不思議な?
「おはようございます、皆さんお集まり下さい。ゴーレム1号さんから大事なお話しがあるそうです。」
アンナ達が朝食を終えていざ第1地区へ向かおうと支度しているとドノバンさんから呼ばれた。
皆が席に付くと3つ目のゴーレムがパリッとしたタキシードを着て額の石が魔石とは思えない綺麗な石で他の二つの魔石も見た事が無い魔石だった。
そのゴーレム1号が話し出した。
『おはようございます、長旅お疲れ様でした、これから聖域ヘ向かわれるのですが皆さん全員の入場は残念ながら叶いません。』
「ちょっと待って!どうしてよ!」
「そうよ!私達テオに会いたくて来たのよ!」
『ええ、其は承知しております、しかしフィル様は何をしておられるのか?ご説明致します、薄々はご存知だと思われますが、ガードナーさん、ヘレンさん、エマさん、シャルレさんの四名は魔力不足で入場は出来ません。』
「ふう~、やはりそうか、魔素なのじゃな?」
『ハイ、ギルバート様、お察しの様に第1地区は特別な地域でして魔素が異常に多く濃ゆいのです、其に耐えられる程の魔力持ちが住む場所ですので世界が違う空間です、一度領民の子が間違って足を踏入れ危うく死に欠けた事があり厳重に入場制限をしています。』
「そんな┅折角はるばるテオ様の所で働こうと思っていたのに┅」
「わたくしは認めません!お嬢様と別々等と許しません!」
『そのお気持ちは解りますが死んでしまっては?ご主人様も十分考慮為さってますので安心して下さい。』
「ふむ、テオ坊はどうすると?」
『セバスチャン様、ギルバート様、如何でしょうか?是非とも入りたいと言う方はレベル上げを為さり魔力量を満たすと言うのは?』
「其ならば入れると言うなら是非も無い、鍛練すれば良いのだな?」
「ハハッ、ガードナーは騎士団に居たのにレベル不足とは情け無いのぉ、儂が鍛え直すとするかのぉ。」
「是非ともお願いします。」
『しかし、ガードナーさんだけ入るならばヘレンさんは如何なさいますか?ヘレンさんとエマさん、シャルレさんのレベルは無いに等しい、魔力量も普通ですのでかなりの時間が必要ですが?』
「そ、それは┅」
「あのぉ┅私は無理にとは、昨日町を見てこの地区でも良いのなら置いて頂きたいのです。」
「私もそう言う事でしたらエマと一緒に暮らすのも良いかと。」
「ヘレン、俺と別々になるんだぞ!」
『ガードナーさんは騎士団でしたね?ご主人様は騎士団ヘの加入を望んでいらっしゃいます、今の騎士団はスケルトンの進化者でとても強いのですが、領民の中から騎士団もしくは将来冒険者を望む者がいます、そのまとめ役が不足しているのでガードナーさんなら適任かと。』
「ハハッ、ガードナーよ?坊はちゃんと考えておる、流石にあのスケルトン達に敵う者は早々おらん、じゃが人間相手に訓練などしたら死にはせんが大怪我はするじゃろう、お主くらいが良い。」
「そうだな、そうなればヘレンと一緒だしこの町の人も助かる、どうだ?」
「はい、望みが有りました、テオ様に会えないのは残念ですがヘレンとこの町でやりがいの有る仕事が有るのでしたら有難いです。」
『ご主人様に会えない事は有りませんよ、良くサラ様と役所や病院、学校、それに騎士団本部ヘ顔を出されますから。』
「おおーっ、それは嬉しいです。」
「さて?残るはシャルレさんじゃな?」
「そうね、シャルレさんのレベルは3┅とても無理ね!レベル上げと言ってかなりハードな毎日になるわよ?」
「それでも┅それでもお嬢様が心配です。」
「何が心配なのじゃ?この領内に危険は無い寧ろ国で一番安全な所じゃが?」
「それは┅お嬢様は世間知らずで服を着るのも私が世話をしないと┅風呂も一人では┅」
「呆れた、とんだ過保護ね!学院ヘ通う歳でそれは無いわぁ。」
「そうです、お子ちゃまです、その歳で、ウププッ、ウルティマちゃんでも服は着れますよぉ~」
「マーサウザイ 空気詠めない マーサお子ちゃま」
「グヌゥ、ウルティマの口がその口があぁ~」
「ハイハイ、そうね┅メリーヌはどうするの?」
「私はご領主様とお会いして此れからの事を相談致したいと思っています。」
「じゃあ取り敢えずテオに会って其からで良いんじゃ無い?シャルレさんは一先ず町に居て待てば良いし、話し次第で出て行くかも知れないでしょ?」
「あの┅それは?出て行かなくてはいけないのでしょうか?私としては┅」
「それは貴女次第だと思うわ、強い意思が無ければ認められないもの。」
『ご主人様は各四名の入場はお待ち頂き話す場はこの迎賓館でと申されてました、其まで各々方で話されて待てば良いかと?』
「そうだな、坊の考えが一番解りやすい、入場させないのでは無く、入場出来ないのだから、無理をしないで考えれば良い事だ。」
『それと、今はご主人様とサラ様はご不在です、フィル様から何の連絡が来ませんし、ご主人様からもちょっと出ると申されたのにもう5日も帰られておりません、皆さんはお屋敷の各々のお部屋が有りますのでそちらで地区を回るも良しお好きに過ごされて下さい、各地区には担当のゴーレムが居ますのでお話をされては如何かと。』
「えーっ、居ないの?もう、何だか気が抜けたわ。」
「テオちゃんが居ない┅テオちゃんに会えない┅」
「フフッ、忙しいのですね?」
「何をしておるのやら?ならば酒工房を是非ともみたいのぉ。」
「わたし 飛んでも良い?」
『ウルティマさんは好きにされて宜しいかと、お許しは頂いてます。』
「わかった マーサ バイバイ」
ピョンと出て外に出るとスルスルと姿をドラゴンに変え高く舞い上がった。
そしてウルティマの側にグリフォン達が集まり一緒に旋回して飛んで行った。
『ドリィちゃんとリィネちゃんにお任せしましょう。』
「ドリィ?リィネ?あれがサラの使い魔?」
「ウルティマめぇ、勝手に1人で行きおってぇ、私を乗せて行けば良いものを。」
「ハハッ、ドラゴン娘もずっと人の成りでウズウズと我慢しておったのじゃろう、ここはお構い無しに飛べるからのぉ、ハハッ」
「間違えて討伐されないかしら?まったく自由何だから。」
「アンナさん、ウルティマちゃんは古竜、トカゲのドラゴンでは無いですよ、大丈夫です。」
「ねぇねぇ、ウルティマのお姉ちゃんドラゴンになったけど私を食べない?」
「フフッ、言うことを聞かないと食べちゃうかも?」
「マーサ!馬鹿な事を吹き込まないの、エミリ、ウルティマは食べないからね、安心して。」
「本当にドラゴンだったのですね?┅」
「だから言ってたでしょ?私達は特殊なの、その仲間になるならそれ相当の覚悟が居るの、此れから入る所はこの世界では考えられない所よ!」
「そうですよ、メリーヌさんはまだ理解が足りてません、テオドールと言うのは信じられない能力で信じられない知識が有ると。」
「テオ坊の能力は幼い時から見ているがあれは普通では考えられない、其でも優しいお方です、メリーヌさんでも会えば解ると思うです。」
「じゃあガードナーさん、ヘレンさん、エマにメリーヌとシャルレさんはここに居て、私達は行くわ!」
一行はリチャードヘ夜通し走り第1城門を目指す様に告げて迎賓館を後にした。
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その頃、ヒロとサラはヒュードル領の先、ミンガル侯爵領へと来ていた。
魔の森はヒュードル領の途中で切れてその先は海に面している。
ミンガル領は海に面して居て豊富な海産物と貴重な海の宝石、珊瑚が採れダンジョンも有る。
只、王都から遠く新鮮な魚とかは運べ無いので加工技術が発達している。
缶詰めに近い物があり干物や乾物、塩漬けなど豊富でヒロが一番欲しいのが魚醤だった。
醤油は造れたが調味料は沢山の種類が欲しい。
それにミンガル侯爵からスティーブン子爵ヘ魔物討伐にSクラスの冒険者、其に近い者を依頼して来たのだ。
オルレアダンジョンは人気が有りSクラスの冒険者も多数来ている、すがる思いで頼んで来たらしい。
魔物はクラーケンとシーサーペント。
2頭が一緒に暴れるらしく目が赤く光り今までのクラーケンやシーサーペントでは無い強さらしい。
其を聞いて間違い無く魔人絡みだと判断した。
クラーケンとシーサーペントの肉は美味しくて素材になる部位も多い。
だが両方共SS級の魔物、簡単には行かない。
例えSクラスの冒険者でも1頭ならまだしも2頭だとかなわない。
侯爵の町では多くの犠牲者が出て騎士団もかなりの被害らしい。
魔人絡みならと討伐依頼を引き受けたと言う訳で来ていた。
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「何だかガッカリ、テオ達いつ帰ってくるか解らないのよね┅」
「仕方無いわよ、私達が来るのも決まった日時がある訳でも無かったし忙しいみたいだから。」
「でも、フィルちゃんが知ってる筈なんじゃあ?って┅フィルちゃんも行方不明なのよね┅」
「これだけの領地をたった3、4ヶ月で造りあげたんじゃ、そりゃ忙しいに決まっておる。」
「其にヒュードル領にも手を出して┅一体何をしたいのか?」
「これまで見て来て解ったのだがテオ坊はこのフォレスト領を誰にも邪魔されない自分達の世界を造ろうとしている。」
「そうね┅あのスケルトン達とかとんでもなく強くて動物の区域とか耕作地とか信じられないわ、それにまだ先が有るのよね┅」
「楽しみ、ずっと驚かせて貰って┅きっと素敵な世界を造るんでしょうね、その手助けや一緒に居られるなんて。」
「はいはい、マリアはテオ一筋だもん、でもサラの変わり様は何?」
「女帝に聖女か、あのゴーレム達を見ても異質じゃな、町の者も慕っておった、坊の力だけでは無いと思うのだが。」
「そうなのよね、確かにテオと一緒に居るのは能力が発達するとしてもおかしいわ。」
「私達も異常発達とかして?ウシシ」
「マーサはお気楽ね、まぁ会えば解るわよ、本当にあの聖域とやらはどんな所でしょうかね?」
「魔素が多く魔力も┅その環境に適した者ならば異常な成長をするのだろう、そしてそんな異常な者達の住みか┅」
「アイリーンちゃんが変だよ?」
「あら!本当、どうしたの?」
アイリーン、ゴールドスライムなのだが急に動きがおかしくなった。
ぷにゅぷにゅプワンプワンと変則的にうねる。
段々と光りだし遂にピカーッと輝いた。
一堂の目が眩み何も見えない。
しばらくして視力が落ち着いて見て見るとアイリーンがスッカリ変わっていた。
スライムキング、虹色のボディが美しく少し大きくなっている。
「アイリーン┅?貴女どうしちゃたの?」
「これは!スライムキング!」
「「「スライムキング!」」」
「そうじゃスライムキングなんじゃが┅」
「文献とはいささか違うが紛れも無くキングだ、初めて見る。」
「文献って┅そんなに珍しいの?」
「ハハッ、珍しいにも程がある、エンペラーとキングの実物はここなん100年も現れておらん、じゃから文献くらいでしか知ってはおらん。」
「へぇーそうなんだ、キングって言うからには其なりの能力が有るんでしょ?どう?アイリーンちゃん私と戦う?」
「それは辞めた方が良い、キングは強くて魔法が得意だ、それに何十倍も大きくなるらしい。」
「えっ!そうなの?私より強い┅スライムが?」
「スライムじゃがスライムでは無いと言う方が良いじゃろう、面白いのぉ、この領地が進化するだけの魔素が有ったと言う訳じゃ。」
「魔素?」
「イリヤとエミリよ、お前さん達も直ぐに変わるじゃろう、ハイエルフならば魔素が多いとそれに適した能力と姿になる、エルフの森がそうじゃ。」
「ギル爺様、私達は大丈夫なの?」
「大丈夫じゃ、もっと大きくなってアンナ嬢みたいに胸が大きくなるんじゃ、ハハッ」
「もう、ギルバートさん!それってセクハラよ!」
「じゃあ私ももっとおっぱいおっきくなるかな?」
「マーサ!馬鹿な事言わないの!それでアイリーンは変わり無いのかな?」
⦅アンナ?アンナ?私話せるヨー⦆
「「「「「なんだってー!」」」」」
⦅ウン何だかモヤモヤしてゴニョゴニョして、そしたら話せた!⦆
「ううっ、嬉しいけど┅このフォレストって何なのぉー!」




