ゴールド、情報収集の旅の巻②
翌朝、私は村の冒険者ギルドを訪れました。
木造の小さな建物で、掲げられた看板も年季が入っております。
人の出入りは少なく、内部は静まり返っていました。
クエスト案内所にて、掲示板に貼られた依頼に目を通します。
その中で一つ、目に留まるものがございました。
――近隣のダンジョンから現れるオークの討伐。
受付の者に詳細を尋ねますと、この村には腕利きの冒険者がほとんどおらず、
オーク相手でも被害が出ているとのことでした。
魔物はダンジョン内で生まれますが、
ダンジョンの外で生きられないわけではございません。
活動範囲を広げ、村や街を襲うことも珍しくない。
スライム王国を襲ったゴブリンの群れと、同じ性質でございます。
私はその依頼を引き受け、村を後にしました。
しばらく森を抜けた先で、オーク五体と遭遇いたします。
棍棒を携え、荒い呼吸を立てる姿。
人間にとっては脅威でしょうが――
私にとっては、格下。
補助魔法で身体能力を強化し、無駄のない動きで距離を詰めます。
急所を的確に突き、五体はほどなく地に伏しました。
こちらに傷は一切ございません。
魔物によっては、その死体が有益な資源となります。
オークの肉は人間の食糧となり、
リザードの鱗は鎧の素材となる。
……考えたくはありませんが、スライムはポーションの材料となることもございます。
私はオークの肉を回収し、村へと戻りました。
それを差し出すと、村の住民たちは目を見開き、
次第に感謝の言葉を口にし始めました。
「助かった」
「これでしばらく安心だ」
「ありがとう、旅人さん」
その表情に、偽りは感じられませんでした。
私の中で、
「人間は悪である」という考えは、確実に薄れておりました。
――少なくとも、全てではない。
しかし、その一方で。
村に漂う空気が、微妙に変化していることにも気づいておりました。
感謝の裏に、焦り。
安堵の奥に、落ち着かぬ視線。
誰かが私を見るたびに、一瞬だけ言葉を飲み込む仕草。
穏やかではあるが、どこか不穏。
私は静かに、周囲を観察いたしました。




