自分の役割と運命
ヒロは魔国との国境、結界へと来ていた。
(流石に凄いな、この結界を破るって不可能┅でも邪神は破って王国ヘ魔族を送り込んだんだよな┅
やっぱり結界沿いにも壁を張るしかないな)
❴ヒロ様!ここにおいででしたか?❵
「やぁジェイソン、どうだい魔物の方は?」
❴はい、順調に討伐致しております、動物達の捕獲もかなりの成果が上がっております。しかし、トロールで御座いますが、新種の個体が幾体か見受けられます。❵
「そうだね、あの新種のトロールは討伐しないで欲しい、ちょっと調べるから、1体だけ騎士団裏の解体場へ運んで置いて、とにかく、薬草の分布図と魔物の種類、地形に動物達の捕獲が第一の指令だから、宜しくね。」
❴はっ、畏まりました、こちら側が終了致しましたら反対側のエルフ国境辺りから調査、討伐を致します❵
「うん、頼んだ、エルフ国境辺りは用心して、エルフとは争いたく無いからね、壁を建てるまでは注意して。」
❴ヒロ様は寛大なお方、我ら主のご意志に従うまで、エルフとは距離を持ちます。では調査を続行して参ります。❵
そう言って消えた。
結界からオルレアの町まで城壁を建てるのだが、高さ20m、巾10mの壁を土魔法でミスリルと鉄に土、岩の合金で建てていく。
先端は尖り内からも外からも侵入は無理だ。
ゴゴゴオォォー! ズズンーズウゥゥン!
建てた壁に手を当て、飛びながらずんずんと建て進んで行く。
森の木々や大地を呑み込みながら高い壁が生きてる様に進む。
大型種の魔物達も堪らず領地の中へ中ヘと逃げ、呆然と見ている。
オルレアの町からはノーム達が同じ様にミンガル公爵領地境から元ヒュードル領地迄の城壁を建てている。
ヒロとノーム達は城壁が永く保てる様に10m置きに壁を支える衝立てを当て、内と外交互に作り城壁を建てている。
お昼頃にヒロが町の城壁ヘとたどり着き、ノーム達の城壁に接合して大きな門を作り壁にトンネルを通しオルレアの町への通用門を完成させた。
お昼をスティーブ義父さんの屋敷で済ませ第2オルレア町の城壁に取り掛かった。
今のオルレア町城壁を壊し、その残骸で新しい第2オルレア町城壁を建てていく。
開示した新しい町の地図通りに新しい城壁から台形をした城壁を建てる。
それが終るとかつてのオルレア城壁を奥へずらして高さ巾が同じ城壁を建てる。
町をぐるりと囲み第2オルレア町から少し離して独立した城塞都市にする。
新しい町の城門は2つとして第1城門、第2門と入場を厳しくする、第2オルレア町までは壁に守られた通路で繋ぎ、第2オルレアは独立した新しいオルレア領地となる。
この第2オルレアをスティーブ義父さんと執事マグウェルとで区画整理して整備して貰い、ヒロ達は拡張する魔の森を整備して行く。
ノーム達はミンガル公爵領地境を進み元ヒュードル領地の海岸まで来ていた。
ヒロと話し合った事は海岸まで来たら陸地部分から今有る第5フォレスト領地城塞まで魔の森を分けて壁を建てると言う物だった。
元ヒュードル領地より先のエルフ国境沿いはヒロが奥の結界からエルフ国境まで建てそこから海岸まで建てる予定だ。
ノーム達は順調に壁を建て第5フォレスト領地城塞までを終えた。
(ヒロはどうじゃろうかな?さて?儂の仕事割りは今日はここまでじゃが┅戻って酒でも造るかのぉ?)
ヒロはオルレア町の城壁を済ませ、又最初の結界まで戻って来ていた。
結界沿いに壁を建てる為だが、今日中にエルフ国境沿いから元ヒュードル領地迄を済ませる予定だからだ。
外堀を済ませ中を細かく壁で仕切り、魔物達と薬草や貴重な果物などを整備しなければならない。
それに新しいダンジョンの確認と、サラマンダーが造る火山に広大な湖の確認とやる事が多い。
配下には地形の調査を任せてる。
そこから新しい発見が有るだろう。
魔物も新種や変わった物が居るだろうし、植物も動物も楽しみだ。
火山が出来れば温泉地も期待出来る。
湖も何が出るかわからない。
元ヒュードル領地の先、海岸線も港町が作れるかも知れない。
ヒロの夢は広がる。
「ねぇ?ヒロは夕方には戻るんでしょ?」
「ええ、戻ってから貴女にオルレアの新しい町の事を話すって言ってたわ。」
「サラは予定無いの?」
「私はアマンダ様達を、鬼族が管理する洞窟を視察?見学しにご一緒するけど?」
「そう、実はマーサがウルティマを心配してるのよ、急に郷へ帰ったでしょ?」
「ウルティマちゃんはマーサの妹みたいにしてたから、でも大丈夫だと思う。」
「それなら良いけど、それとマーサがね?精霊樹の花が咲きそうだって言うの、何か聞いて無い?」
「それは聞いてる、妖精ちゃん達が事ある毎に騒いでるの、だからシルフィード様に尋ねたいけど森の奥だし、フィルも行方知れずだもん。」
「ホント、フィルはどこに行ったのやら┅」
フィルは仕事を終えヒロの元へ戻っていた、この世界の果てまで逃げた馬鹿女神を追って辿りつき馬鹿女神を捕らえた。
『やっと捕まえたわよ!馬鹿女神のニンリル様!』
『ヒィィ!フィルになったのよね?助手!あんたなんかに私の思いは分からないのよ!だから黙って帰んなさい!』
『そうは行かないわよ!創造神様から命じられて貴女を捕らえに来たのですから!』
『何よ!創造神様は好きにしろって言ったからダンジョン作って老後に備えてただけよ!』
『ハン!私には良く分かりませんけど!創造神様はキチンと仕事をしてから好きにしろと言われたのでは?』
『だって┅仕事はしたわよ┅でも、面倒ばかり押し付けて┅何で転移転生ばかり私にやらせるのよーぉ!ホントに面倒なんだからぁー!』
『それが全智全能を司る女神だからです。それを何時も何時も中途半端にして多大な迷惑を掛けてのうのうと老後の心配?貴女は不老不死でしょうがあ!バカやろうー!』
『ヒャャ!┅だって┅ホント面倒なんだからぁー後の世話とか、経過報告とかゆっくり出来ないじゃない!』
『キチンと仕事してれば面倒な事は有りません!経過とかは部下の仕事です、それを貴女は面白がって弄るかはおかしくなるんですう!まったく!さぁ大人しくお縄に付いて下さい!』
『のぉ助手よ!どうか助けておくれ、そのぉなんじゃ?私がどうにかお縄にならぬ手は無いものか?』
『まだそんな事を┅貴女は幽閉になり最上級神から格下げになるのです。創造神様は反対され幽閉を免れているのですが私の采配次第ですので!』
『たのむわよぉ、助手、否フィルよ?何とか成らないのぉ?』
『ウグッウ!このぉ!いや?そうですね┅ならば一つ提案です。私は今、貴女が誤って召還したヒロ・タチバナ様に仕えております、そのヒロ様に貴女の最上級の能力を与えるならば目を瞑りましょう』
『私の最上級の能力を!これは人間に与えては駄目な物、与えれば神と同じ┅』
『フフフ、ヒロ様は既に神の領域まで能力が達しております、創造神様もいたくヒロ様を可愛がり仲良し、能力が増えたとしてもおかしい事は在りません』
『そうなのか?其れならば┅しかし┅天地創造の能力を与えたらそれは正に神の能力に人間がなると言う事┅』
『それは素晴らしい!ヒロ様はその能力に相応しいお方、貴女の罪も報われます。創造神様も喜ばれる事でしょう。』
『ホント?与えたら罪は消してくれる?自由になれる?』
『本当は貴女の横っ面をひっぱたきたい所ですが許します、ヒロ様も貴女と会えば殴りたいと常々仰有られてますが話せば心根のお優しいお方、解って下さるでしょう』
『そうなのか?助かる┅ならば約束しよう、ヒロへ天地創造の能力を与える、私はこの最果ての地に星を創り、その地で与えられた役目を果たそう!』
『良いでしょう。しかし、創造神様への連絡は忘れぬ様にお願いします。きっと神々も見ておられる、お怒りに触れぬ様になさいませ。約束お忘れなき様、ではサラバです』
『フィルよ、ありがとう、ヒロにも宜しくな、落ち着いたら会いに行くと、その時に殴らぬ様に伝えておくれ、ありがとう┅』
創造神ヘと報告をすると呆れた顔で仕方ないと笑ってフィルへ託した
『ご苦労じゃたのぉ、あやつは真面目にしておれば良い女神なんじゃが、それでフィルには前の罪を全て許し女神へと戻って欲しいのじゃが?』
『創造神様、お願い致します、私をこのままヒロ様の元で暮らす事を御許可下さい』
『ふ~む、ヒロの所じゃとのぉ?そんなにあやつが良いのか?』
『はい、前にも申しましたが、ヒロ様はお優しく、それに面白いのです!毎日が面白く今まで感じた事の無い世界観が広がります』
『そうか┅わかった、ならばお前さんに有る能力を授けよう、それと望み通りにヒロと一緒にこの世界を世話しておくれ、女神の能力はお前さんがヒロへ与えるのじゃ、頼んだぞ』
『ありがたき幸せ、創造神様┅感謝致します┅』
フィルの目から清らかな粒がこぼれる。
その粒はダイヤモンドに形を変え大地に転がる。
フィルは名実共に最上級女神へと成り、神の存在で人間に仕える唯一の女神と認められた。
フィルはヒロが知らぬ間にギフト【天地創造】を与えあの馬鹿女神の仕事を終えたのだ。
ヒロは順調に壁を建て結界沿いからエルフ国境沿いに城壁を進め夕方近くに海岸まで到達した。
途中、あの湖ヘぶつかりウンディーネに絡まれたがその後湖を渡り海岸までの国境沿いを無事済ませた。
返りは転移すれば直ぐに戻れる。
海岸を歩き港町の構想をしながら海を見ると海面に1人の少女が浮かんでいる?
「ヒロ様?私がお分かりになりますか?」
「え!えっと?君は一体?」
「ウフフ♪私ですよ、ワ・タ・シ」
「う~ん?誰だろう?会った事は無いけど?」
「ヒロ様?フィルです♪貴方のフィルですよ~♪」
「はっ?フィル?┅だってフィルはぁ?┅」
「創造神様から実体化を許されてましたが、この度の褒美に肉体化も授かりました、今まで通りに精神世界も次元世界も可能ですが、肉体化により現実世界も過ごせる様に成りました。」
「本当?凄い!しかし┅その姿は?」
「ウフフ♪この姿は前々からヒロ様の記憶と理想をまとめた姿です♪もし実体化出来ればと創造していた姿になれて┅少し恥ずかしい┅」
フィルの姿は橘ひろの記憶に有る、アイドルや女優とか憧れの女性と、描いた理想の女性像を一纏めにした姿だった。
現在ヒロの嫁として4人の女性がいる。
その中でサラが一番理想の女性に近い姿に進化している。
アンナやマーサ、マリアはまだ理想の姿に変わり始めた所だ。
しかしフィルの姿は完全に理想の姿になっている。
髪は黒髪のロング、瞳も黒く肌はもち肌の真っ白で身長は170cm、体重は55kgと華奢だが胸は豊かなDカップちょいの86cm、ウエスト60cm、ヒップ90cmで顔が小さい8.5頭身┅
ヒロは見惚れて言葉がでない┅
「私はずっとヒロ様のお隣に立てる様に姿と能力を追及致しておりました、この度、あの馬鹿女神からヒロ様へ【ギフト 天地創造】を獲得致し、創造神様から与えて頂きました。これで身も心もヒロ様へ捧げられます。」
「ちょ、ちょっと待って!【天地創造】って何だよ?馬鹿女神からって?」
「最上級女神が持つ能力です。【天地創造】この世の全てを創造出来る能力で、地、空、海、生物を創造できます。創造神様もお認めになられております。ヒロ様がお好きな様に創造されても神々から認められるだけで文句は申されません。」
「そんな凄い能力が┅」
「ヒロ様はこの世界をお世話なされる運命です。永遠の時を生きてこの世界を見て、正す事や変革される事がお役目です。ですから回りに必要な存在が集まり手助けするのです。」
「そんなの聞いて無いよぉ!俺は神じゃ無い、世界を正す何て┅」
「フフフ、余り考え無くて宜しいかと、これまで通りに自由に生きて行けば宜しいのです。あなた様が生きる事でこの世界は活かされます。ただ生きるのが証しとなるのです。」
「う~ん?つまり、普通にこれ迄通りに好きに生きろって事だよね?解った、今は領地の整備と家族の事を考えるよ。それで?フィルはどうしたいの?」
「わたくしは┅そのぉ┅ヒロ様の嫁として子を授かりたいと┅」
「えっ!嫁?子供┅」
「子供の事はこの身体を授かる時に願いました┅この姿の幸せは子を授かり育てる事、幸せを感じたいのです。」
「ううっ┅でもぉ┅俺がフィルを嫁にするのか?良いのか?出来るのか?」
「ヒロ様が私の事を前から好意を示されているのは知っています。それはスキル、助手としてよりも人間味の有る好意でした┅この姿の生身の私を好きになられるのはそう難しい事では無いと信じております。其れまでお側でお待ち致します┅愛してます┅」
「フィル┅君は┅」
フィルの姿は静かに消えた┅きっと側に居るんだろう┅
面喰らった時間だったが、ずっと脳裏にあの姿が残る。
それに新しい能力、それを使えるのか?この自分がその能力を使って良いのか?
ぶつぶつと呟き沈む夕日を見て思い出した様に転移して帰った。
家族が待つ我が家ヘと




