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人間は信用できないのでスライム王国を作ります!(一話あたり短め)  作者: 公卵
スライム王国建国編

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18/35

マモル、実戦訓練の巻



空はまだ薄曇りで、草木の葉が風に揺れる音だけが静かに響いていた。

俺はゴールドとシルバーと並んで、防衛魔法の訓練に集中している。

指先に魔力を流し込み、バリアの形状や厚みを微調整するたびに、空気がピリピリと反応した。


そのとき、アルミンの声が小さく、少し震えながら聞こえた。


「マモルさま……あのね……ゴ、ゴブリンさんたち……こっちに……くるよ……」


俺は振り返り、幼いスライムの姿を目で追った。

体は小さいが、目の中には必死な光が宿っている。

「分かった、アルミン。シルバー、助言を頼む」


シルバーはいつも通り穏やかに頷く。

「承知いたしました、マモル様。今回は、防衛魔法を実戦で試す良い機会です。焦らず、状況を見極めながら展開なさってください」


俺は深く息を吸い込み、両手を広げる。

視界の端でライムが小さく光を揺らすのを感じた。

そして、地面の上に透明な結界がゆっくりと立ち上がる。

風が結界の表面に当たり、わずかに音を立てる。


――これが俺の力か。

守る力……俺でも、仲間や国を守れるんだ。


遠くからゴブリンの唸り声と足音が聞こえてくる。

彼らは突進してくるが、結界に触れると弾かれ、地面に尻もちをつく。

何度ぶつかろうとも、バリアは破れない。

アルミンが小さくぴょんぴょん跳ねながら、興奮気味に叫ぶ。


「すごいよ、マモルさま! ゴブリンさんたち、あたらないよ!」


俺は自然と笑みを浮かべる。

これが……守る力の手応えなんだ。


「さて、ここからは兵団の出番だ」


カッパー率いるスライム兵団が、陣形を整え始める。

槍や弓を持った兵士型スライムが一斉に前進し、正確な攻撃を繰り出す。

ゴブリンたちは散開し、慌てて退却する。

戦いはあっという間に終わり、王国側の被害はゼロだった。


安堵の息をついた瞬間、全身の力が抜け、どっと疲れが押し寄せる。

胸の奥まで、魔力を使い切った感覚が広がった。


「マモル様……大丈夫でございますか?」


ゴールドの穏やかで落ち着いた声が聞こえる。

「防衛魔法は魔力消費がそれなりにございます。

 今回は領土全域に大きくバリアを展開されましたので、相当な魔力を使われた影響が出ております」


「ふぅ……でも……守れた」


俺は空を見上げ、遠くに散るゴブリンの姿を目で追った。

まだまだ未熟だが、それでも――


「俺は……スライム王国の力になれている」


小さなアルミンがにこにこと跳ねて近づく。

「マモルさま……ぼく、いっぱいお手伝いする! マモルさまとライムさまを……まもるの!」


俺は肩を軽く叩き、笑った。

「ありがとう、アルミン。頼りにしてるぞ」


ライムは肩の上で静かに光を揺らし、何も言わずとも喜びを伝えてくる。

その光に、俺は小さく頷く。


――国は確かに成長している。

――次は、俺自身が成長する番だ。


守る力を手に入れ、スライムたちと共に、この国を守り抜く。

まだ道は長い。けれど、俺は進む。



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