第二種:とても優しくてとても危険な愛しい妹
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―前回冒頭と同時刻・甲板―
「てぇあァッ!」
「ィィァァッ!」
ガギィン!
ギャオン!
ギィン!
鉄治の爪とホロビの爪とがぶつかり合い、火花を散らす。
これは一見普通の光景に見えるかも知れないが、実際は恐ろしい事であった。
動物の爪というのは、我々人間を含め大抵の場合皮膚が変化したものである。
故にそれを構成しているのは基本蛋白質なわけで、ホロビの爪も当然それである。
しかし、対する鉄治の爪とは金属であり、闘争に特化した代物なのだが、ホロビの爪はそれと同等の硬度を誇っているのである。
これは本作オリジナル哺乳類であるノースヘッドハンターに共通した特徴でもなければ、玄白が遺伝子操作をしたというわけでもない。
金属のように硬い爪は、彼女特有の素質なのである。
この二匹の闘争は五分五分と言った所で、ホロビは刃によって体中傷だらけだったし、ある程度は外傷の修復が可能な鉄治も、修復に使う体力の消費が激しく、かなり疲弊していた。
二匹は一度闘争を中断し、休憩に入る。
「…フゥーッ…フゥーッ…お前…腕が良いな…。
流石は疑似霊長…それも肉食動物を原型とした人型種というだけはある…!」
「ゼァーッ、ハァーッ、ゼァーッ、ハァーッ…貴方こそ…流石は…シンバラ緊急特務ね…。
最初は…ッァーッ…どの程度の…ッハァーッ…モノかと思って居たけれど…結構……やるじゃない…」
「そりゃどうも…」
―二分後―
何となく闘争を再開した二人。
と、突如鉄治の身体が動かなくなってしまう。
一応意識は保たれているが、身体が自由に動かないのだ。
「(く…どういう事だ…?)」
鉄治が辺りを出来る限り見渡すと、奇妙なポーズを取ったホロビが何か唱えていた。
「…悲哀の詠、ダワィドがワェニアミンの族フスの事に因りて主に謳歌せし所なり。
主我が神や我爾を頼む、我を悉くの窘逐者より救うて我を援け給え、
願わくは彼は獅子の如く我が霊を抜き、援け救う者なき時の如く之を擘かざらん。
主我が神や、若し我何事をか爲し、若し我が手に不義あり、
若し我故なく我が敵となりし人をも救いしに、我と親しみある者に悪を報ゆれば、
願わくは敵は我が霊を追うて之を執え、我が生命を地に踏みにじり我が榮えを塵に擲たん。
主や怒りを発して興き、敵の暴虐に向かえよ、我が爲に起て爾が定めし審判を行い給え、
万民爾を環らん、爾其の上の高きに升り給え、
主は衆民を審判す。主や我の義と我の疵なきに従うて我を審判せよ。
願わくは悪者の残害は絶たれん、義人は爾之を固めよ、義なる神や、爾は人の心腹を試むればなり。
我の盾は心正しき者を救うの神にあり、神は義且つ勇毅にして寛忍なる審判者なり。
又神は人若し反正せざれば、日々に厳しく糺す者なり、
彼は其の剱を研ぎ、其の弓を張りて之を向け、
是が爲に死の器を備え、其の矢を以て火矢と爲す。
夫れ悪者は不義を宿し、残害を孕み、己の爲に詐偽を生めり、
落とし穴を掘り、之を掘り終わりて自ら設けし穴に陥れり、
其の残害は其の首に帰り、其の暴虐は其の頂に落ちん、
我主の義に因りて之を崇め讃め、至上なる主の名を讃め歌う…」
詠唱が終わると、ホロビの背後から色の混ざり合った影のような物が溢れ出て、船全体を覆い尽くす。
影が船全体を完全に覆う直前、鉄治は意識を失った。
―数十秒後―
ふと、彼は目覚めた。
「…此処は…何処だ…?」
彼は見知らぬ都市に居た。
時間帯は丁度夕暮れなのか、西から橙色の光が全体を明るく照らしている。
地面は全てを吸い込みそうな程に黒いアスファルトで固められ、凹みやヒビは一切無かった。
辺りには地面から生えたように高層ビル群が建ち並び、人間の気配は一切無い。
左を見れば大きな水路があり、コンクリートで舗装された水底を透き通った水が流れ、時折その中を小魚の様な生き物が数匹泳いでいくのが見えた。
上を見れば空には鰯雲が浮かんでおり、鳥の様な生き物が一羽、空を忙しなく飛んでいた。
そこは何をどう考えたとしても、見知らぬ都市だった。
「…俺は確か甲板でホロビと戦っていた…筈だった…」
余りにも突然の出来事に、鉄治は少し戸惑い気味だったが、すぐに脱出を決意した。
「何はともあれ、ここから出る方法を考えねぇとな…。
少し調べてみr―「VGAAAAAAAAAAAAAAAAAOOOOOOHHHH!!」
歩き出そうとした鉄治の背後で、正体不明の鳴き声がした。
「!?」
鉄治は慌てて振り返ったが、何も居ない。
と、上方に気配を感じ、上を向く鉄治。
見ればビルの外壁に、手足が長く黒い猿のような細身の獣がへばりついていた。
「(奴は一体…っと、来るッ!)」
獣は鉄治の方へ頭を向けるなり、ビルの外壁を四つん這いで疾走し、鉄治の下へ向かってきた。
飛び掛かってくる獣の頭を、鉄治は頭を変化させた大斧で切り裂く。
ドバッシュ!
獣は頭から身体にかけて切り裂かれ、一応繋がった状態で地面に落ちた。
鉄治は獣の全身像を観察し、その不気味さに一瞬驚いた。
「…コイツ、玄白の野郎が作ったのか…?
だとしたら奴のセンスは相当変わってるというか…最悪だろうな」
その獣の姿とは、まさに異様であった。
全身には毛が無く、細身で長い手足のその様は一見猿を思わせる。
ちなみに後ろ足より前脚の方が若干長い。
その指は二本しか無く、歯の生え方から考えても霊長類とは完全に別系統の生物であろう。
尻からは申し訳程度の長さしか無い尾が生えており、恐らく必要性がないために退化したものだ。
そして何より驚くべき事に、この獣には眼がなかった。
「(目玉が無い…か。
要するにこいつは俺の出す音か臭いを探知している訳だな?)」
そう考えている間にも、鉄治は不気味な謎の獣に取り囲まれていた。
辺りを見渡した彼は、危機を悟った。
「(…ちとやべェな…この侭じゃ喰われちまう…)」
獣達は微動だにしない。
同胞を瞬殺した相手に対し、正面から向かって勝てる相手ではない事を学習したのだろう。
「(仕方ァ無ェ…殺っちまうか!)」
鉄治は金属化の能力により身体を変化させ、まさに異形と言うべき姿へと変貌した。
全身は銀色の金属光沢を放つ鎧の様な外皮に覆われ、顔面は機械的な悪鬼面の様で、口の中には小さい釘のような歯が大型肉食魚のように並んでいる。
カミキリムシを思わせる細長い独特の触角を持ち、それが少し揺れていた。
手足は如何にも鋭そうな外皮で覆われており、二の腕と脹ら脛に収まるようにして、両手と踵から鋭い生物的な刃が生えている。
更にこの生物的な刃は両肩と背中と腰にも二本ずつ存在し、四肢のものとは違い根本の間接がある程度発達しているので適度に方向転換が出来、長さも四肢の刃の二倍はあった。
姿までも『異形』と化した鉄治は、未だ微動だにしない獣共を睨み付ける。
そして無言の侭屈み込み、思い切り前へと駆け出し、獣一匹の脆そうな頭を殴りつける。
殴られた獣は悲鳴も上げずに絶命し、すぐさま両サイドの獣が一匹ずつ飛び掛かってくるが、それらもまた鉄治の両手にあった刃によって頭を下から切り裂かれ、血と脳漿をぶちまけながら即死した。
こうなってくるともう単身獣達の猛攻を無傷不戦で逃れることは不可能となってしまう。
何故ならこの奇怪な獣達は途轍もない敏捷性で相手に忍び寄り、超音波を利用したエコロケーションで獲物の詳細を明確に掴んでくるからだ。
性質は凶暴極まりなく獰猛なので、当然獲物の前で逃げるような馬鹿をしてはいけない。
しかし、鉄治にとってはそれが逆に好都合であった。
獲物が向こうからやって来るならば、自分は只それを切り裂いていれば良いという事だ。
ならばもう、好き勝手に暴れてしまえばいい。
そう思ってしか居なかった鉄治は、獣達を相手にひたすら暴れ続けた。
そして十数分後、鉄治はその場の獣らを全滅させた。
すると突然、空中に亀裂が走り、空間が丸ごと砕けるようにして、彼の今まで存在した空間が消滅した。
見れば、其処は空母の甲板。
そして遠くに目をやると、ホロビが居た。
鉄治は問う。
「…アレは手前の仕業か?」
ホロビは答えた。
「そうよ。
あの風景は、私の能力『幻覚』によって作られた空間。
街もあいつ等も、今まで出会った連中の記憶を適当に混ぜ込んで作ったから結構微妙な出来映えだったのよね。
でもあいつ等が襲ってくるっていう設定にしておけば貴方で遊ぶ位は出来るかな。と、思ってね」
「ほぉ…。
つまり、俺の全力を試す為だと…?」
「そうね。
手束松葉や楠木雅子と同じ様に、貴方も身体を変化させる類の能力だったでしょう?
だから貴方も『ザ・異形』みたいな姿になれるのか気になったのよ」
「期待通りか?」
「いいえ、それを遙かに超えているわ」
「そりゃあどうも」
「どういたしまして」
何気ない会話の末、闘争は再開された。
まず先手を打ったのは鉄治で、姿を変えたことにより上昇した身体能力で一気にホロビへと接近し、彼女の顔面に拳を叩き込む。
ドゥガッ!
「ックァ…」
血を流しながら吹き飛ぶホロビ。
しかし彼女は空中で瞬時に体勢を整え、四つ足で地面に着地する。
ブレーキ代わりの爪を甲板に突き立てたため、十本の爪痕が甲板に残った。
「フーゥ…良い拳ッ!」
俗に言う「雌豹」の構えを取りつつ、ホロビは言った。
「お望みってんなら、この刃で切り身にしてやっても良いんだぜ」
ジャィキン!
鉄治から生えている全ての刃が逆立つ。
それに対して、ホロビは答えながら戦闘態勢に入る。
「じゃあ…私は貴方をスクラップにして上げようかしらァッ!」
鉄治も刃を伏せ、ホロビを挑発した。
「フッ…出来るモンならなァッ!」
ガギャイン!
「金属の拳」と「金属同等の硬度を誇る爪」とのぶつかり合いにより、甲板はまたも火花が散る。
力を解放し、姿を完全に変えた鉄治が、デフォルトの能力しか持たないホロビを接近戦で追い込むのは、そう時間の掛かることではなかった。
―十三分後―
「…ァ……ァ…流石……シンバラ……」
壁にもたれ、全身生傷だらけの上に吐血までしているホロビの命は、既に限界であった。
鉄治は右手の刃の先端を腕の前へと動かし、さながら腕から刃が伸びているような形にし、ホロビ目掛けて腕を振り下ろす。
しかし、ホロビはそこで鉄治の右腕を蹴り弾くと、その傷付きようからは創造も出来ないような体力で後ろへ飛び退き、またも幻術の構えを取り、呪文代わりである聖詠を唱える。
「…ダワィドの詠伶長に之を歌わしむ。
天は神の光榮を伝え、穹蒼は其の手の作る所を語ぐ。
日は日に言葉を宣べ夜は夜に智を施す。
其の聲の聞こえざる言語なく方言なし。
其の聲は全地に伝わり其の言葉は地の極に至る。神は其の中に日の住所を建てり。
日は出る事、新郎が婚宴の宮を出るが如く、喜んで途を駆ける事勇士の如し。
天の涯より出で行きて天の涯に至る物として其の温めを蒙らざるなし。
主の法律は全備にして霊を固め、主の啓示は正しくして蒙者を慧からしむ。
主の命は義にして心を楽しませ、主の誡は明らかにして目を明す。
主を畏るるの畏れは浄くして世々に存す。主の諸々の定めは真実にして皆義なり。
之を金に較べ、多くの純金に較ぶるも尚慕うべし。甘き事蜜に勝り、房より滴るの蜜に勝る。
爾の僕は此に籍りて、衛られ之を守る者は大いなる賜物を得ん。
執か己の過ちを認めんや、我が秘かなる咎より我を浄め給え。
爾の僕を故犯より止めて之に我を制せしむる毋れ。然せば我疵なくして大いなる罪より潔くならん。
主我が防固と我を救う者や、願わくは我が口の言葉と我が心の思いは爾に悦ばれん…」
再び影が現れ、鉄治は一瞬で意識を失った。
―暫・鉄治―
「…また奴の幻術にハマっちまった…。
お次は何だ…?
俺は何処に……ッ!!」
鉄治は一瞬声を失った。
「ここは…俺の家じゃないか…」
そう、そこは鉄治の実家だったのだ。
壁紙、床材、家具、小物の一点に至るまで、全てが彼の実家であった。
両親亡き後、最愛の実妹と二人で暮らしていた実家。
まだ妹尾姉妹と出会う前の事だが、克明に覚えている。
「何で……全焼した筈の…実家に…?」
そう、彼の実家は六十年前に放火魔の被害により全焼。
外出中だった鉄治は助かったが、一人在宅中だった彼の腹違いの妹・聡美はどうする事も出来ず静かに焼け死んでしまった。
放火魔は逮捕されたが、証拠不十分とされ不起訴処分となり、無罪放免。
唯一の肉親たる妹を失い、悲しみに明け暮れた鉄治は暴走し放火魔を惨殺。
その後指名手配され、警察から追われている最中日異連に拾われ、同時に緊急特務科の社員として第二の人生を開始したのであった。
いつの間にか人の姿に戻り、立ちつくす鉄治。
ふと、そんな彼を呼ぶ清らかで優しい声がする。
「…兄様?
そこに居るの…?」
田宮聡美。
鉄治の腹違いの妹であり、異形の父と人間の母との間に生を受けた少女である。
異形とはいえど強力すぎるその能力が負担となってか生まれつき病弱であり、何時も寝たきりの生活を送っている。
事故で両目を負傷し視力を失ってからというもの、視覚に頼らず懸命に生きてきた。
「(聡美……?
何でだ…お前は死んでしまった筈じゃないか…。
それにこの家だって…あの日、お前と共に…)」
しかし、最愛の妹と再会したショックでホロビの能力について忘れ、眼前に移るそれをとりあえず現実と認めることにした鉄治は、妹に歩み寄る。
「あぁ…聡美。待たせたな、今帰ったぞ」
「兄様…お帰りなさい」
負傷した目には包帯が巻かれているが、それでも彼女は優しさ溢れる笑みで兄を迎える。
「あぁ…聡美…。
今帰ったぞ…今…帰ったんだ…」
鉄治は最愛の妹を抱きしめ、涙を流しながら何度も何度も、妹に語りかけた。
それを見て聡美は、優しく繊細な笑みを浮かべた。
「ふふ…変な兄様…。
毎日会ってる筈なのに、こんなに喜んでくれるなんて。
聡美も…嬉しい…」
と、その時である。
ズゴュアッ!
最愛の妹を抱きしめていた鉄治の腹を貫いたのは、何と聡美の手刀であった。
「………聡……美…?
……何故……お前が………?」
力無く倒れ伏す鉄治。
一方の聡美は、無言の侭立ち上がる。
鉄治は薄れ行く意識の中、あらゆる情報を思い出しながら真実を理解した。
「(……そうか。
奴だ…。
…あのイタチ女…ホロビとかいう奴の仕業だ。
…つまりこれは……幻影だ。
だが変だな…。
連盟の御陰で、聡美の全ては戸籍からは消えている筈…。
何より、聡美の能力を認知していたのは、この世であいつ自身と俺しかいない……。
第一、奴は何故既に燃え尽きた俺の実家についての情報を知っていたんだ…?)」
仮にこれが雅子や松葉であったなら、ホロビが何らかの方法で相手の記憶に探りを入れたのではという推測を立てただろう。
だが、鉄治にそこまでの思考力や想像力はなかった。
ひとまずここで、田宮聡美の能力について語っておくとしよう。
彼女の能力とは、先述の通り非常に凶悪極まりないものであり、その通称を「傷害」と言う。
それは素手であらゆる生物を平等に傷付け、その回復さえ妨げるというものであり、大人しく清楚で繊細な聡美にとって、負担にしかならないような能力である。
鉄治は悩んだ。
「(どうする…?
これら全てが幻だとしても、俺が痛みで動けず、目の前に無言で聡美が立っているのは確かだ…。
この痛みから逃れ、傷を癒すには聡美の能力から逃れなきゃならねぇ…確か…逃れる方法は三つ…。
第一に、試せるかどうかは解らねぇが…あいつ自身に能力を解除させる。
第二に、確実じゃねぇが…あいつに何らかのショックを与えて能力の強制解除を狙う。
そして第三に……願わくば絶対にやりたくねぇ真似だが………能力の源を断つ………つまり、あいつを…………殺す……。
とっとと逃れるならまず三番目だが、幻だろうが人形だろうが土塊だろうが、目の前にいて俺を刺したのは紛れもなく聡美―俺にとって大切な最後の身内―だ…。
例え先天性でも兄貴や黒沢よりずっと人間臭い俺にとって、家族を痛めつけるなんてそんな真似出来るわきゃ無ぇ……。
だが、二番目のショック療法は精巧率が低い上に、『そういう手もある』つう情報をフリホスの医者から聞かされただけだ…。
かといって、交渉が通じるとは思えねぇ…そもそもあの聡美はホロビが『作った』幻影に過ぎねぇわけだから、交渉を仕掛ければ逆にこっちが手玉に取られて精神攻撃を喰らうオチだろうな…。
そんな沙汰で死んじまったら、何時か後を追ってきてくれた兄貴を地獄で出迎える時に会わせる顔がねぇ…。
いや、そもそも兄貴は雅子と辺獄でよろしくやってて、地獄送りは俺だけかもな…。
エヴァの姉さんは絶対ェ天国だろうしよ…。
さァて…何か得策はねぇモンかなぁ……)」
と、考えながら何か無いかと探す鉄治は、ジーパンの右ポケットに何かを見付けた。
それは薄平たい箱形で、表面は硬く表面の触り心地はツルリとしていた。
「(…これだ…多分コイツで行けるだろ…。
失敗したら、そん時は…そん時だ…)」
鉄治はポケットから、愛用するカメラ付き携帯電話を取り出すと、金属化させた顔面にそれを取り込んだ。
※鉄治の携帯電話は特注品で、その殆どが特殊合金製。また鉄治は金属以外であろうとも、自分の身体より小さければ少しの機械類を取り込む事も可能。
カメラ付き携帯電話のカメラ部分を額に浮き上がらせ、鉄治は両目を閉じた。
彼が手に入れた命の無い眼を通じて脳に映ったのは、その場の真実であった。
「(やっぱりな…予想通りって奴だぜ…)」
そこに実家の天井はなく、ただ青い空が広がっていた。
歌詞解説も一応削除