生きると言う事
「おはようございます。」
「うわ、わっ!だ!誰だ!」
「すみません、驚かせたみたいですね、ヒロです。」
「はぁ、心臓が飛び出るかと思ったよ┅まだドキドキしてる、ヒロ君?もっと穏やかには出来ないかね?私だけだったから良かったが。」
「ハハッ、すみません、なんせ急いでたもので。」
「それで?どうしたんだね?」
「はい、沢山有るんですが、先ずはスティーブお義父さんフォレストへ来て下さい。」
「フォレストへ?」
「カレンお義母さんと一緒にです。」
「いやはや、実は一昨日アンナ達がフォレストへ向けて出立したんだが、それに昨日ヒュードル伯爵の所が大変な事になったと今、対策してる、それ所じゃ無いんだ。」
「一昨日┅そうですか、ヒュードル伯爵の所は片付いています、これから開拓する手筈です、それも含めてお義父さんとお義母さんにフォレストへ来て下さい、今お祖父様とお祖母様も来てるのでどうか会って貰いたくて。」
「はっ?なんと!伯爵の所が?開拓?お祖父様とは?フォレスト侯爵なのか?」
「はい、フォレストの町を見て貰ってます、お義父さんにも是非見て欲しいのと感想とか頂けたら、ヒュードル領は多分お義父さんが面倒を見る事になるので開拓もご一緒したいと思います。」
「私がヒュードル領を?」
「あの領地は魔人達のアジトになってました、それを掃討して今は何も無い状態です、領民は13000人程がフォレストへ移動して他の人達も既に各地へ、辺境伯家と王宮からオルレアとヒュードル領の一切を任せる様に通達が向かってます。」
「それは確かなのか?ふぅ、確かなのだろう┅」
「お祖父様達は明後日には帰られます、だから┅」
「わかったよ、それでマグウェルも行って良いか?」
「ええ、マーガレット姉さんもどうぞ一緒に。」
「よし、移動はこのゲートなんだな。」
「私は先に帰ります、準備が出来たら来て下さい。」
「そうか、そのぉゲートへ入るんだったな、このまま入れば良いのか?」
「普通に歩いて来れば向こうに出ていますよ、ではお待ちしてます。」
そう言ってゲートの中へ消えて行った。
スティーブは直ぐにマグウェルを呼び事のあらましを簡単に話しカレンとマーガレットに準備させた。
カレンとマーガレットは飛び上がって喜びいそいそと支度する。
マグウェルは下の者達に留守を頼み関係各所に手配した。
(ヒュードル領も渡されたら私の爵位が上がるのか?これは倅と話さなくては┅しかし、ヒロ君も大概だな、私の知らない所で好きにやって┅アンナも大変だ、ハハッ)
侯爵達一行は各々、好きにフォレストの町や領地を見学してますます惹かれていく。
町並みや鉱山、耕作地の綺麗に管理されてる畑には驚き、可愛い動物達を目の前に見て触って魔物達が争う様をグリフォンに乗り空から見ては面白がって┅
昔とは違うフォレスト領だが景色は変わらず懐かしそうに見ていた。
エリルはダンジョンへも行きたいと言ったがお祖父様が許さなかった。
訓練用に改造したがやはり魔物は怖い。
もしもを考えてしまう。
それをヒロは考えた。
ダンジョンの魔物は息絶えると消滅して魔素となりダンジョンへ取り込まれる。
ならば人などが魔物に負けたらダンジョンの外へ吐き出される用にしたら┅
RPGゲームとかは負けたら最初に戻りリセットされた。
その仕組みをコアに組み込めば出来る筈だ!そうなれば少し強い魔物を配置しても全然大丈夫になる。
まさにゲーム感覚で強くなれる。
案内が終わったらそうしようと決めてエリルに話した。
「エリルちゃん、今度来たときはダンジョンへ入れる様にしとくから期待して、面白い事を考えたから。」
「本当!でもお祖父様が┅」
「それも大丈夫、絶対に反対されないからね、カーラとリィネ、ドリィでパーティーを組んで入れば良い。」
「うん、ありがとうヒロお兄ちゃん大好き。」
ホッペにチュとされた。
サラが肘でつつく。
エリルは中等院生、13歳だがヒロとは1つしか違わない、見た目は20を越えた大人に見えるがまだ14歳、不老不死の影響で18歳くらいで姿形は決まり変わらなくなるだろう、その頃は子供も出来、完全な大人となっている筈だ。
お祖父様はノームと意見があい、良く一緒にいる、お祖母様はサラと一緒に学校の子供達と遊んだり教えたりして過ごしてる傍ら悪魔達の拠点で仲良くお茶を飲んだりしてる┅
建てた家はとても気に入られ侯爵家の家よりこの家が安らぐと言ってくれた。
子爵一行が広間の壁から現れたのは皆で昼食を囲んでる時だった。
急なお誘いだったから時間が掛かったと誤りお祖父様達にしきりに頭を下げていた。
やっぱり子爵一行は驚きの連続でそれをお祖父様達が誇らしげに説明するのは面白かった。
「お祖父様、スティーブお義父さん、あの森はまだ良く調査してません、時間がなくて、あの先にリザードマン、今はドラゴニュート達一族が住んで居て魚の養殖と森の湿地帯を管理していますがまだ、この領地は未完成でアンナ達が来て手伝って貰い完成したいと思ってます。」
「ふむ、テオや、私と婆さんはこの家で余生を送りたいと決めた、それで帰ったらあのフォレスト家から馬車で旅をして来ようと思っている、私達の最後の旅をさせてくれ。」
「わかりました、大体1年程の旅になりますね、私もその旅が良い旅になるようにちょっとお手伝いします。」
「お手伝い?有り難いがテオの手を煩わしては面目ない。」
「フォレスト様、お手伝いとは多分馬車の提供だと思われます、ゴーレム馬車。」
「そうです、馬車の旅は辛いですから。」
「アンナ達のゴーレム馬車は素晴らしかった、あれはヒロ君が造ったんだよね。」
「第1号ですからお祖父様に送るのはもっと快適な馬車になりますよ。」
「おおっ、それは有難い、年寄りには腰に来るからな、ハハッ」
「転移ゲートがお二方のお屋敷に有るのでいざとなったら移動出来ます、それも安心の1つでしょう、馬車の旅も安全に出来るように考えます。」
「ありがとう、テオには世話になってばかりだ。」
「まだまだ、もっとお世話をさせて下さい。」
「私もヒロ君には世話になるばかりで領主として頭が下がる、アンナも後一月ばかりでここへ着くだろうけど宜しく頼む。」
「はい、これから沢山相談したいと思ってますし頼ってくれたら嬉しいです。」
「本当に君がアンナの婿で良かったと思う、このフォレスト領をまさかこんな姿にしてくれるとは。」
「そうだ、良くやってくれた、私からも感謝するぞ。」
「まだです、もっと良くなります、もっとお母様の時みたいにしないと行けません、フォレストだけではなくオルレアやヒュードルの地も良くならないと駄目なんです。」
「そこまで考えているのか?」
「この辺り一帯が安定しないと危険なんです、魔の森が侵食するのは不安定な空気を感じるからです。」
「確かにオルレアダンジョンの先は侵食が早くなっている、魔物も活発だ。」
「ヒュードル伯爵領が治まったので侵食は安定するでしょう。」
「テオよ、王国の至る所が不安定なのは魔人の仕業なのか?」
「いえ、魔人よりユーズド帝国です、魔国は条約通り不可侵を守っています、帝国が勇者召還を繰り返してるのが一番の災厄です。」
「ふ~む、勇者召還、禁忌を犯し自国の益だけを望んでいると言うわけか。」
「フォレスト様、勇者を呼んで何を?」
「多分、戦力の増強だろう、帝国は我が王国を長年狙っておる、しかし魔の森に阻まれ容易では無い、勇者に魔の森を攻めさせ魔物を片付ければ攻め易くなる、そんな所だろう。」
「馬鹿ですね、帝国の貴族や王族は頭が悪いのですか?」
「ハハハッ、テオにそう言われるとネルソンも喜ぶだろう、確かに帝国の連中は馬鹿だ、勇者召還には各々の国に禁忌の召還術の一部がありそれを併せて完全な勇者召還ができる、帝国だけでは勇者は召還できぬのに、魔術師達に作らせて行っておるのだろう┅頭が固い、戦争馬鹿だな。」
「帝国を消す事は簡単ですが消しますか?」
「「待て待てー!」」
「消すとか、ヒロ君冗談は止めてくれよ。」
「オルレア子爵よ、冗談ではないぞ、テオ達が帝国を本気で攻めれば1日で消滅するだろう、だがな、領民が泣くのは感心せぬ。」
「消すときは領民も総て助けます、その上で帝都を消しさり腐った貴族を粛清すれば領民も安心するのでは?」
「ハハハッ、そうだな、テオに掛かればそうなるだろう、だが辞めておけ、そんなくだらん事は馬鹿な奴らに任せて置けば良い、それよりはこの辺りを強固にして誰も攻められん様にして置けば良い。」
「はい、わかりました、ではお義父さん、約束です、オルレア領、ヒュードル領、フォレスト領を1つと考え城塞地帯にして良いですね?」
「城塞地帯?」
「ハハハッ、オルレア子爵よ!テオに任せるのだ、ネルソンにも言っておくので思う存分やりなさい。」
「ハハ、そうなんですか、ではヒロ君、頼みました、私には何も出来ないと思うので。」
「私もネルソン王に会わなければならないのでその時にお話しします。」
「私は凄い事に巻き込まれているのか?」
「しっかりせい、子供のテオが言っておるのだ、大人はちゃんと責任を持たねばならん、子爵!娘の婿が力を出すと言ってるのだ、後押ししなければ恥だぞ。」
「んーん、はい!良くわかりました、まだまだ私は未熟者ですね、フォレスト様がここに居てくれて感謝します、決断ができました、私はヒロ君と共にします。」
「スティーブお義父さん、ありがとうございます。」
「ハハッ、話しはこれで良いかな?私はノーム殿とちと約束が有る、新種の酒を呼ばれておるからこれで失礼する。」
「なんと!新種の酒ですと!ノーム殿とは?私も御一緒に!」
2人はいそいそと行ってしまった、ヒロはアンナ達が着くまでに煩わしい事を全部片付けようと決めサラに話した。
領地は安定してるし人員も足りてる、今が絶好の機会だと思った。
「サラ?お祖父様達が帰ったら王様に会って来るよ。」
「王都に行くのね、私も行くの?」
「それをどうするかなんだ、今は領地も落ち着いてゴーレム達が領民を助けてる、サミー達も魔物を上手く管理してくれてるしアンナ達が来る前に片付ければ良いかなって。」
「そうね┅じゃあ私も行くわ、王都では見学とか出来る?」
「転移出来るから少しは遊べるかな。」
「それに勉強もしないと、どんな物が流行ってるとか、冒険者ギルドが何を依頼して何を警戒してるとか知らないと。」
「それはクロードが探ってるから良いけど雰囲気は感じないと駄目だよね。」
「ちょっと楽しみかな。ウフッ」
お祖父様一行とスティーブお義父さん一行は存分に楽しみ、お義父さん達は夜に一旦ゲートで帰り翌日はお義父さんだけマーガレット姉さんはお泊まりでカレン義母さんは帰りたく無いと駄々をコネ一騒動。
何時でも来れるからと納得して貰い帰って行った。
「婆さんや、旅が終りここへ再び来たらもっと変わっておるだろう。」
「私達、長生きして良かったですね?マリーが残してくれた宝がやっと近くに居てくれるのですから。」
「そうだ、今日テオと話してる時に横顔がマリーにそっくりでなぁ、まるでマリーがそこに居るみたいで。」
「私も同じですよ、本当にテオちゃんはそっくり。」
「サラさんが言っていた、テオはどんどんマリーに似てくる、髪も同じ色になるでしょうと。」
「サラちゃんもマリーに似てる所が有るわよ、ドリィちゃんなんてマリーの小さい時にそっくり、私、ここに来てなんだか若返ったみたいであの子達を見てると私も昔みたいな感じで走ったりしてウフフ。」
「おおっ、それは私も同じだ、なんだか活力が沸いてくる、清らかな空気に美味しい食材、歩いて見て回るのが楽しくてかなり運動もしている、水を飲むとなんだか力が出る、この地が与えてくれるのだろう。」
「エリルも一緒に来て良かったですね、友達がいないあの子にあんなに早く友達が出来るなんてフフッ」
「家に居るより元気になった、明るくもなった、エリルはテオが好きみたいだが?あの子の婚約は辞めさせようかな。」
「私は反対して辞めさせます、テオちゃんと一緒になれば良いと思ってる。」
「まだ早いぞ、エリルのこれからがわからん内は婆さんはおとなしくしおれ。」
「フフッ、女の事は女しかわかなくてよ、そうね、エリルの事はあの子が好きな様に出来る事を手助けしますわ。」
「そうしてくれ、私も同じだ、婆さん?この酒はノーム殿から貰った、一緒にどうだ?」
「どんなお酒ですか?」
「何でもテオが居た世界の酒でブランデーと言うらしい。」
「ブランデー?美味しそうですね?」
「酒精が強いらしいから少しずつ飲むと良い。」
「まぁ!なんて薫りが良いの?後からほんのりと甘くて、美味しい。」
「酔わない様に少しだな。」
気持ち良い酔いに身を任せて2人は幸せを感じていた。
本当の生きる喜びを┅




