episode2 新たな居場所
博麗霊夢
・人間に恨みを持っている。理由はまだわからない。
・殺した人数は50を超えている。
「ん…ここは…?」
「森の中よ。」
音華の目の前には赤い巫女服を着た人物がおり、遠くでは2人の子供が遊んでいた。2人と表せるかは…まあおいておこう。
「あなたは…?あの二人はたぶん私を助けてくれたと思うのだけれど…。」
「私は博麗霊夢。幻想郷の結界を管理しているの。今日いつも通りに過ごしていたのだけれどこっち側の結界が一瞬消えたようだったから見に来たらあなたがいたのよ。率直に聞くけど、あなた何者?」
「私は…ただの旅人。名前は青葉音華。幻の場所を探して森の中を歩いていたのだけれど…途中から記憶がなくて…たぶん空腹でほとんど意識がない状態で歩いていたんだと思う。」
「そう…幻の場所…そこって幻想郷っていう場所?」
「うん。森の奥にあるっていう噂を聞いたから。」
「…………。」
「幻想郷ってどこに有るか知ってるの?」
「ええ。幻想郷の場所は知ってる。」
「じゃあ教えて!」
「幻想郷はここよ。」
「……。ここが…?」
「そう…ここは幻想郷。外の世界とは隔てられた世界。」
「きれいな場所…。」
「もう一つだけあるの。」
「なに?」
音華が聞くと、霊夢は衝撃的なことを言った。
「ここを知ったものは一人残らず殺してきた。」
「!…なぜ…?」
「ここに来たやつはろくなやつじゃない。前は妖怪を捕まえようと能力者が来た。その前は幻想郷を滅ぼそうと戦いに来たやつもいた。何度も外からの訪問者によって被害を受けてきた。だからわたしたちは決めたの。この地に足を踏み入れさせない。そして踏み入ったやつは帰らせない。強引にでも。」
「……。」
「あなたも例外じゃない。元軍人でしょあなた。」
「なんで…?何も言ってないのに。」
「動きよ。明らかに戦闘慣れしている。私が話した時あなたはとっさに臨戦態勢になったでしょ。まあ気づかせないように最低限の動きにしていたようだけど。」
「……。そこまでバレているなんて…。」
「軍人はとくに警戒しなくちゃいけない。銃を持ってきて私達を力を使える兵器として捕まえようとするやつや妖怪を悪いものだって決めつけて殺そうとするやつだっている。私達はもう外の世界を信頼しない。」
「……。なら私は帰る。ここのことはだれにも言わない。」
「あなた話聞いてた?私は言ったでしょ。ここに来たものはもう帰さないって。」
それを言った瞬間、霊夢は空へと向かい、弾幕を出す。
「あなたはここで死ぬのよ。」
「…逃げるしか。」
「逃すわけないじゃない。」
霊夢によって音華は木に叩きつけられ、その衝撃で骨の折れる音が響く。
「普通の人間じゃあそうなるわよ。右足はもう使い物にならないんじゃない?」
「…。(戦闘力では相手が明らかに上…。どうしよう…。)」
「上からとどめを刺してあげる。右足が折れてちゃ走ることもできないでしょう?」
霊夢は空へ飛んでいき、上から弾幕を撃つ。
「霊符[夢想封印]。」
音華がいた場所は吹き飛び、そこには何も残らなかった。
「運が悪かったわね。私達のことを何も知らずに幻想郷へ入ってしまったせいで命を失うなんてね。」
霊夢は油断していた。いつもより手応えがなかったと。
「さて帰りましょうか。」
霊夢は後ろから吹き飛ばされる。しかし博麗の巫女には体制を立て直すことは容易だった。
「まさか…夢想封印を正面から受けて生きてる…?まさか…逃げたの…?いや右足が折れてる状態であの広範囲攻撃を避けるのは無理よ…。一体…何者…?」
「幻想郷への侵入者を全員殺してきたのでしょう?ということは私のことは知らないのね。」
「知らないわよ。逆に知って何が有るっていうの?」
「私は戦争はずっとみんなを守るものだと思ってた。だから私はずっと戦い続けていた。私の能力を使って。それで私には戦闘狂という異名がついたのよ。」
「……。」
「私は二度と戦いたくない。でもあなたが戦うことを望むなら私はあなたと戦う。」
「……負けたわ。外から来る人間は全員悪いものだと思ってた。でもあなたは違う。あなたからは悪いオーラを感じない。私はあなたを信じる。」
「ありがとう。」
「よろしくね音華。」
「うんよろしく霊夢。」
少し荒々しい歓迎であったがそれも無事に心からの歓迎へと変わった。
真夜中
「霊夢は寝たわね…。まさかいきなり攻撃されるとは思わなかったわ。まあ普通に歓迎されたからいいけど。とりあえず行ってくるか…」
音華は夜中に何処かへ行った。そして霊夢の家である博麗神社から去っていった。
投稿がゆったり過ぎました
がんばります。