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黄昏おじさん異世界飛ばされ楽園創る  作者: 姫野りぉ
第三章 素晴らしき世界
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フォレストの町見学会


「皆さん、もうお分かりだと思いますがこの領地での移動手段は転移ゲートと区間転移になっています、第4地区には養蜂場と牧場が有り第3地区は耕作地ですので町からは遠く通うのは無理です、又、この第2地区でも奥の第2鉱山の側に池がありますが遠くて転移に頼っています。」

「それは聞いたわ、確かに転移しないと仕事には行けないわよね。」

「私達は各々が転移出来るけど普通の人にはゲートが必要だもん。」

「領主様が皆様を馬車にて来られるのを望まれたのも転移するなら見ておく必要があったからです。」

「そう言う事じゃったか、なるほど。」

「そうね、私達なら転移魔法でどこでも行ける┅」

「とにかく広い領地を効率的に管理運営している現在、転移魔法は皆から喜ばれています。」

「分かったわ、それで?そのゲートの場所は決まってるの?」

「はい、役所の隣に事務棟があります、そこで時間と行先を記入して帰りにもその記入したのと照らし合わせる仕組みを取っています。」

「出入り管理ね、オットーさんも言ってたわ。」

「仕事場が決まった者はカードが有りまして其れで確認します、冒険者ギルドと同じです。」

「ふ~ん、考えたわね、さすがテオちゃんだわ。」

「14000人以上の領民でゲートが必要な職場移動者は6000人程居ますので簡素化が必要なのです。」

「6000人も!そんなに人が働いてるの?」

「ええ、まだ足りないくらいです、鉱山が2つ有り採掘者に運搬や仕分けに製品作業と仕事は沢山有りますし、耕作地にも人手がいる時は足りません、養蜂場や牧場もです、第1地区ではお酒の工場と細工工場に薬品工場や縫製工房もあります、ゴーレムさん達が居なければ作業が追い付かない状況でして働いて無い領民にも声を掛けてる次第です。」

「何それ?そんなに工場が有るの?第1地区ってテオ達のお屋敷が有る所でしょ?」

「第1地区は特殊な仕事ばかりですので我々では仕事になりません、ハイゴブリンさんや作業ゴーレムさん達に鬼人さん達が働いています、ハイゴブリンさん達の地区と鬼人さん達の地区も第1地区でして私が知っている事はそこまでです、第1地区には私達は入れませんので。」

「えっ!そうなの?」

「そうです、第1地区は領主様達だけの地区で、いわば聖域みたいな物です、領民も理解していますから誰も不思議には思ってはいません。」

「聖域かぁ┅益々興味深いわね┅」

「それではバスで町中へ行きましょう。」


皆は広場のバス乗場で停まっている馬車のデカイ荷台に乗り込むと成る程と感心した。

座席が通路を隔てズラリと並んでいる。

優に30人は座れる。

驚いたのはバスを引くのはゴーレム馬でリチャードとは違った感じがした。

町中の広い場所に停留所がありそこに停まった。

前から降りると後ろからは人が乗り込む。

静かにバスは走り去った。

町の目抜通りらしく色んなお店が見えた。


「ここが一番の繁華街と言いましょうかお店等が並ぶ地区です、お店は役所の許可が有れば誰が出しても良いですよ、一番多いのは食べ物屋関係です、肉屋、魚屋に八百屋、あとは服飾関係と雑貨屋です。」

「食べ物屋には酒場も含まれるの?」

「酒場を出すのは厳しい条件が有りますので少ないです、それにお店屋は閉店時間が決まってまして、食べ物屋は夜8時迄、他のお店は夕方6時迄になっています。」

「成る程、遅くまで酒を飲む訳にはいかないのね、皆仕事があるから。」

「それもありますが酒場と言えば喧嘩が付き物ですのでそれは駄目ですよと言う訳です。」

「ハハッ面白~い、そう言えば仕事は5時迄って言ってたし安息日は全部が休みになるんでしょ?」

「全部では有りません、領で経営している物です、安息日は皆、第4地区へ遊びに行ったり第2地区の池とかに遊びに行きます、領主様は遊園地なる物を考案中とかでして楽しみです、みんなは町で買い物とか食事とか思い思いに楽しんでいますよ。」

「娯楽は必要ね、でも遊園地?なにそれ┅しかし、そんなに休んで大丈夫なの?」

「鉱山と言ってもまだ洞窟みたいにはなっていませんし耕作地区の作物は時期を管理出来てますから。」

「洞窟じゃないの?」

「両方とも鉱山と言っても山でも地下でも無くて第1鉱山はまだ平地で採取出来る状態で第2鉱山は洞窟と言うか洞穴でまだ掘って採掘はしていません、目に見える範囲で豊富に取れる訳ですので採取よりも仕分けと製品作業が忙しいくらいです、作物はこの地では成長が早く管理しやすくて葡萄畑が一番忙しい程度です。」


マーサとウルティマにエマが服屋へ入りアンナとマリアは雑貨屋、イリヤとエミリはアンナ達に連れられカフェらしいお店でケーキや見たことも無い甘味を食べて喜んでいる。

ギルバートとセバスは辺りを見て周り、カフェに呼ばれたメリーヌとシャルレ、ガードナーにヘレン、エマはとにかく驚き、とくにメリーヌとシャルレは信じられない事ばかりを目の当たりにして言葉がなかった。


「お嬢様、この町は異常です、税は無く仕事は好きな職を選べて住む所も与えて貰い給金はとても高い┅」

「衣、食、住が保証され自分に合った仕事もあり安全安心に暮らせる、子供達だけじゃなく大人も学ぶ事が出来るなんて┅それに娯楽も┅」

「読み書きが出来ない平民や亜人はまともな仕事に付けない、子供達の教育も普通なら受けられないのに高等学院と同じような┅」

「それに┅お店の物全てが安いわね?魚なんてあんな値段じゃ買えないし食事処の値段も普通じゃないわ。」

「こんな町で暮らしてたら他所になんか行きたく無くなる┅」

「そうよね、町の人達の顔が生き生きしてる。」

「領主はどんな人なのでしょう?」

「私達を助けてくれた恩人、まだ成人前だと言うのに領地を立派に作り領民からは慕われてる┅」

「お嬢様の判断は間違いではなかったと実感しています。」

「早く会ってみたいですね?」

「はい、会ってこれからの事を相談致しましょう、きっとお嬢様のこれからが良い方へ向かうと思います。」


バスは第1鉱山へ向かっている。

窓から見える町並みと人々の明るい笑顔が心を弾ませる。

住宅地を抜けると綺麗に整備された大地の中を進む、しばらく行くと建物が並びその先に大勢の人が働いていた。


「着きました、第1鉱山です、まずは事務棟へ行きましょう。」

「ここにもゴーレム達が働いているのね?」

「ゴーレムさん達が始めた仕事ですので教えて貰ってます、この領地の仕事は全てゴーレムさん達が働いていたので後から来た我々は手解きを受けないとわからないのです。」

「そっそうなの?ゴーレムを使ってたのならそのゴーレムを作ったのがサラと言う訳ね?」

「そうです、サラ様が殆んどお作りになられたと聞いています、領主様は特殊なゴーレムさんだけお作りになられたと。」

「だからゴーレムの女帝なのね?」

「いえ!ゴーレムさん達だけではありません、この領地の女帝であり聖女様でもあります。」

「聖女様?」

「はい、ヒュードルから逃げて来てケガや病気の者が大勢いましたけどサラ様が寝ないで看病して治して下さいました、そして腹をすかした13,000人以上の我々の為にゴーレムさん達を作り炊き出しをされ服や身のまわりの品を配られ┅たったお一人でお世話をされたのです、領主様は住宅の建設に掛かりっきりで騎士団の方々は護衛と誘導に魔物退治にと忙しくサラ様だけが我々をお世話なさったのです、みんなが聖女様と言っておりましたがゴーレムさん達が女帝様と言う様になって次第にフォレスト領の女帝サラ様と呼ばれる様になりました。」

「サラもヒロも大変だったのね┅」

「ヒュードルの町は魔人達が操ってました、それを領主様が一掃されたのですが領地全て跡形も無く無くなり今は只の平地になったと聞いています、ヒュードル領は無くなりオルレア領になったと。」

「そうなの?それは聞いてないわ。」

「何でもオルレア子爵様と領主様でヒュードル領を開拓されてるとお聞きしました。」

「まったく、ヒロちゃんも物好きね。」

「まっ、それも何か考えがあるのじゃろう、しかしサラちゃんの働きは凄いのう?」

「そうね、彼女にそんな能力があったなんて┅」

「会えば分かるでしょう、ドノバンさん?向こうがこっちよりも広くなってるのは?」

「あれは鉄を採取してる場所です、鉄と銅はふんだんに採取されるのであれだけ広くなったのです、こっちは希少鉱石です、面白い事に取れる鉱石の場所がはっきりと別れていて採取しやすいのですよ。」

「本当にまだ平地で採取してるのね、どれくらいの埋蔵量なのかしら?」

「凄いですよね?領主様が言われるのは50年掘っても変わらないそうです。」

「そんなに!」

「ローレンス辺境伯領の鉱山は10年も持たないと言われてる、新しく見つかったから良いのだが、ここの他にも第2鉱山があるならば確かに凄い領地になる┅」

「鉱石だけではありません、農作物も安定してます、そして領主様は面白い事を始められました、第4地区に牧場をお作りになられお肉の供給とミルクやチーズと鳥もです、玉子は普通に食べれる様になりました。そしてあの鉄鉱石や銅鉱石を精製して製品にする工場を建てる計画です。」

「「「工場!」」」

「そうなんです、採取しただけでは只の石ころ鉄のインゴット銅のインゴットとかにしないと製品ではないと言われまして。」

「確かにそうじゃのぅ製品としてなら売買がしやすい。」

「でも牧場なんて第4地区では見なかったわ。」

「奥の方ですから、そして湖では魚の養殖もされてます。」

「何でも有りなのね?」

「この領地内で全て賄える様にと仰ってました、我々の食卓も前の暮らしより数倍良くなりお腹いっぱい食べられます、フォレスト領民になり最初は戸惑いましたが今は幸せだと断言出来ます、生きて行く事の不安も心配も無く子供達の将来も夢が持てます、そして自由にすごせます、領主様やサラ様、全てに感謝して暮らしています。」


第1地区を一通り見て見学会を止め迎賓館へ戻った。

セバスとアンナが相談して夕食を済ませたら第1城壁へ向かうと決めた。

夜通し走れば明日の朝には門へ着けると判断したからだ。

今は一刻も早くヒロ達の元へ着くのが大事だと全員が思っている。

聖域と呼ばれる地区に┅

夕食を早々と済ませドノバンに感謝を伝え馬車を出した。

何故だかみんなは少し興奮して話している。


「センセ?きっとサラさんはテオちゃんから能力を分けて貰ったと思いますけど?」

「う~ん、それだけじゃないと思うけど?」

「確かにサラさんは回復魔法を使えるけどそれで聖女様とはならないと思います。」

「あの聖域と呼ばれる地区は何か違った感じがするのじゃが?」

「領民が誰も入れないとはおかしな話しです、何か隠しておきたい事が有るのでしょう、それは知らないのが良いと思われる事だと。」

「悪魔軍団?鬼人?ハイゴブリン?そんな所かな?」

「まだ有る わかる 魔力が強い とても」

「えっ、ウルティマにはわかるの?」

「わかる いっぱい魔力と魔素が有る」

「ふ~ん?つまり、魔力の強い者が居て魔素が多いから普通の人達、領民を入れないって事かな?」

「おそらくそうじゃろう、平民には強い魔素は害にしかならん、とても多いのじゃろうなぁ。」

「テオ達が人を拒む理由は無いもの、そう考えるのが妥当ね。」

「でも魔力が強い生き物って?」

「ハイゴブリンや鬼人の集落が有ると言ってたから人では無い者がおるからじゃろう、それに特殊な仕事場だとも言っておった、魔道具やら酒やポーション等は隠して置く方が良い。」

「フフッ、楽しみ!どんなビックリ箱かしら!」

「マーサはお気楽ね?」

「マーサ能天気 頭悪い 子供」

「ウルティマァ?あんたもでしょ!」

「ねぇねぇ?サラお姉ちゃんとヒロお兄ちゃんは待ってくれてるかな?」

「イリヤちゃん、きっと門で待ってるわよ、まだかな?ってね。」

「お兄ちゃんとお姉ちゃんに約束したの、一緒になるって。」

「そうだね、もう直ぐだから、きっと2人も喜ぶわ。」

「ヘヘッ、眠って起きたら会えるね?早く寝る。」

「そうね┅眠って起きたら会えるわね┅」


アンナは子供達の何気ない一言に愛おしさが込み上げた、ヒロの笑顔が浮かんで目からは涙がこぼれて頬をつたっていた。




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