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特別な時間をプロデュース!!  作者: むくのき
第1章 『特別』を作る人間
3/13

03 生徒会と学年の変わり者

少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけましたら、

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午前中の授業と席替えを何事もなく終え、五十分間の昼休みに入った。

俺は購買で焼きそばパンとカレーパンを購入し、いつも通り一人で屋上へと向かっていた。

かなでと京はクラスや部活動の友人と一緒に昼食を楽しんでいる。

体育館近くを通り過ぎた後、校内放送が鳴り響いた。


「(校内放送の音)二年の藤織 白さん 至急、二階の生徒会室まで来て下さい。 繰り返します――」

いや俺、腹減ったんだけど……

俺は何かしでかしたのだろうか

生徒会からの招集に応じることになり、二階へ向かう。


うちの高校の生徒会は与えられている権限がかなり大きい。

クラス同士の揉め事への干渉や学校行事のスケジュール、噂によると進級時のクラス替えにも口を出せるらしい。他にももっと恐ろしい権限が――

クラス同士の揉め事への干渉なんてFBIみたいでかっこいい


そんな巨大勢力に呼び出された俺。

なんか一人で強大な敵に立ち向かう勇者――

いや、悪の組織が唯一恐れる力を持つ主人公みたいな感じだ。


「なに一人で笑ってんのよ」

おっと表情に出ていたらしい

「ちょっと厄介事に巻き込まれたものでね。その特別感に浸っていたんだ。てか、かなでが何でここにいるんだ」

話しかけてきたのは部活の友人と昼食を摂っているはずのかなでだった。

「だって体育館で食べてたんだもの。部活のミーティングがあったから。それはそうと厄介事に巻き込まれたって、白はいつも自分から厄介事に飛び込んでいくじゃない。だから生徒会に呼び出される羽目になるのよ」


「別に好きで飛び込んでるわけじゃないよ。何か『特別』な体験がしたいんだよ、俺は。だから色んなことに首を突っ込んでるんだよ」

「二年生になってから『特別』にこだわるようになったよね。どうして急にこだわるようになったの?おじさんとおばさんの離婚が原因なら――」

「知っての通りうちの生徒会は与えられている権限が大きいんだ。すぐに呼び出しに応じないとどんな処分が下されるか――」

そう言ってかなでからの質問には答えずに、そのまま生徒会室へと向かった。

別に答えたくないからではない。

答えればかなでを傷つけてしまうと思ったからだ。

どっち付かずはよくないからね



生徒会室には会長の陸山 夏菜子(むつやま かなこ)と副会長の谷岡 駿(たにおか しゅん)が待ち構えていた。

「なにか御用ですか。陸山会長、谷岡副会長」


「藤織、お前また他クラスの教室で騒ぎを起こしたらしいな」

「騒ぎってなんですか?谷岡副会長」

「なんでも二年三組の郡原(こおりばら)の恋愛相談に乗って、彼の好きな女の子を危険な目に合わせたと目撃証言が上がっているんだが」

「危険な目に合わせた?俺が?」

「そうだ。タイガーマスクを被った男に女子生徒が襲われている場面を多数の生徒が目撃している―― というか授業中だったらしいから目撃されて当然なんだが」

「あれは違いますよ。『授業中に悪者が入ってきて、好きな女の子が襲われそうになっているのを見た主人公が勇敢にも悪者に立ち向かって女の子を助けた結果、恋が実る』っていう全男子が一度は妄想するシチュエーションを用意しただけですよ」

「それでお前は犯罪者に扮して女子生徒に襲いかかったのか?」

「いや当初の予定では俺が女の子に襲いかかる寸前で郡原が間に止めに入る予定だったんですけど、思ったよりも郡原の席と女の子の席が離れてて……」

「郡原くんの助けが間に合わずに女の子を押し倒したと?」

「まあ、そうなりますね。陸山会長」

生徒会室は校舎の二階の最も生徒が行き交う場所にある。

にも関わらずしばしの静寂が訪れた。


そして陸山会長が口を開くと、光が集まり――

「破壊光線!」

「生徒会としてはお前をブラックリストに登録するつもりで動いている」


ブラックリスト

それは朝檜山高校の生徒会が有する最も強い権限だ。

ブラックリストに登録された生徒は百ポイントの持ち点が与えられる。そして普段の学校生活での態度やテストの点数などでマイナス面があると判断されるとその都度ポイントを減らされ、八十ポイントを切ると学食の利用禁止。六十ポイントを切ると毎朝と放課後の校舎清掃の強制、四十ポイントを切ると一般生徒が六限までのところを七限目の解禁、そしてゼロポイントになると退学処分となる。


「ブラックリスト――それはもう決定事項ですか?」

「ほぼ確実に登録されるだろう。もし回避するチャンスがほしいのならば、十分な反省と今日から一ヶ月間の生徒会の雑務に励んでもらった後に再考することになるな。そもそもブラックリストに登録された生徒などこの学校の歴史上いないわけだから、登録されそうになった生徒は皆、回避するチャンスをものにしたということに――」


「反省していません。ブラックリスト万歳」


学校の歴史上初のブラックリスト登録者

藤織 白


こんな『特別』な響きに俺が惹かれないはずがなかった。


《藤織 白:持ち点 100ポイント》



今答えれば、かなでを傷つける…

「どっち付かず」という言葉の意味とは…?

そして白の言う『特別』とは?こだわる理由は?



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