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幻想滅亡録  作者: 光を求める旅人
博麗神社と魔法の森
4/7

episode4 惨状

???

・魔理沙と同様に幻想郷の住人でありながら他の住人を襲っている。



音華と霊夢がいる魔法の森に暗雲が立ち込める。犠牲が出る日も遠くはないのかもしれない。

霊夢と音華は魔法の森の中を歩いていた。妙な静けさに怪しさを覚えつつも生き物の気配がしないために特に警戒はしてなかった。そのとき霊夢の一言に音華は疑問を持った。

霊夢「ここは魔法の森、魔理沙の家の周りにある森よ。魔理沙以外誰もいないけどね。魔理沙ももういないから誰もいないことになるか...」

音華「誰もいない...」

霊夢「なにか不思議?」

音華「霊夢。私の記憶が正しければここには妖精がいたはず。なぜ妖精がいないの?」

霊夢「そうよ。ここには妖精がいた。たしかにいた。今はいないけど。」

音華「もしかして...殺したのは....霊夢...?」

霊夢「........。」

次の霊夢の一言で空気が凍りつく。

霊夢「....間違ってはいない。私が殺したようなもの。」

音華はすぐに霊夢を警戒した。

音華「なんで...同じ幻想郷の仲間でしょ...」

霊夢「なんでって...ただあいつらが異変を起こしたから...」

音華 (なにかおかしい....)

霊夢「数ヶ月前に異変が起きた。魔法の森一体で小動物が殺されたり、木が燃えていたり、挙句の果てには魔理沙の家に火がついて少しだけ燃えてしまった。」

音華「だからって妖精が犯人って決めつけるのは...」

霊夢「あのとき、魔理沙は遠くへでかけていた。他の住人たちは宴会をしていたか、留守番をしていたの。だから犯人は妖精たちしかいなかった。」

音華「.....。」

霊夢「あのとき妖精たちはずっと魔理沙のせいだって言っていたけど、魔理沙はでかけてて遠くにいたこともわかってた。だから妖精たちと戦った。」

音華「でもそれなら別に殺す必要は...」

霊夢「妖精たちを殺したのは魔理沙なの。」

音華「!...」

霊夢「魔理沙がちょうど帰ってきて、自分の家と森を燃やしたことに激怒して...妖怪や妖精たちが...」

音華「魔法の森にはアリスの家もあったはず...」

霊夢「同じよ。魔理沙は最終的に魔法の森にいた全員を根絶やしにした挙げ句、一部の妖精のすみかだった湖の住人たちも殺した。魔理沙は...おそらくそのときから変わってしまった。私達は魔理沙を倒そうとしたけど結局無理で、魔理沙は誰も知らない幻想郷の秘境に隠れて、定期的にどこかに攻撃して去っていく。」

音華「まさか...それだったら今無事なのは...」

霊夢「今大丈夫なのは博麗神社と白玉楼くらいよ。あとあなたを助けたチルノと大妖精ぐらい。」

幻想郷は今やほとんどが壊滅し、いつ滅亡するかわからない状態だった。

霊夢「あの二人が戦ってもおそらく即死するかしないかのレベルだから。今戦えるのはほんの数人。」

音華「.....。」

霊夢「どれだけ説得しても幻想郷は救えない。もう戦うしかないの。」

音華「私も戦わせて。」

霊夢「無理よ。魔理沙は強くなりすぎてる。私が本気を出しても止めるのが精一杯。倒すことなんて絶対できない。」

音華「.....。でも...!」

霊夢「もう手遅れなの...」

霊夢は音華を気にせず歩いていった。音華はほんのすこし悲しそうな背中を黙って見つめることしかできなかった。すこしだけ時間がたって、音華がひとつの気配を感じた。幻想郷の住人と同じ気配をまとっているが、明らかに強い殺意があふれでている。全身が凍りつくような力。音華はその気配の正体が誰かわかっていた。すぐに気配のする場所へと向かった。音華は目の前の光景に驚いてしまった。血を流し倒れる霊夢を支えているチルノと、血だまりに血からなく倒れる大妖精。時間がないことは確実だった。



音華に強い言葉をいってしまったかもしれない。でもすべて真実だった。これ以上犠牲は出したくないからこそ、私一人で動いていた。博麗の巫女としての責任であり、幻想郷の住人としての使命だった。しかしそれでも音華を傷つけたことはわかっていた。気まずくなってすぐにその場を離れた。ほんのすこし歩いただけなのにすごい長い時間がたったような気がして一歩一歩歩くたびに自分への問いが大きくなっていく。

「私は正しかったのか。」

正しかったとしても結果的に音華を傷つけた。でも犠牲は増やしたくない。振り替えるたびに迷いが増えていく。そんなときに私を正気に戻したのは....悲鳴だった。

悲鳴がしてすぐに悲鳴がした方向に向かうとそこには目の前の幻想郷の住人に殺されかけている大妖精と、すぐ近くで助けにいこうとしながらだ動けなくなっているチルノを見つけた。私はすぐに殺人鬼に弾幕を放ち、大妖精を助けようとしたが、遅かった。殺人鬼は1秒もたたずして大妖精を一突きで倒しそのまま弾幕をはじいてこちらへと向かっていた。早すぎる攻撃に反応できず、そのまま攻撃を受けてしまい、私は吹き飛ばされ木へと打ち付けられた。衝撃で全身に痛みを感じる。しかしここで止まることはできなかった。すぐに反撃をした私に反応した殺人鬼が接近してきてそれからは弾幕と体術の近距離戦が繰り広げられたが、私はすぐに相手にならなくなった。攻撃を防ぐのが精一杯になって戦闘というより一方的な攻撃へと変わっていた。そんな最中に殺人鬼が私を強い力で突き飛ばした瞬間、チルノの方へ槍を持って突撃していった。大妖精は生死の境にいる。これ以上犠牲を出すことはできない。私は考えるより先に行動していた。チルノの前に立ちはだかった私に殺人鬼は遠慮なく槍を突き刺した。幸い私とチルノの身体の差によって急所を狙った攻撃は急所に当たらなかった。しかし私の腹に深く突き刺さった。チルノが手で必死に傷を押さえていたが、私の意識は闇へ沈んでいった。最後の最後に私は一言だけ殺人鬼へいい放った。

「姉を襲って、仲のいいチルノや大妖精たちにも攻撃して、後悔するわよ.........」


「フラン。」

この言葉を最後、私の目に光が入ることはなかった。チルノを守り大妖精を助けなければいけないのに、限界が来てしまった....。私はこれで死ぬのかもしれない...。なにもできないので生か死のどちらかを待つことしかできなくなった。



霊夢は重症を負い、大妖精は瀕死。見たところチルノも戦闘ができる状態ではないし、相手が強すぎる。確実な不利の状態で時間が残されていないという絶望的な状態。一途の希望を目指した戦うものの、犠牲が出る可能性がここまで高いとあまりにも難しすぎる。どれだけ最善を尽くそうとも危機的な状態だった...。

二人目の敵側が出たことによって幻想郷の惨状が少しずつ明らかになってきました。

重傷を負った霊夢、瀕死の大妖精、ダメージで命に別状はないものの動けなくなっているチルノ。駆けつけた音華に対峙するフラン。フランが暴走していることを考えると魔法の森とは別のあの場所も危機的状況になっているかもしれません。次回は戦闘から始まります。

幻想郷がどうなるかは音華に託されました。

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