新しい仲間
ジェイソンが帰ってきた┅一月と言ってたのが10日で?
悪魔軍団は討伐に出てる。
「随分と早かったんだな?」
❴ハイ、スンナリと理解してくれましたから、私の変わり様にも驚き興味が出たのか会いたいと❵
「それで?その親友と言うのは?」
❴これに控える者です❵
⦅はじめまして、わたくしアークデーモンとして、この者の主に成られた方に是非お会いしたく参上致しました⦆
「ジェイソンと親友で師匠と聞いたが?」
❴彼女は戦いの天才です、良く鍛えてくれました、永き時を生き抜いて来たのも彼女のおかげです❵
⦅ホホッ、しおらしくなったのですね?それもご主人様のせいかしら?⦆
「それで?どうしたいのかな?」
❴私としましてはこの者にもヒロ様に仕えてもらいたいと考えています❵
「フム、でも見た所彼女にはその意志が見れない、俺も誰でも良い訳じゃないから。」
⦅わたくしが来たのは┅⦆
いきなり闇の刃が俺の首目掛けて飛んできた、ジェイソンが止めようとしたが間に合わない。
刃は俺の首に当たり通りすぎる。
休む間もなく攻撃して来る。
闇の刃が放たれると同時に闇魔法【シャドウフォール】が襲う。
されるがままに攻撃を受けズタズタになって行く。
⦅やはり大した事は無かったわね?人間に仕えるなど愚の骨頂、愚かな真似を!⦆
❴お前は!馬鹿な事を┅私はお前に滅んで欲しくは無かった┅❵
⦅何を言ってる?もうお前の主は死んだ、早く目を覚ませ!⦆
❴クククッ、目を覚ますのはあなたですよ?❵
俺は切り刻まれ崩れ四方に散った身体の欠片を見ていた、彼女の誇らしげにジェイソンを見下し悪魔らしい笑顔が面白かった。
討伐に出ていた軍団が帰ってきた。
何か報告が有るらしい┅
❪お前はヒロ様に何をした!❫
《ヒロ様を!よくもよくもよくも!許さない》
❬本当に愚かな真似をしたでありんす❭
⦅あなた達!目を覚ますのです!なぜ人間に仕える?なぜ人間を信じられる?か弱く知能も低い、虫ケラ同然の人間を!⦆
次々に軍団が戻って来るが異常な魔力の渦に気づくと距離を置き構える。
すざましい覇気と魔力の渦に圧倒され身動き出来ずにいた。
「ふぅ、さて?もう良いのかな?」
そう言って姿を戻す。
散らばった肉の破片が一つに集まり光に包まれると元の姿で笑う。
「さすがはアークデーモンの魔法だな?少し痛みが有ったぞ?俺を殺そうとした罰は受けて貰わないとな?」
⦅バカな!死んだ筈だ!なぜ生きてられる?どうして?⦆
❴貴女ごときがヒロ様に敵う訳がないでしょ?残念ですが貴女は滅びます❵
⦅グヌッ、私は滅びぬ!何度でも甦り生きて来たのだ!⦆
「フム、どうするかな?ジェイソン?こいつ潰して何か得がある?生かしてコキ使うとか?」
❴いえ!ヒロ様への無礼は赦し難く滅んだ方が良いかと❵
「おい?女!ああ言ってるがお前の本当の目的を言え!」
戻って来たグレーターデーモンの中から6体が彼女に膝まづきかしこまる。
すると6体のグレーターデーモンの体がひしゃげ黒い霧になって消滅する。
❴これは?❵《どうして?》❪配下を!❫
「もう気が済んだかな?」
⦅茶番はおしまいです、お付き合いありがとうございました⦆
「しかし、少し戸惑ったけど?」
⦅話を聞いた限りあなた様は適応なさると判断致しました、他の悪魔達はまんまと騙したのですが?⦆
❴騙したとは?ヒロ様?❵
「ああ、最初の一撃に殺意は無かった、だから首が飛んだ振りをした、その後は茶番だと分かったから黙って成り行きを見てただけ。」
❬あちきらを騙して配下を消したのは何故でありんす?❭
⦅フフッ、こちらに来る途中魔人の気配を感じて1足早く来て見れば魔人と契約した者が混じっている、私は魔人が嫌いなのでこの場を利用したのです、主様は魔人に疎まれておられるようだ⦆
「前に成敗したからかな?6体も居たのには気づかなかった。」
❴何故!何故ヒロ様へ無礼を働いた?もっと他にやりようがあった筈だ!❵
⦅ああすれば簡単に出て来ると思った、それにあの程度の攻撃で破れるお方なら仕えるに値しない⦆
「試された?」
❴それが無礼だと言うのです!あんな子供騙しを!❵
⦅あれでも私の必殺技なのだが?⦆
「お前は俺の配下になるのか?只のお客で良いんだがな?」
⦅いえいえ!どうか配下にして下さいませ!まだ、あなた様のその迫力、覇気と威圧、恐ろしいオーラに痺れております⦆
「そうは見えないがな?」
⦅遠くから感じておりました、近付くにつれ惚れてしまい茶番に力が入ったのはお許しを!⦆
「ジェイソン?良いのかな?」
❴ヒロ様の判断で!出来ましたら配下にお願い致します❵
彼女の頭に手を乗せ名を告げる。
お前はルシエラ、そう名乗るが良い
ゴッソリと魔素と魔力を取られた
同じ様に紫色の繭に包まれている。
「ジャック?もう討伐は終わったのか?」
❪ハッ、ヒロ様?実はバイコーンに遭遇致しまして討伐しようとしましたらゼア様がお止めになりヒロ様へ届ける様にと❫
「バイコーンを!それは凄い!ゼアには感謝だな、何頭いる?」
❪子が2頭とオスが8頭にメスが3頭です❫
「分かった!じゃあ取り敢えず騎士団がいた広場へ放してくれないか。」
❪畏まりました、その後は又、討伐へ向かいます❫
「ありがとう、頼むよ。」
悪魔軍団は身支度を整えバイコーン達を放つと一斉に散らばって飛んで行った。
ジェイソンにルシエラの事は任せて屋敷へ戻りリビングでお茶を飲んでるノームに相談した。
「ノーム、教えてくれないか?岩のゴーレムじゃ無い作り方を?」
『簡単じゃぞ、ミスリル鉱石でもオリハルコンでも造れるぞ?』
「それは凄い、実はダンジョンコアの守りに無敵のゴーレムを置きたいんだ、コアは大切な仲間だから。」
『それは面白い、無敵のゴーレムだと!なかなか面白い事を考える、ハハッやはりここに居て正解だった、造るぞ!』
「よし!無敵のゴーレム造りだ!」
工房へ籠り2人で夜通し作業して朝には出来上がった。
完全無敵のゴーレムが。
その名も守護者デスナイトのナーバだ。
ミスリル鉱石を主体にオリハルコン鉱石とアダマンタイト鉱石を練り込み鉄で更に強度を高めた身体と国宝級の鎧に兜、剣に盾をした騎士が、名持ちで覚醒すると進化の実で進化した、最早ゴーレムとは言い難い騎士だった。
ベヒモスの魔石を宿しそれにミノタウロスの魔石で強化した。
魔石がある胸へ押し当てると赤く光りながら吸い込まれる、俺の能力も与えながら。
(産まれて来た事に感謝します、あなた様の家来として尽くします)
「ダンジョンコアの守りを頼む、絶対に守り通せ!」
俺もノームも大満足した、あれ程の物に成るとは?
しかし、ノームは忘れていなかった┅
早く酒を造れと催促する、まったく、この忙しいのに┅
仕方なくゴーレム1号に麦とトウモロコシとブドウを集める様に指示して倉庫の隣に酒蔵所と醸造所を建て必要な機械の製作をノームと細工ゴーレム達で始めた。
造るのはビール、ウィスキー、ワインとブランデーを手始めに取りかかる。
ノームにトレントかドリアードの知り合いは居ないか聞くと直ぐに呼んでくれた。
驚いた事にトレント族が既にこの領地へ住み着いてた!トレントは木の妖精、気付かないのも仕方ない┅
元々ドリアード達はシルフィードに守られた精霊で俺が精霊王に認められ精霊達や妖精達と仲良しだと分かり移って来たらしい┅
そして、妖精達や精霊達もかなりの数が既に住み着いてると笑われた。
シルフィードとウンディーネがちょくちょく来る度に彼等も来てたそうで、そのまま居着いてしまったらしい┅
今や全属性の妖精や精霊が集まっている。
だから夜は辺り一面を沢山のキラキラが飛ぶのか?
早速ドリアードに頼み種をもらってあの魔法の畑で材料を造った。
麦にホップ、トウモロコシにブドウが大量に必要だから。
ノームとゴーレム達で蒸留器や必要な機械が出来上がった。
魔法の世界らしい┅魔力で動き勝手も良い。
ビールは材料さえあれば直ぐに出来る、後はノームとゴーレム達に任せてやる事がある。
あの湖の向こう側の調査が┅
手始めに調査だな、シロとゼアを呼び戻すとジャックにも頼んだ。
ジャックには魔物や魔人対策に調査、隠密部隊を作らせた、クロードには人族の調査、隠密部隊を既に配していたから。
彼等は討伐には参加していなくて、今はヒュードルの町と伯爵の事を調査している。
ジャックの配下にはグレーターデーモンを超える者が多くいた、彼等をまとめて部隊にすればどんな所へでも潜り込める。
クロードの働きはすざましくオルレアの町とダンジョン街の光りと陰を調べ尽くしていた。
どんなに見た目が平静を保つ町でも必ず闇の部分は産まれる、役人達の汚職や非道、冒険者の横暴や農村部と街中の格差。
スラム街もある。
必ず貧しい者がいて、それを利用する者、この世界ならではの孤児の問題。
ダンジョンがあると言う事は死んで行く冒険者もいる。
家族持ちの冒険者が死ねば残された家族は悲惨だ。
冒険者崩れも多数。
ヒュードルの町はもっと荒んで無いか?
そんな困った人達をこのフォレスト領へ呼べないか?入植者を募るのもありだな┅
貧しく生活に苦しんでいる者、能力が無く仕事に付けない者とか農民等は特に苦しんでるだろう┅人手が増えるのは助かるし┅
オルレア子爵には伝えとこう。
「忙しい毎日だが、あの森を調べて欲しい、魔物状況と森の様子を。」
『ならば我とゼアは魔の森の境界を目指す、ジャック達は端からどんな様子か調べる、で良いか?』
「それが良いかな、ジャック達は二手に別れ左右からお願い、でも危険だと判断したなら直ぐに撤退するように!」
❬『『了解!』』❭
素早く飛んで行った。
ホント、頼りになります┅
それから俺はノームと転移でフォレスト領の入口へ向かった。
魔物が領内から逃げてるなら出さない手を打つ。
それに領内へも入れない。
「ここからがフォレスト領になる、だから境界線上に壁を建てる、城壁を巡らせ誰も入れなくするんだ。」
『この領地を城塞都市とするのか?』
「そうだよ、区画ごとに利用して、その仕事の為の町ができたらって考えてる。」
『では容易に入って来れぬ様に頑丈な城壁が必要と言う訳か?』
「だからノームに来てもらったんだ、岩だけだと弱い、鉄とミスリルの壁を巡らせたい。」
『面白い事を┅この世界にそんな城壁や壁は無い、じゃが有れば永き時間残るか┅』
「それ!永く持たないと駄目なんだ、岩でも残るけど崩れてしまう、時間には勝てない。」
『わかった!それだけの量の鉄とミスリルはあるのか?』
「今あるだけの物を用意した、これと岩か土、石で出来ないかな?」
『フム、そうだな、門の周りを鉄とミスリルが多い壁にするか、後は土に練り込み石を使うのはどうだ?』
「石を表面に飾りみたいに配して鉄とミスリルを土に混ぜ壁を造るのかぁ、凄く強固な物になる。」
『この道から向こうは儂が造る、向こうはお前だ、高さはどれ程かな?』
「ここは要となるから15mは欲しい、幅は第一城壁と同じ7mだな。」
『高いな?そんなにいるか?まぁ良い、ではサッサと造り酒を飲むか。』
「ハハッ、ビールは出来立てが飲めるかも、ゴーレム達がずっと造ってたから。」
『そうか!あいつら器用だしな、ヒロのスキルだな?』
「そうさ、それにフィルが面倒見てくれてる。」
『そのフィルとやらには会えんのか?』
「会えない事もないけど、フィルは精神世界の者だから┅頼めば姿を現すかな。」
『いつか会ってみたい、その時は頼む』
そして信じられない光景が繰り広げられた。
2人同時に壁を創造して行く、突然現れる高い壁が生きてるみたいに走る。
ノームは魔の森へ着くと領地の内へ森ずたいに第一城壁へと走らせた。
ヒロは永い距離を走らせ周りも忘れず見ていた。
湖へ着くと中程で止め直ぐに転移して元の位置へ戻った、道の突き当たりに手を当て掘って行く、道幅と同じ穴ができ、入口と出口に扉を造る、扉は重厚な物で合金製の1枚扉だ。
そこに門番ゴーレムを配して入口の城壁全体一帯に魔法をかける。
ノームが戻って来て何故魔法をと聞く。
「領地への入口だから用心の為に幻惑魔法を辺りにかけて置くんだ、確かエルフの森に幻惑の森とかあっただろ?同じようにする。」
両手を天に向けて目を閉じイメージする。
【ダークパラライズ】闇魔法と空間魔法を合わせ水魔法で霧をかける。
深い霧に包まれ壁は見えなくなる。
「幻惑と痺れが襲い方向感覚が阻害される、それでも壁に近付くと霧の外へ飛ばされると言う訳だよ。」
『ハハッ、エルフの幻惑の森と同じだな、これでは霧を避けて行くしかない、いつまでもフォレストへは辿り着かん』
「中の通路にも細工をしてあるし、転移ゲートも作って置いた、万が一侵入しても中の細工、罠で仕留める。」
『ゲートは助かる、全部の城壁に置くのか?』
「全部の城壁の内と外に配置しておくよ、用心と便利さを考えてね。」
『そうか、用心は大事だ、では酒を┅』
「わかったよ!もう大方片付いたから酒に専念するよ。」
『そうか!そうか!』
喜ぶノームを見てこっちまで楽しくなってくる。
酒造りも後々為になってくる筈だ、フォレスト特産品として収入源になる。
この世界に無い酒なんだから┅




