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三題噺もどき3

性格

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくはちじゅうきゅう。



喉が渇いたのでリビングに向かう。


部屋でちょっとした作業をしていたのだけど。

そういえば今日は水分補給をしていないと気づき、その瞬間喉が渇いたのでこうして降りてきた。ホントはあったかいものが飲みたいんだけど、そんなものは常備されていないので麦茶で我慢する。

「……」

冷蔵庫を開け、作り置きの麦茶のボトルを手に取る。

この時期冷蔵庫を開けるだけでも、部屋の温度が一度下がったような気分になる。ただでさえ寒いのに、これ以上冷やさないで欲しい。

「……」

まぁ、それは気のせいなので、何でも気の持ちようということだ。

ここ数日の体調不良も気の持ちようなのかもしれない。

そうではないかもしれないし、そうかもしれない。

「……」

結局、医者にかからずに熱も下がり、のどの痛みも引いてきたので、ホントに気の持ちような気がしてくるが。医者にかからないのは、それはそれで原因が分からずじまいなのがよくないような……ま、病院に行くにもお金がかかるし、今この家でお荷物になっている私にかけるお金はないから、結果的によかったということでいいのかもしれない。

「……」

さすがに何日も続くようであれば病院に行くのも考えたかもしれないが。

快方に向かっているのがなんとなくわかったし、最悪明日までに治っていればいいだろうと思っていたので何も問題はない。

「……」

明日はちょっと予定があるので、外すわけにはいかないのだ。

いうて、友達と会うとかそういうんじゃないので。人には会うけど。

ただの車の定期点検に行くだけなので、最悪父か母が車を持って行ってくれればいいにはいんだけど。

「……」

しかし……よくよく思いだしてみると医者にかかったことなんて両手に収まるくらいしかない気がする。そのうち数回は体調を崩してとかじゃなくて、学校の内科検診で何かがあったから仕方なく連れて行かれただけで……。あとはまぁ、目が悪いので眼科に行く程度だろうか。

「……」

丈夫な体に育ててもらったと思えばいいことなのだけど。

未練がましいわけでもないが……思いかえしてみてしまうと、少々思案してしまう所はある。共働きで、母は簡単に休める仕事でもないし、父は休みはあるとはいえ緊急時は仕事優先なので、いない事の方が多い時だってあった。仕方がないと言えば仕方がない。

「……」

なんか。

仕事を辞めてから。

こうしてぼうっとする瞬間が増えたと言うか、考え事をする時間が増えたと言うか。

そのせいで、気にもしていなかったことに目が行くようになっていけない。

それが少しでもいいことばかりなら、良いのだけど、そういうわけでもないし。

むしろ悪い、マイナスなことばかりで、毎日必要以上に考え込んでしまっている気がする。

「……」

今考えていることだって、別に大したことじゃなかったはずなのに。

あの時はあの時はって、色々思いだしては消してを繰り返している。

これが、一人の時は自分の中でどうにかこうにか処理してしまえるんだけど。

「……」

人といるときに、ふとなにかにきづいて思いだして後悔したり思案したりしていると、突然機嫌が悪くなったやつになってしまう事がある。猫じゃあるまいに……瞬間瞬間の気まぐれが許されるのは彼らだけだ。

「……」

今だってこうして、自分で言い聞かせたりしながら落ち着かせているけど。

これで誰か帰ってきてみて、話しかけられたりでもしたら適当な返事をするのが目に見えている。その直前の機嫌を知らないだけまだましだ。

「……」

そうなると面倒なので(特に母だと)、さっさと部屋に戻ってしまおう。

水分補給は済ませたし、この調子では続きは出来ないだろうけど。

ま、携帯でもいじっていれば気分は紛れるはずだ。

「……」

自分自身の事なのに、扱いづらくてホントに面倒だと思う。

分かっているようでいて分かっていないこともあるから、更に面倒なのだ。

たまに、どうして分かってくれないんだろうと問い詰めたくなる時があるが、そんなもの、自分でもわかってないのに他人に分かるわけがないだろうと言う感じだ。

「……」

ホントにめんどくさい性格になってしまった。

どこで間違ったんだろうな……幼い頃は比較的活発で良い子だったはずなんだけど。

自分で言うことじゃないなこれ。











お題:未練がましい・医者・猫


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