の胸にわずかな温もりが生まれたのも事実です。
――人の役に立つというのは、悪くない。
ですが、その奥にあるものが、どうしても気に掛かりました。
違和感は、消えません。
その夜、私は村人たちの様子を、こっそりと伺いました。
灯りの下で交わされる、油断した声。
「ゴールドがいれば、もう大丈夫だな」
「これからは全部、あいつに任せちまえばいい」
「もし出て行こうとしたら……泣いて引き止めりゃいいさ」
私は、言葉を失いました。
彼らは守られたことで、安心したのではございません。
依存し、考えることをやめていたのです。
自分たちが強くなろうとしない。
学ぼうとしない。
立ち上がろうとしない。
それは怠慢であり、
誰かに背負わせることで成り立つ、歪んだ平穏でした。
私は、深く失望いたしました。
マモル様が抱いた人間への不信感とは、少し異なります。
裏切りでも、敵意でもない。
しかしそれでも――
人間は、信用に値しない存在である。
そう結論づけるには、十分でございました。
太陽が昇る前、私は静かに村を離れました。
誰にも告げず、足跡も残さず。
人間界の情報は得られました。
そして、人間という種族についても、理解いたしました。
もはや、ここに留まる理由はございません。
私は進路を定めます。
帰るべき場所は、一つ。
――スライム王国へ。
マモル様のもとへ。




