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黄昏おじさん異世界飛ばされ楽園創る  作者: 姫野りぉ
第三章 素晴らしき世界
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驚きの世界


“親愛なる我が孫テオドールへ


フォレストへ行く準備が整った

いつでも大丈夫だぞ

待っている“


ボードウィン

エリンダ


転移ゲートからポトリと手紙が落ちると1号がヒロの元へ届ける。


『旦那様に侯爵様からお手紙です』

「ありがとう、早かったな┅1号は分かってると思うが手配を頼む。」

『承知致しました』


直ぐにサラと迎えに行く仕度をしてゲートへと向かう。

大広間の壁にあるカーテンを開き2人でゲートへ入ると侯爵家の広間ヘ出た。


「いらっしゃい」

「お向かいに来ました、こちらは妻のサラです。」


サラの顔がほんのりと紅く染まり妻と呼ばれた事に反応する。


「初めまして、サラと申します。」

「こちらこそ初めまして、ボードウィンだ。」

「初めまして、私はエリンダよ、よろしくね。」

「君がテオドールの嫁さんか、初めまして私は侯爵のブラッドでこちらが妻のサーシャ、娘のエリルだ。」

「ご丁寧にありがとうございます、ボードウィン様とエリンダ様のお世話はお任せ下さい。」

「まぁまぁ、サラさん?そこはお祖父様とお祖母様でしょ?」

「こりゃ婆さんやサラさんは初めて会うのだそんなに簡単にはいかぬはハハッ」

「そうですわ、お母様は嫁の立場をお考えになっても宜しいかと。」

「嫁の立場ねぇ?サーシャさんはその立場を分かってるのかしら?」

「まぁまぁ母上、それよりもフォレストへ行くのでしょ、お気をつけて。」


後ろからそろりとエリルが前に出ると恐る恐る口を開いた。


「あのぉ┅テオドール様?そのぉ、わたくしもフォレストへ行きたいのです、準備もこの通り、どうかお祖父様達と一緒に┅」

「なに!エリルは駄目だとあれ程言ったではないか?」

「学院ヘは届けてあります┅だから是非とも!」

「今回は父上と母上だけでと理解したのでは無いか?」

「はい┅でもぉどうしも行きたくなったのです、お祖母様から聞いたフォレストの様子とテオドール様から聞いたお話が離れなくて┅」

「まったく困った子ねぇ、貴女は聞き分けの良い子だと思ってたのに。」

「フム、どうだブラッド、今回はエリルの意思を尊重しては?」

「そうよ、エリルがいてくれたら私も助かるわ。」

「そうですか┅エリル!フォレスト領は魔物がいるのだ、この辺りと違い気をつけろ、それとテオドールやサラさんの言う事を守るのだぞ、それが出来るのなら許さんでも無いが守れなかったら直ぐにゲートで送って貰う、テオドールもそれで頼む。」

「お父様!ありがとうございます。」

「わかりました、お任せ下さい、ご期待に沿うと思います。」

「では参ろう。」


5人はゲートをくぐりフォレストの屋敷へと出る。

そこには無数のゴーレムが待ち受け頭を下げていた。


「ヒャ!なんですか!」

「ハハッ、使用人達だよ。」

『いらっしゃいませ、お待ち致しておりました。』


2号が挨拶をすると3人は顔をひきつらせぎこちなく口を開く。


「ボードウィンだ┅暫く滞在する┅宜しくな。」

「お祖父様、驚かせてすみません、なるべくこちらの情報は控えさせて貰いましたから、一通り実際にご覧になり後で詳しくご説明します。」

「そう言う事か┅しかし┅」

「テオちゃん┅凄いわね┅」

「これは┅まるで御伽話しの世界┅」

「さぁ、ひとまず┅そのぉ、お祖父様┅とお祖母様のお家へ案内しますね。」

「なんと、我らの家だと┅」

「はい、テオが┅いえヒロがお二人が安らぐ場所を用意すると言って造ったのですが。」


サラに案内されたのは精霊樹の端で湖の畔に佇む1件の家だった。


「これは?この木はあの巨木なのか?」

「いえ、あの巨木は枯れていました、屋敷も崩れ魔物の臭気が一杯で見る影も有りませんでした。」

「この木は精霊樹の木です。」

「精霊樹┅」

「本当に精霊樹なのか?」

「そうです、オズウェルの森にあった精霊樹の子供です、種を頼まれここに植えました。」

「オズウェルの森にあったのか┅」

「テオちゃん?その事はみんなは知ってるの?」

「私達だけが知ってる事です。」

『我も見つけられ無かったからな』

「ヒャ!オオカミ?┅喋った?」

「アハッ、フェンリルのシロです、相棒です。」

「フェンリル┅まさか本当だったのだな┅」

「こちらへ、あの屋敷を思い出しながら造りました。」


そこにはかつてマリアンヌが過ごした懐かしい家が建っていてボードウィンとエリンダは眩しそうに見つめ瞳から涙が流れていた。


「おお┅あの家が┅あの┅」

「あなた┅夢に見たあの家が┅」


言葉にならなかった。


(お祖父様とお祖母様が昔住んでいた家なの?テオドール様がお造りになったと┅)


家の中へと案内して居間のソファーへ座らせてヒロは静かに話した。


「お祖父様とお祖母様が住まわれても良いようにこの家を建てました。出来ればお二人にここで余生を送って欲しいと思いました。どうでしょう?」

「テオちゃん┅ありがとうね、私は嬉しいのよ、そう言ってくれて┅」

「テオ?私の中にはここで余生を送れたら最高だと思っている、だがまだ来たばかりだゆっくりと考えさせてはくれないか?」

「もちろんです、良く考えて納得のお答えを出して下さい。只、私はお二人がここに住みたいとお考えになると確信しています。」

「まぁ、そんなところはマリーにそっくりね。」

「フフッ、確かに、先を読むことに長けていたな。」


それからヒロとサラは質問責めにあいその度にゴーレム2号やシロを呼び精霊樹の元へと歩いて説明した。

エリルはすっかりサラに懐きくっついて離れない。

ボードウィンはシロに夢中でエリンダは2号と話し込むと言った所でお昼になった。


『皆様、昼食の用意ができました、お屋敷の方へ』


ゴーレムメイドが呼びに来て屋敷へ戻ると広いダイニングにはドリィ、ゼア、リィネ、カーラが座って待っていた。

ジェイソン達は壁際にズラリと並び整列して1号が各々の席へ案内する。


「紹介します、こちらからドリィ、ゼア、リィネ、カーラです、こちらはジェイソン、ルシエラ、ジャック、アラニス、ガガ、カミラです。」

「随分と仲間がいるのだな。」

「このジェイソン達がエイド伯爵領を綺麗にした者達です、ヒュードル伯爵領もですが。」

「そうか!┅君達があの┅」

❴初めまして、私達はご主人様、ヒロ様に忠誠を誓った者達です、この命のある限りヒロ様の手足となりお仕え致しております❵

「あいわかった、ヒロの事、頼む。」

「さあ、紹介は済んだね、みんなで食べよう!」


するとジェイソン達も席に座り皆で豪華な食事を楽しんだ。


「お祖父様達には後で簡単に領内の事を説明します、その後で先ずは第1地区を案内しますね。」

「ふぅ~まだドキドキしているのだが楽しみだ。」


食事の後、お茶を飲みながらヒロはゆっくりと説明する。


「この第1地区は魔素が濃く魔力も多い為に普通の人達は入れなくてお祖父様達みたいなある一定の魔力を持ってないと厳しい環境です。自然と住人は魔力の高い者になり今はハイゴブリン、鬼人、グリフォン、トレント、ドリアード、バイコーンなどです。人間は私とサラだけですが。」

「ちょっと待て、2人だけ?ではこのこの子達は?」

「フフッ、ドリィとリィネはグリフォンの進化者グリドーラでしてゼアはユニコーン、カーラはホムンクルス人造人間です。」

「サラさん?でも┅全然そんな風には?」

「そうですね、この子達も悪魔さん達や鬼人さん、ハイゴブリンさん達も人と変わりが有りません、目を瞑ればゴーレム達も人と変わりが無いかと。」

「確かに┅しかし┅」

「スゴイ、凄い!ホントにお伽噺の世界┅」

「フフッ、楽しいわね、思ってた通り、ビックリ箱の夢の世界、テオちゃんは必ずこの領地を素敵な所にしてくれると思ってたわ。」

「ここには工房が沢山有ります。薬事工房ではポーションを各種作ってます、鍛冶工房では武具や機械類等、細工工房はアクセサリーや指輪等の装飾品と家具等です。お酒関係はお酒の種類が幾つかあって各々の酒造所が増えてしまい結構な数になりました。後は倉庫と特殊な蔵ぐらいですかね。」

「これから見て回る時に捕捉しますね。」

「いやはやなんとも┅早く見てみたい物だ。」

「お爺さん?慌てないの、明日もその後もありますよ、ゆっくり知って行けば良いでしょ。」

「私はワクワクドキドキが止まりませんわ。」

「エリルちゃんはリィネやカーラと見て回ったら?」

「えっ、良いんですか?」

「婆さんと一緒だと遅いから若い者同士で見ておいで。」

「エリル、あまりはしゃぎ過ぎないようにね。」

「ハイ、承知しましたわ。」

「エリルちゃん、行きましょ!」


3人が飛び出して行くとヒロが静かに話した。


「お祖父様、お祖母様、あの精霊樹の側に母様の墓を造っています。生前に託された品を埋葬してます┅」

「そうか、ありがとう、マリーも安らかに見守っているだろう。」

「テオちゃん┅」


4人で墓に行き手を併せるとエリンダが呟いた。


「とても清らかな風┅優しい┅」


湖からの風が湖面を揺らし精霊樹の葉が優しくさえずる様に奏でる。


「お祖父様、あの島にはダンジョンがあって私とダンジョンコアのリーゼが管理しています。」

「「ダンジョン!」」

「ジェイソン達の宿舎があり軍団はダンジョンの41階層から49階層が拠点になってます。あのダンジョンの事は秘密でして、この地区の者しか知りません。」

「ダンジョンがあるとは┅ではテオがダンジョンマスターなのか?」

「そうです、だからリーゼと作り替えました、冒険者が入るダンジョンでは無く自分達のダンジョンとして。」

「どういう事?」

「えっと、危険を排除して訓練場と採取場にしました。」

「ハハッ、そうか!そう言う事か、ダンジョンは危険な物だがここに有るのは攻略する為の物では無い、ならば好きに使うと言う事か。」

「どうやらこのダンジョンはプレゼントみたいな物で500年も只そこにあったみたいです。カーラが管理者としていましたがずっと1人ぽっちでいたのを不憫に思って引っ張り出しました、彼女は人間では無くて女神が造った人造人間です。」

「人造人間!」

「ええ、ですから赤ちゃんと同じで何も知りません。それに男とか女とかの認識すら無かったんです。今はサラが教育して大分人間らしくなりましたが。」

「そうなの┅可愛そうに、500年も1人なんて┅」

「コアのリーゼとは管理者とダンジョンコアと言うだけで意思の疎通は無かった様です、彼女はダンジョンの階層を管理していただけですが誰も来ない500年ですから┅」

「管理する事も無かったのだな。」

「あんなに可愛いのに┅」

「でも今はリィネやドリィと仲良くしていますしゴーレム達とも楽しくやってます。知能は凄いので覚えるのは速いですよ、まだ進化を試して無いので進化すればより人間になると思います。」

「「進化!」」

「ええ、進化です。」

「ここにいる住人は殆んどが進化してるんですよ。」

「それは┅どういう事なのだ?」

「精霊樹の実です。精霊樹の実は進化の実と言われていまして、オズウェルの精霊樹から沢山プレゼントして貰いましたから皆に食べて貰いました。」

「聞いた事が有る┅精霊樹の実はそう言う物で世界樹の実は再生の実だと┅」

「あの精霊樹の木もいずれ花を咲かせ実を付けるでしょう、100年に一回と言われてます。」

「その進化の事はゆっくり聞かせておくれ。」

「はい、ダンジョンにも入られたら宜しいかと、じゃあ向こうの工房へと行きましょう。」

「なんだか驚いてばかりね、ドキドキしてるわ┅でも楽しいわね、フフッ。」

「そうだな、昔のドキドキ感が戻ったみたいだ。」


工房を見て回りハイゴブリンや鬼人達とも話をして特殊な畑に目を奪われた頃は空が紅く染まり出して屋敷ヘ戻った。

エリルは凄く興奮していてリィネとカーラとは友達になりずっと一緒に話している。

ボードウィン達の家には3人のメードゴーレムを世話係りに付けてエリルがカーラとリィネと一緒に寝ると駄々をこねたがエリンダの一声で落ち着き驚きの一日目は過ぎて過ぎて行った。




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