オーガ族とホブゴブリン達
空から見る湖はキラキラと日の光を反射して綺麗だなと思いながら飛んでいるとトロールの集落があった所が見えてきた。
以前とは比べようが無い位に清らかな水になり林だった所も森へ成長している。
もっと奥へ行くとあの魔人達が魔薬を製造してた所がうっそうとした森へ変わっていた。
下へ降り見渡すと風に乗って甘い香りが鼻をくすぐる。
何の匂いかな?草を掻き分け入ると目の前にオレンジ色の実をたわわに着けた木が何本もあった。
木の枝に飛び乗り実を嗅ぐとやはり甘い香りがして思わずかじってしまった┅
うま~い!甘くてほんのりと酸味があり後味もスッキリしていてブドウみたいだ。
鑑定して見るとクルプルの実とでた。
〖クルプルの実 非常に珍しい果物 大陸の1部の場所でしか確認されてない 温暖で肥沃な土壌を好む 種は薬に使用され回復薬が主 実の搾り汁は万能薬になる クルプルの葉に含まれる成分には魔物が嫌う匂いがあり魔物避けに用いられる〗
なんか凄い木なんだな┅
だからかな?魔物が見当たらない。
皮肉な物だ魔人が毒薬を造ってた場所に回復薬の原料になる木が育つとは。
周りの草も薬草が多く数種類のレア物もあった。
木から木ヘ飛び移り移動していく。
1時間も行くとジャックが言っていたオーガの集落に近付いた。
造られた道があり集落へと続いている。
歩いて行くと現れた。
(人間か?ここからは通さぬ)
「始めまして、実は族長に会いたいのだが?」
(誰も通さぬ、ましてや人間など笑止)
剣を抜き構え殺気がみなぎる。
「俺は何も争いに来たんじゃ無い、話し合いに来たんだ、物騒な物はしまってくれ。」
(我らオーガ族は永きに渡り人間から迫害されてきた、魔物呼ばわりされ亜人とは認めなかった、犬や猫どもは認め我らは化け物扱いだ!ふざけるな!)
「俺はそんな事はどうでも良いよ、俺達と仲良くしてくれたらと思って来たんだ。」
(どうでも良いだと!やはり魔人の仲間か?ならば成敗する)
そう言うや否や切りかかって来た。
ハラリと交わし次の手も交わす。
村から5人のオーガが駆けつける。
(こやつ魔人の手先!撃ち取れ!)
「待て待て!魔人なんか関係無い、話し合いに来たんだ。」
(騙されるな!人間に我の太刀が避けられる筈がない!)
「否否!お前なぁ、そんな太刀筋は誰でも交わせるぞ!」
(グヌッ!侮辱するか?ならばこれはどうだ!)
飛び上がり振りかぶる、すかさず小刀で受け腹に一撃拳を入れる、バタッと倒れ口から泡を吹いて気を失った。
身構えると1人のオーガが近付いて来て頭を下げる。
(すまない、仲間の無礼を許してくれ、最近魔人に襲われて仲間が連れ去られた、又来たと勘違いしたのだ)
「魔人がオーガを拐う?どうして?」
(我らもわからない、只、又来ると言っていた)
「そうか、わかった、コイツを快方してくれ、俺はヒロ・タチバナ湖の向こう側から来た、このフォレスト領の領主だ。」
(なんだと!フォレスト領の領主!)
「ここも俺の領地なんだ、だから族長と話をしたい。」
(フォレスト領だったのは随分と前だ、今は魔物の森となり人間はこの地を捨てた筈、それに我らの事をどうして知っている?)
「そりぁ調べたからさ、こちらに約500のオーガ族、向こうの端にはリザードマン、約2万の集落があるとな、だから手始めにオーガ族との話しに来たんだ、リザードマンは2万の大所帯だからなぁ。」
(そこまで知っているとは┅わかった、族長に会わせよう)
「ありがとう、出来ればホブゴブリンの族長にも会いたい。」
(ウッ、それも!仕方ない、会わせよう)
「良かった、その前に片付けておくよ。」
そう言うなり振り返り【バレットストーン】大 ババババー! ビシュビシュ!
離れた木の上に目掛け放たれた土の塊が潜んでいた魔人を貫く。
突然の攻撃に逃げる間もなく木から落ちて行く。
ジャック、亡骸を運んで調べてから消してくれ
承知致しました
「魔人が見張ってたみたいだな、そうだと早い時期に来るな。」
(なんと?お前は何者、只の人間では無いな!)
「只の領主さ、さっ案内してくれ。」
連れられ村の中央へ出るとオーガの面々に囲まれた。
❪私が族長です、フォレストの領主とやら、何を話しに来た❫
「俺達と仲良くしてくれ。」
❪ほう?仲良くとはそなたの配下になれと?❫
「配下と言うか領民として仲良くしたい。」
❪領民と言うが我らはオーガ、人間は魔物として討伐対象ではなかったかな?❫
「俺はこのフォレスト領を多種族が安心して暮らせる領地としたい、オーガ族やリザードマン、他にも亜人達全部が仲良く暮らせる様にしたい。」
❪かつてこのフォレスト領は人間が治めていた、その人間は我らや他の亜人の権利を認め各々の集落で暮らしていた、だがその協定を破り魔物討伐として亜人をも襲い我らはこの地に逃げ延びた、人間の言葉は信じられん❫
「このフォレスト領は俺の母が住んでいた、その頃はそうだったのだろう、母が居なくなり別の人間が治める事になって協定を破ってこの領地は荒れ魔物の巣窟になった、だが俺は違う!母のいた頃よりもっと良い領地にする為に来たんだ、人間とか亜人とか魔物とか関係ない、仲良く出来るもの達と一緒に暮らせる領地にしたいんだ。」
❪母親?それはマリアンヌの事か?❫
「母様を知っているのか?」
❪マリアンヌの父君が我らと協定を結んだ、お互いが争わない事と住む場所は決められた範囲で自由だと❫
「フォレストお祖父様が決めたのか、俺は約束したんだ、フォレスト領を再興すると。」
❪わかった、だが部族として話し合わなければならない、結論が出るまでは大人しくしてくれ❫
「承知した、その間ホブゴブリンとも話したい。」
❪良かろう、この者が案内する❫
ホブゴブリンが1人出て来て付いて来る様にと案内してくれた。
オーガの集落から少し離れた所にホブゴブリンの集落があった。
面倒臭くなって隠していたオーラを解放して進むとゴブリン達はガタガタと震え遠巻きに俺を見る。
❬あなた様は人間なのですか?とても人間とは思えません、我らに何をお望みで?❭
「俺はヒロ・タチバナと言う人間だ、フォレスト領の領主をしている、オーガ族とホブゴブリン達に俺達と仲良くしてくれる様に話しに来た。」
❬人間とは我らを謀ってはいませんか?あなた様の力はとても人間とは!弱い我らでは従うしかありません❭
「本当に人間なんだよ!失礼な!」
❬なんと!人間であれば勇者とか?❭
「そんなでもない!それよりお前達は俺達と仲良くしてくれるのか?」
❬仲良くなど畏れ多い事です、我らホブゴブリン一同あなた様ヘ従い忠義を誓います❭
一同が振れ伏しまるで俺を神の様に崇める、50人程のゴブリン達が一斉に叫ぶ。
«あなた様ヘ従いまーす!何卒忠義を!»
参った┅こんなになるとは┅
迎えに来たオーガがそれを見て驚きそして俺のオーラに当てられ気を失う。
ゴブリン達が快方してさっき案内してくれたゴブリンがオーガの集落へと付いて来てくれた。
オーラを隠さず来たものだから集落はざわめき戦士達なのか?剣を構え取り囲まれた。
❪お前は何者だ!❫
「はぁ~さっきも言っただろ?」
❪先程とは違う!その魔が魔が強いオーラ!我らを攻めるのか?❫
「いやぁ、これは隠しておくと悪いと思って、これが俺の本当の姿なんだが┅」
❪なんと!その姿が本当ならばお前は勇者と同じ、否それ以上の力を持つ者┅❫
主様 先程の魔人を調べました所後2日でこの集落とリザードマンの集落を襲う事が判明致しました それにその後我らの領地も攻めると
わかった、ありがとう、それでは先に攻めるか?ジェイソンとルシエラと一緒に魔人達のアジトを調べてくれ
魔人達のアジトは既に調査済みです ヒュードルの町をアジトにして町は魔人達と魔物が制圧しております オルレア子爵ヘの暗躍も確認致しました
なんだと!オルレア子爵は大丈夫なんだろうな?
ハッまだ攻めてはいませんが準備をしている段階です
よし!それならば軍団を率いてヒュードルの町を討伐せよ!ジェイソンとルシエラの指揮に任せる、1匹残らず消せ、それと魔人が2度とちょっかい出さない様にしろ!俺も行きたいが!任せる!
ハッ主様の怒り我らが果たします
力を解放してお前達の姿を示せ!
ヒュードルの町は壊滅した、伯爵は魔人に乗っ取られ町を支配していたが悪魔軍団により消えた┅町も焼き付くされてしまった┅
この辺り一帯の魔人は統べて滅ぼされ、操られていた魔物も解放された。
だが厄介な事に吸血鬼とノーライフキングが逃げ延び姿を消した。
ジェイソンが言うには王都ヘ向かったと┅
「族長!今、仲間から連絡があり魔人がこの集落一帯とリザードマン達の集落を襲う計画をしている。」
❪なんだと!それではこうしてはおれぬ、皆の者!戦の支度をせよ!❫
「アッ!待ってくれ!それには及ばない、魔人達は俺達が討伐するからお前達は何もしなくて良い。」
❪魔人達を討伐すると?出来るのか?❫
「あいつらは俺を怒らせた┅実は魔人達はヒュードルの町を支配していてオルレア子爵領も手に掛けた、フォレスト領も攻める算段らしい、だから今、討伐部隊を送ったんだ、直ぐに済む。」
❪そうなのか?┅町を支配する程の魔人達がいたのか┅❫
「魔人達はどうやら魔国から抜け出したもの達みたいだな、魔国はこちらへ攻める意思は無いようだ、反発する者が追われて来てるのだろう。」
❪お前はその魔人達を討伐出来ると言うが魔物も飼い慣らしている、お前達の他に人間達も一緒に戦うのならばこの地に戦が来てもおかしく無い!❫
「それは無い、魔物はフォレスト領内にはいない、討伐してしまった、管理された魔物はいるがな、後はこの湖のこちら側を俺が調べてどうするか決める、魔物を排除するか残すかを。」
❪そんな理由で来たのか?❫
「お前達は知能もあり話せる、ならば話し合いで決めようと思って来たんだ。」
❪先程の我らの決まりはお前には従わないと結論したが┅❫
「従わないかぁ、残念だな、俺はお前達を追い出したくはなかったんだけど┅」
❪待て!まだ考える時間をくれ!❫
「この後リザードマンの所も行かないといけないんだが余り時間は無いぞ?」
するとジェイソンがボワ~ンと姿を現した。
❴我が主、ヒロ様に申し上げます、魔人達の討伐を完了致しました、現在ヒュードルの町をルシエラ達が片付けております、町の住民はフォレスト領へと望む者多数ですので手筈通り案内致しております❵
「ご苦労様、住民達は手厚く迎える様にサミー達に言ってくれ、後はフィルに従う様に。」
❴はっ、承知致しました❵
ぱっと消えてしまった。
❪い、今のは?悪魔ではないのか?あの者の気配は悪魔だった┅なぜ悪魔を従えているのだ?やはりお前は人間ではない!❫
「ああ、ジェイソンは悪魔で俺の配下だ、なぜか慕われてしまって、それよりどうするんだ?」
族長と話し合うオーガの若い娘と男がこちらへ来て跪くと大きな声で皆に聞こえる様に宣言した。
❪私達はあなた様に従います、どうかお願い致します❫
「えっ、良いの?」
❪悪魔をも従えその遥かなお力領主としての振る舞い、我らの主に相応しいお方と判断致しました❫
「そう┅なの?」
❪ハッ、では主様どうぞ中へ❫
族長の家なのか一番大きな家に通され上座に招かれた、料理と酒が運ばれ何やら宴会?らしく酒を注がれた器を受けて乾杯?するらしい┅
されるがままに従い酒を1口つけると族長が頭を下げ話した。
❪数々の無礼をお許し下さい、あなた様の事を疑うのは我らの命に関わる事、ご理解下され、我らも魔物として見られるのは致し方無い事、魔石を持つオーガが暴れるのを我らにはどうしようもなくホブゴブリンも同じ亜人なのに認めては貰えなくこうしてひっそりと暮らしております❫
「それは調べてわかってる、リザードマンも同じだ、俺は生きてる者は皆同じだと思っている、魔物も生きる権利がある、しかし魔物には知能が無い、だから管理してお互いの命を守る。」
❪それを可能にするには力が必要、あなた様ならば出来ると判断しました❫
「ありがとう、わかってくれて┅それでなぜお前達はこの場所を選んだんだ?もっと良い場所があっただろ?」
❪それはこの場所にどうしても必要な物があるからです、ホブゴブリンは器用で薬を造れます、我らの仲間にも鍛冶をする者がいます、その材料が取れる場所なのです❫
「そうか、確かにこの辺りは薬草や貴重な木の実とか豊富だな。」
❪どうか見てみて下さい、案内します❫
族長に連れられ集落の端へ行くと草で覆われた洞窟があった、中へ案内されるとあの若い娘が説明する。
❪この洞窟は不思議な洞窟です、前はなかった場所ですが突然現れました、そして中には魔晶石と魔鉱石が多く発見されたのです、それに貴重な薬草のプルプラート草も群生しています❫
「凄いなぁ、それに綺麗だ、でもこの空間は捻れてる、まだ落ち着かない空間だぞ?」
❪お分かりですか?この洞窟は空間の裂け目から現れました、空間の裂け目からは魔人もやって来ます、しかし貴重な資源を失いたく無いのも本音です、魔人が攻めて来てもこの洞窟は守りたいのです❫
「それは分かる、しかし俺の配下になれば資源はここより多くあるぞ?無理に守る必要も無い。」
❪それは有難い事です、この洞窟は主様の良き様にして下さい❫
「う~ん、魔晶石に魔鉱石、プルプラート草?どうするか?」
『告 主様この洞窟は空間ですので主様の空間収納にて納めて下さい』
「そんなぁ?この洞窟はいらないだろ?」
『解 魔晶石と魔鉱石は魔素の塊と言って良いでしょう 永い年月を経て出来た物アダマンタイトなどより希少な鉱石 この国に取れる所はありません プルプラート草は完全回復薬の材料 この薬草もこの国では確認されてません』
「えっ!そんな凄い物だったの?そっかぁ、じゃあ仕方ない収納するよ。」
オーガ達を洞窟から出しこの洞窟を収納すると言うとポカ~ンとして何を言ってるのか分からないでいた。
構わず空間収納を開き洞窟に手を当てるとスルスルスルッと収納してしまった。
皆はアゴが外れる程口を開き驚き頭が真っ白になったみたいだ。
この洞窟はグリフォン部隊の巣に放つか?同じ洞窟みたいだし┅
そんな事を考えオーガ族も配下に出来たホブゴブリン達もだ、後はリザードマン達だな、しかし、交渉って疲れる┅
早くゆっくりしたい┅




