なんじゃこりやぁ!
創造神に会ってから何も変わらない毎日を過ごしていた。
変わらない?
変わったかぁ?
何か変わってるのかな?
タニアは魔法が使える様になっていた。
水と風の属性が有ったみたいで一緒に魔力の操作を鍛練してたから発現は早かったようだ。
魔力の操作は、体内に魔力を巡らし流れを自然にする事で魔法イメージがスムーズに現れる。
魔法はイメージ。
タニアにはイメージトレーニングを徹底して行なった。
「ほら!頭の中に水のナイフが飛ぶのを浮かべるんだ!
今度は風のナイフだからね?
イメージが固定できたら魔力を流すんだ。
そらっ!」
「ウウ~ンッ!ハアーッ!」
「駄目駄目!力んだってイメージは浮かばないだろう?」
「なによ!そんな事言ったってポンポン出て来る訳無いじゃ無い!それに、テオだって魔法の魔も出来ないじゃ無い!」
「ううっ!そんな事言うなら練習に付き合わない!もう知らない!」
確かに魔法の魔も出来ないでいた。
魔力の流れは凄く分かるし、思い通りにイメージも出来ている。
でも、自分の属性が何なのかが現れない。
属性が無ければ魔力が有っても魔法は現れない。
お母様は大丈夫、その内必ずできるからって言うけど、タニアに先を越されて焦っていた。
「テオ!テオ!見て見て、風が巻き上がってる。これって、トルネードだよね?やったぁ!」
また何でトルネードなんだよ?
中級魔法じゃ無いか!
あいつ俺の言った事守らず初級を跳ばしてたな?だから出来なかったのかぁ。
「もう良いよ!まったく、じゃあそのトルネードを打ち出す前に貯めるんだ。
ギリギリまで貯めて思い切り打ち出すんだ!」
「うん、分かった。貯めるのね?思い切りね?」
タニアは手を構え湖に向かって思い切り打ち出した。
ゴゴーッ!グーン!
バカーン!
大きな竜巻が湖に向かって物凄いスピードで駆けて行った。
竜巻が通った後には草も木も無く渦に巻き込まれ高く飛ばされている。
曲がりくねった土の道が出来ていた。
当のタニアは腰が抜けたのかへたり込んでいる。
「あわわっ!何これ?私がやったの?母さんに叱られる!」
「ハハッ!サラは叱んないよ?でもロド爺は怒るだろうな?柵が振っとんじゃった!アハハハッ!」
「えーっ!テオ、お願いロド爺にはテオから謝っといて!頼んだからね?お願い!」
「えーっ!待て!そんな訳無いだろ!タニア!待て!」
タニアは長い赤髪を揺らし笑いながら駆けて行く、頬を紅く染め嬉しそうに。
あんにゃろう!勝手なんだから。
でもぉ。
あれって広範囲魔法だったよな?
上級魔法だと思うんだが?
何であいつができるんだよ!
テオは気付いていない。
タニアが何故簡単に上級魔法までも打てたのか?
それはもう暫くしてわかる。
テオの身に大きく変わった事が。
そして、テオの生き方までも変えてしまうことも。
テオに関わる人々が運命を変えてしまう事になるのを。
まだ、誰も気付いて居ない┅
7歳
背も伸びた。160cm 地球の小学2年生の身長よりは幾分成長が早い。
異世界と地球じゃ比べられない。
この世界では15歳に成ったら成人として認められ、結婚もできる。
因みに一夫多妻も認められる。
因みにだからね?
お父様は3人の妻がいる。
助平だからね!(ゴホン)
この国の冒険者ギルドと商業ギルドには10歳から登録できる。
登録者カードなる物が与えられ
身分証にもなる。
国の重要機関でもある。
だが、あくまでも国からは独立して運営している。
冒険者や商人は、街を潤す経済源でそれにより持たされる発見や発明、税金などの恩恵は、計り知れないものがあったからだ。
今は馬車に揺られて領都へと向かっている。
何でもお父様が王都へと向かう前に俺のこれからの事を決めたいって事らしい。
今まで一回も無かった事なのに今更?
しかも7歳って中途半端!
多分8歳から王都の学校に入れるからその確認かな?
俺ははっきりと言う。
王都なんか行きたくないと。
あの快楽の楽園から離れたくない。
なんで8歳なんかで遠くまで行って
やる必要の無い勉強なんかしなきゃいけない?
馬鹿じゃ無い?
気分は最悪だった。
隣にサラが居てアンナ先生も一緒だ。
お母様は身体の負担が大きいから無理で、御者にはサラの旦那さんのジャンとセバスが乗っている。
アンナ先生は街の薬師ギルドに用が有るからと言っていた。
屋敷を出て2時間程小高い丘に着くと休憩を兼ねて軽く食べようと少し広い場所に馬車を停めた。
ガンスが作ってくれたサンドウィッチを出し、お茶をサラが入れてくれた。
ジャンは馬に水を与えている。
アンナ先生と俺とサラでサンドウィッチを摘まむ。
「ジャン!貴方も一緒に食べましょう?」
「分かった。」
「セバスもどうだい?お茶だけでも飲んだら?」
「私は見張りをしますのでテオ坊はゆっくり食べなされ。」
「セバスさん?見張りなんて必要無いわよ?こんな所に魔物なんて現れないわ!」
アンナ先生が言った途端、セバスが叫ぶ。
「みんな!逃げて!魔物より厄介なのが現れた!」
「えーっ!なによ!厄介な者って!」
「盗賊です!ちょっと数が多い。私だけでは?ジャン!早く馬車を!」
「早く乗って!アンナ先生も!」
しかし
「セバスさん!私も加勢します。これでも子爵家の娘、剣の覚えくらいは有ります。盗賊などに遅れは致しません。」
「仕方ない方だ!では決して無駄死にだけは為さらずに!」
「はい!」
ジャンは俺とサラを乗せて馬車にムチを打った。
セバスとアンナ先生は剣を構え盗賊達と相対している。
「こりゃ、上玉だ!あの馬車にも居たなぁ?へへッ」
「おい!お前とお前、それにお前もだ!馬車を追え!」
「盗賊ですか?どうにかなるでしょう。」
「ええ。心強いです。元王国騎士団長様!早く片付けテオちゃんを助け無いと!」
「ハハッ!ご存知でしたか?老いぼれですがまだまだ盗賊なんぞに負けません。」
「はい!」
「頭!なんか好き勝手言ってやすぜ!舐められたもんだ。」
「ああ!俺達だって元冒険者、Aクラスだ。そう簡単には行きやせんぜ?」
「それに馬車を追い駆けたのはA級討伐依頼の札付きだ!大人しくしろ!お姉ちゃんはたっぷり可愛がってやるからよ?」
「何?Aクラスの冒険者崩れだって?それに追い駆けたのが札付き?くそぅ!」
「大丈夫です!只の張ったりです!そうりゃ!」
アンナ先生が剣を振り抜く。
それを素早く交わしアンナ先生の足をはらう。
倒れた所に男の蹴りが入る。
2人係りで取り押さえられた。
セバスは静かに歩み寄り向かって来る相手を次々に切り倒して行く。
分が悪くなった盗賊達はアンナ先生を盾に激しく叫ぶ。
「この女の命が惜しいなら剣を捨てろ!早くしろ!」
セバスは身動きできずただ構えていた。
一方、テオ達馬車はがむしゃらに走った物だから窪みに弾かれ幌は倒れ馬は外れ走りさってしまった。
サラはテオを抱き締めて投げ出されてしまう。
ジャンも弾みで飛んで行き地面に叩きつけられて頭から血が流れている。
「ううっ、サラ?何処だ?目が見えない!」
「貴方、こっち!テオ様は無事よ!」
「分かった!」
「テオ様?お怪我は?どこも痛く無い?どうしてこんな事に?」
「大丈夫、サラが守ってくれたから。サラこそ大丈夫?」
サラの足が血に濡れている。
服は破れ肩からも血が流れ背中を強く打ったようだ。
それを見たテオは意識が跳ぶ。
「テオ様?テオ様?気をしっかりして!」
サラの悲痛な叫ぶ声に盗賊達が追い着き喜ぶ。
「へへッ!ザマァねえや!こりゃ助かるってもんだ。」
「この女も上玉だあ!見てみろ良い胸してやがる、あの尻もそそるぜぇ?へへッ。」
「ガキは邪魔だあ、うん、このガキ綺麗な顔してやがる女かぁ?」
「どっちでも良い!どうせ奴隷として売り払うんだから。」
「さあ!こっち来い!」
男はサラの髪を掴み引きずり倒す。
他の男はジャンを蹴り上げ切り掛かる。
「やめろ!何も殺さなくて良い。奴隷に売ったが幾らかにはなる、それにそいつはもう動けやしねえ。」
「しかし、良い女だ、服がはだけてでけぇおっぱいがこぼれてやがる、う~ん、尻も良い。」
サラは顔を歪めて男に掴まれた胸の痛みを堪えた。
男の手がスカートをたくしお尻からなぞると身体をよじる。
そしてサラの唇に男の汚ない舌が近付いた時だった。
男の額に穴が開き後ろに倒れる。
他の男達もサラも何が起きたのか分からない。
サラが顔を上げると驚きの光景が目に飛び込んだ。
黄金の光がテオを包み辺り一面照らされている。
眩い光の中でテオの髪が逆立ちはためいて
右の瞳は金色、左の瞳は碧眼に耀きゆっくりと近付いて来る。
「俺のサラに何してる?」
そう言うと手を伸ばす。
男は吹き飛びバラバラに散らばった。
サラを弄んでいた男は顔をひきつらせ走り出す。
「化け者だぁ!ヒャァ!」
「お前は許さない。サラを苦しめた。」
伸ばした手を上にかざすと、男はジタバタしながら空高く舞い揚がり飛び散った。
跡形も無く。
するとテオがスッと消える。
アンナ先生の胸を掴み髪を握り締めていた男の横に黄金色に耀くテオが立っている。
男は吹き飛び掴んでいた腕だけが残っている。
その腕の指を祓い
アンナ先生を抱き揚げゆっくりと
セバスの所へと行き
振り向くと空から稲妻が落ちて来てドーンと言う轟音と地響きが鳴り響いた。
盗賊達の所には大きなクレーターができて
誰も居なかった。
テオの姿が元に戻り力なくぐったりと倒れこむ。
セバスとアンナ先生は固まって動けなかった。
暫くすると街から衛兵の一団が遣って来た。
訳を話し屋敷へとみんなを送ってもらう。
衛兵達に領都の辺境伯邸へと連絡を頼んだ。
屋敷は大騒ぎになってタニアは泣き崩れた。
盗賊達のアジトは衛兵団によって捜索され、残党も捕まり数人の捕らわれた人達が居解放された。
数日が過ぎ落ち着きを取り戻した屋敷の中は静かに時間が流れていた。
テオは自分に起きた事を聞いて何も憶えていない。
サラが言った事を思い出しふと手をかざすと何か透明の板が現れる。
何々?
ステータスボード
名前 テオドール・フォン・ローレンス
年齢 7歳
種族 人族
職業 ?
称号 辺境伯三男 神々に愛されし者
転生者
レベル 9999
HP❨生命力❩ 1000000
魔力 ∞
能力 SSS+
器用 SSS+
幸運 SSS+
魔法
全属性魔法 MAX
創造魔法 MAX
時空間魔法 MAX
生活魔法 MAX
聖魔法 MAX
精霊魔法 MAX
スキル
魔力感知 MAX
洞察 MAX
隠匿 MAX
索敵 MAX
武術 MAX
体術 MAX
物理耐性 MAX
魔法耐性 MAX
身体強化 MAX
威圧 MAX
魅了 MAX
etc┅
固有スキル
鑑定 MAX(大賢者)
状態異常 MAX
錬金術 MAX
魔法操作 MAX
召喚術 MAX
生殺与奪 MAX
絶倫 MAX
魅力 MAX
ギフト
創造神の加護 (寵愛)
全智全能の女神の加護 (寵愛)
精霊王の加護 (寵愛)
アイテムBOX
なんじゃこりやぁぁぁ!
これって?俺のステータス?
俺のなの?
う~んっ!
そうか!創造神の爺ちゃんだ!
また やってくれたな!
もう、人間レベルじゃ無いよ?
全智全能女神の加護?
精霊王の加護?
女神の加護ってのは分かるがぁ
精霊王の加護ってどうして?
シルフィだっけ?あの子がなんかしたのかな?
う~ん、やっぱ創造神の爺ちゃんかな?
女神をぶん殴るって言ったから手を打ったんだ
神様ってちょい人間臭いんだな?
はあぁぁぁぁ
これ どうすんのぉ!!