episode3 違和感
霊夢はずっと苦しめられていた。
???
・霊夢によって殺されたと思われる。霊夢の夢に何度も出てきている。
霊夢は夢の中を歩いている。
「ここは天国...?」
「お前のせいで失敗した。」
「誰?」
「お前のせいで命を失った。」
「まさかわたしが.....したから....」
「私たちは死ななくてもよかったのに、死なない選択もあったのに...!」
「私が選択を誤ったから...」
「お前のせいだ」
「お前のせいだ」
「お前のせいだ」
「はっ!」
霊夢は夢によって目が覚めた。
「ずっと心の中に残ってる..後悔と悲しみが...」
「親友をたすけられず...なかまもたすけられず...」
霊夢の目からは大粒の涙が落ちる。
その頃、音華は魔法のもりにある家へと向かっていた。音華は異変を感じていた。
魔法の森は人どころか動物の声も聞こえない。静かすぎる。
少し歩くと家が見える。そこはとてもきれいだった。
ドアを叩いたが反応がない。ドアを触ると鍵は開いていた。
「魔理沙ー!いないのー?」
数分後…
「全部探したのに…いない。ってなにこれ…?」
魔理沙の家の裏にお墓のようなものがある。
「お墓……え?…なんで…魔理沙の…名前が…?」
「死んだからよ。」
「死んだ……?」
魔理沙の家の裏に来たところで霊夢がいたようだ。
「魔理沙は戦いの途中で死んだ。私達はここに墓を立てた。ただそれだけ。」
「なんでそんな淡々と喋れるの…?辛くないの…?」
「辛いわよ!」
霊夢は叫んだ。そして続ける。
「辛いわよ…今すぐにでも泣きたいぐらい…寂しいし、悲しいし、辛いし、苦しいし、後悔だってしている。でも…私達が知ってる魔理沙はもういないの…。」
「私達が…知ってる…魔理沙……?」
「もう4ヶ月になる…魔理沙が敵になってから…。」
「敵になるってどういうこと…?魔理沙が…裏切ったってこと…?」
「それは違う!」
またも霊夢が叫ぶ。
「私達だって説得しようとした…魔理沙に一回だけなんで私達に攻撃するの…?って言ってみたの。その後なんて返ってきたかわかる…?」
「お前らは私達の敵だからだ。」
「魔理沙が裏切るようなやつじゃないってわかってるし信じたくもない。でも魔理沙は確かに敵なの…。私達が説得しようとしても無理だった。」
「霊夢…。」
音華はその話を黙って聞いていた。しかし少し違和感を持っていた。
「一つだけ聞いてもいい…?」
「いいわよ」
「魔理沙がなにかに侵されている可能性はないの?」
「それは…ないと…思う…魔理沙は…魔理沙に限って…そんなこと…」
「そう…。」
「ところで音華はなぜ魔理沙の名前を知っているの?」
「遠い昔私は魔理沙と会ったことが有るから…」
「会ったことが…ある…?私が知らなくて…魔理沙が知っている人…?」
「そういうことになる…」
「あるわけがない…私は魔理沙とずっと一緒だった。」
「そう…。」
音華は少し悲しい顔をする。
「私の勘違いだったかもしれない…霊夢は魔理沙とずっと一緒だったもんね。」
「ええ…。でもそしたらなんで魔理沙の家を知っているの…?」
「霊夢が言ってたでしょ…。さっき寝る前に私の親友が魔法の森に住んでいたって。」
「そうだったわ…“住んでいた”だけど…」
「……。」
音華はこれ以上何も言わなかった。すべての言葉が霊夢の心に刺さるのではないかと…何を喋っても今の霊夢にはナイフになってしまうのではないかと…そんな思いがあった。
「霊夢…神社戻る?」
「戻るわ…。」
二人は魔法の森を歩く。そこで再会を果たすことになるのだが…それは次にとっておこう。
魔理沙が敵に裏切ったなんて信じられませんよね。
第一章博麗神社と魔法の森はあと2話ほどで終わると思います