フォレストダンジョン
「何してるの?」
「ゴーレムを作ってるんだ、サラも一緒にどう?」
「面白そうね、どうやるの?」
「土魔法で形どってこのゴブリンの魔石を胸辺りに埋め込む、そして魔力を流し込む、その時にイメージするんだ、これは屋敷とかの管理をして貰うから執事とか侍女とかをイメージして思いを込める。」
フワンと白く光り カチャカチャ
ぎこちなく動く
「できた、お前は?そうだな屋敷の管理を頼むよ。」
ペコリと頭を下げ家の中へ入って行った。
「なんだかかわいいわね、私にも出来そうよ、でも手助けはしてね?」
「わかった、やってみて。」
見よう見まねで土を型どる、やはり┅女形かぁ?
魔石を埋めて念じる。
「どう?動くかな?」
ピョコッと動いた。
スカートらしき裾を持ち頭を下げる。
「かわいい!侍女さんよ、よろしくね!」
「まだ沢山作るから名前は番号にしようよ?」
「そんなに?まぁ良いわ番号だと2号?」
「号かぁ┅番が良くない?」
「2番?イヤイヤ号が良いよ。」
「そっかぁ、まぁロボットだから2号がしっくりかな?」
「だって10番とかよりは10号の方が格好つくわよ。」
「おっと、そうだね、こう言うのはサラが上手いよね。」
「サッ、沢山作るんでしょ?何体くらい?」
「今日は20体くらいで4体はデカイのを作るよ。」
「ねぇ?どうしてドリィは人化できないの?」
「多分だけど俺とサラの違いかな。」
「違い?ヒロの方が優れてるけど┅」
「イヤイヤ、魔力も能力も同じ様な物だよ、違いは魔素の量だよ。」
「ヒロは魔素を造り出せるんでしょ?だから魔素量が膨大になってるって精霊樹が言ってた。」
「魔素がドリィには足りて無いんだ、人化には魔力と魔素がかなり必要だから。」
「ドリィも人化して欲しいけどな┅」
「それは後で考えようよ?ドリィにも確かめなくちゃいけないから。」
「そうね!慌てる事無いよね!今はもっと必要な事があるもん。」
「そうさ、今はゴーレム達の事を考えよう。」
テキパキと作り出すとグリフォン達が不思議そうに見てる。
50cmくらいの土人形が出来上がると整列して指示を待つ。
「思ったより早く出来たね?サラのはみんな女形かぁ、メイド隊だな。」
「家の中の仕事と家周りの仕事は女の子の方が良いと思ったから。」
「サラが作ったのは、さっきのを入れて8体かぁ、俺のは主に井戸とか水車とか力仕事かな。」
「じゃあ指示を出すわね、貴女達は家の掃除や洗濯よ?貴女はメイド長でお茶を出したり食事の補佐ね。」
2号がメイド長で1号が執事、各々は指示に従い働き出す。
ヒロはグリフォン達がいた台地へ来ると岩を召喚してゴーレム制作。
3mの身長で逞しい身体つきだ。
魔石はオークジェネラルを与える。
取り替え候補はトロールの魔石を考えている。
このゴーレムは門番と守衛だからだ。
4体のゴーレムに指示を出す。
「お前達はこの地域を守るんだ!魔物は絶対入れるな!これは楯と剣だ鎧は後から着ける、時間が有れば訓練しなさい!」
楯と剣を掴み構えたり打ち合ったりして感じを確かめている、どちらもミスリルとオリハルコンを練り込んだ特製品だ。
それから2m程のゴーレムを6体作り今度は桑とショベルを与える。(これも特製品)
「お前達は農作業部隊!あの屋敷の黒い残骸がある一帯を耕してくれ。頼んだぞ!」
6体のゴーレムはガシャガシャと歩き言われた場所を桑で耕し始める。
召喚した台地の壁には切り取った岩の跡がありそこを更に掘り混む。
洞窟よりはデカイ空間ができた。
グリフォン達の寝蔵候補地だ。
まだ物騒だから住むには早いが後々はここに住んで貰う。
丁度お昼になり昼食も揃ったみたいだ。
屋敷へ戻るとシロが暇そうにしてる。
「シロはやる事がないのかい?」
『何から手を着けるか迷ってるんだ。』
「じゃあさ?悪いけど後からこの地帯の入口を決めて欲しいんだ、そこに城壁を造るからさ?」
『入口かぁ?それならば、ちと遠くなるがあの坂の向こうが良いだろう、ゼアとドリィで行ってみる。』
「決まったらゴーレムを連れて行って!門番みたいにしたいから。」
『しかし、門はないぞ?』
「後で俺が門と城壁は造るから、位置の慣れと確認は大事だよ。」
『わかった、ついでに魔物も退治してくる。』
「ああ、魔石だけで良いからね!亡骸はまとめて置いといて、離れた所に積んで置けば集まって来るから探す手間も省ける。」
『ハハッ、そうだな、ゼアとドリィも訓練になるな?食べたら向かおう。』
嬉しそうに食事を済ませるとゼアとドリィを連れて駆けて行く、俺はと工房を建て鍛冶釜を造り鍛冶場を造り炉に火を入れた。
これから鍋やフライパンとか家具に必要な金具を作らないと行けないし、剣や楯と鎧も自前しなくてはいけない。
鍛冶工房と細工場が出来たら今度は薬師小屋だ。
ポーションや薬に研究所みたいな場所が必要だから┅
慣れたもので直ぐに出来た。
サラはリビングで裁縫をしてる、なんだか忙しく編んでる。
ゴーレムやリィネとゼアに服や下着を作ってるみたいだ。
今は自分達で作るしか無い。
落ち着いて町へ行ける様になれば買えば良いだけの事なんだが┅
でもサラは嬉しそうに編み物を楽しんでる。
楽しむ!それが一番なんだとつくづく思った。
農作業ゴーレムはキッチリと広い野原を耕してゆく。
小さなゴーレムが何やら指示をだし区画割りと野菜とかの畑には畝も立ててる。
今は麦畑が優先だから広い耕作農地が必要だけど、米も欲しいな?
農地はゴーレム達に任せ、船着き場だった所へ行くと壊れた木材を片付け新たに岩と石で造り直した。
湖を見ると確かにここから10m程の所に島がある。
意外と近くなんだな?
惹かれる様にフワフワと飛び島へ降り立つ。
200m四方の小さな島で平坦な場所が広く、なだらかな丘になっている。
木立が並び小さな花も咲いていて、ここに別荘みたいな家を建てても良いかな?と思っていたら島の丘の中腹に洞窟みたいに穴があった。
中を索敵とサーチをするとマップに下へと伸びている。
まるで人が造った洞窟みたいで階段があり壁には明かりが等間隔に配してあるじゃないか?
カッカッと降りてゆくと最初に出会ったのがコボルト達だ。
面倒くさいからサクッと風魔法で切り倒すと霧になって消えて行く。
広い場所に来ると今度はウルフの群れだ。
ぱっぱっと片付けるとやはり霧になって消えて行くそして消えた後にウルフの毛皮と内臓?が入った袋┅又階段?
これって?ダンジョン?
先には又広い場所?
今度はオーク達、魔物を倒しても亡骸は消える。
じゃあドロップ品がぁ?
あった!なんだよ!ダンジョンじゃ無いか!
ここは3回層か?
それでは急ぐかな?とドロップ品の肉の塊(ちゃんと包装してある)を収納してドンドン降りてゆく。
4階層はオークジェネラル5階層はゴブリンとオーク6階層はブレードウルフ7階層は猪レッドボア8階層は熊ブルーベア9階層はホワイトスネークそして10階層はオークキングその後も階層が続き面倒なので飛んでゆく。
10階層の先は各階に森や草原の階層になっていて美味しそうな果物や珍しい薬草も見えた。
ここは俺達だけのダンジョンにして訓練とか調達とか使い勝手の良いダンジョンになるかな?と知らずににやけていた、宝箱とかも┅
20階層から25階層は簡単に言えば肉ダンジョン、美味しそうな肉になる魔物が階層ごとに待ち構えている。
食料ダンジョンだな┅食い物には困らない┅
25階層から面倒な虫や爬虫類の階層になってる。
ハチの蜜は取れそうだけど?
まぁ大丈夫だろう、アリは面倒だな┅後はクモやコウモリにムカデ、どれもデカイ!
30階層から自然豊かな階層で最初に鉱物の階層だった。
35階層まで鉱物や宝石の階層になっていて36階層からは渓流が綺麗な渓谷、次に森、次に砂漠、そして海、その後が雪山と色々有った。
ちょっと難しそうな階層だが海の魚!海産物が取れる。森は10階層のと違いジャングルになってる、恐竜みたいな巨大な魔物ばかり、雪山は凍える程寒い、砂漠も広いしとにかく暑い、渓流や渓谷も奥が深い┅さすがに下の階層だな?攻略が難しくなってる。
40階層からは空気がガラリと変わりダンジョンお決まりのゾンビやらスケルトン等の化け物階層が続く。
ドロップ品はなんだろう?
試しに1体壊してみた、何とアクセサリーだった┅昔の王族が持っていたのかと思える品だ、だが?スケルトンが多すぎる!騎馬もいるし?延々と10階もあるぞ?
50階が最終階だった。
やはりそこにはスケルトンの巨人?3mの身体で鎧に兜、楯に剣を持ったスケルトンが5体。
軍隊みたいに統率が取れてる。
ダンジョンの守護者か?
〈お前は先の戦いで生き残ったものか?〉
念話で話してきた!
「先の戦い?何言ってる戦いなんてないぞ。」
〈儂らは魔国と戦いしラウル国騎士団だ!〉
「ラウル国?それって前の国だよな?」
〈何を寝ぼけておる!誉れ高きラウル国はルイス帝国に打ち勝ち今正に魔国へと戦いを挑んでおるのだぞ!〉
「ハイハイ、それは大昔の事、今はルーデンス王国となって帝国もユーズト帝国!魔国とは戦も終わってから300年近くも経つよ!」
〈儂等を謀るつもりか?ええい皆の者!成敗いたせ!〉
「まったく、年寄りは頑固者が多いからな。」
攻めて来る騎士団のスケルトン達を剣で払い切り混む、さすがに騎士団だ上手く捌かれる。
切っても骨ばかりで鎧も邪魔だ、それなら仕方ないと魔法戦に変える。
まずは風魔法【ウィンドカッター】次に【ファイアーボール】【ウォーターボール】【ストーンパレット】最後に【サンダースパーク】と休みなく打ち込むとバラバラに骨は散らばり骸骨から恨み声がする。
〈なんと!すざましい魔法!それに我らを凌駕する魔力?その魔素はなんだ!〉
「なんだと言われても?」
〈儂等では敵わぬ┅しかしこの積年の想いは叶わぬのか┅〉
「なんだよ?その想いって。」
〈恥ずかしながら魔国へ向かう途中この地で魔物に負けこの祠へと逃げ込んだ、体制を整える算段だったが部下達は次々と倒れ亡くなって行った、残った者もこれだけだ、誰も来なく取り残されたと解ってから儂等も息絶えた、しかし想いはまだ残っておる┅〉
「じゃあさぁ?俺達はこれから魔人と戦うんだけど貴方達も一緒に戦う?」
〈なんと!良いのか?まだ戦えるのか?〉
「俺はヒロ・タチバナこのフォレスト領の領主だ。」
〈〈〈〈〈領主様!〉〉〉〉〉
〈これは大変失礼致しました、ご無礼をお詫び致します、私はラウル国騎士団長サミュエル・ドルムンド〉
〈私は副団長カーギル・ハモンド〉
〈私は分隊長クロード・バーミリア、そして配下のビルとマーチです〉
「バラバラにして悪いけど俺は召喚術が使える、貴方達を召喚して配下にすれば積年の想いとか叶うかもね?」
〈話しを聞く所、時代が過ぎて世の中変わってしまったのですな?ならば新たに主君を得られるならば是非とも貴方様の従者として仕えとうございます、何卒!〉
〈〈〈〈〈何卒!お願い致します!〉〉〉〉〉
「わかった、じゃあ始めるよ!文句は無しだからね?」
手を上に仰ぎイメージする、部下としての騎士団の姿、フォレスト領の騎士団だぁー!
辺り一面が光りに包まれ眩しいくらいに照らされる。
光りの中から5体のスケルトンが現れる。
前と違い屈強な身体つきで逞しい骨は黒光りして並んだ姿は勇ましい。
魔石をアイテムBOXから取り出し1つずつ胸に埋め込んでゆくと赤い魔石が金色に変わり身体の中へ溶け込む。
骨から肉体らしき皮になりスケルトンではなくなった。
名前を呼び上げると又輝き魔素と魔力を取られた。
〈なんと素晴らしい!言葉も話せる、この身体の軽さ、晴れ渡る心┅主のおかげです、我らあなた様の下僕!我らの忠義をお受け下さい!〉
「わかったから、余り大層にしないでよ。」
〈はは!かしこまりました、ならば折角ですので主の力で我が部下も召喚してくだされば騎士団を再生出来ます。〉
「そうだね、ここまでやったんだ、騎士団を作ろう!って?その部下は?」
〈この祠に散らばっております、主が召喚するだけで後は我らが面倒見ますので〉
「わかった、お前にはオークキングの魔石を与えた、部下達には悪いけどゴブリンの魔石しか持ち合わせて無いから。」
〈勿体ない事です、有り難く使わせて頂きます〉
アイテムBOXにあったゴブリンの魔石を全て出した。
何千個も有りサミュエルがビックリしてた。
後は任せようと召喚を試みる、又両手を仰ぎ目を閉じこれ迄に会って来たスケルトン達を思い出しながら念じる。
手応えはあったが姿は現さなかった。
俺は帰るからと告げて飛んでダンジョンを出た。
すっかり夕方になっていてシロとゼア達も戻っている。
門番ゴーレムも戻っていて面白い光景だ。
畑のゴーレムは休む事なく耕している。
多分ずっと夜通し耕すだろう。
門番ゴーレムにはグリフォン達を守って貰おう、でも壊されるのは嫌だから結界の中にしまうか?考えてるとサラが呼んでる。
なんか良いなぁ┅仕事を終えてカミさんに笑顔で迎えられるって┅
夕食時に今日の出来事を各々が話し報告すると少しこの地域がわかった。
シロがかなりの調査をしてきた。
サラはゴーレム達に個性が出てきたと驚きの報告をした。
俺はダンジョンの話をしたのだが皆から羨ましがられ、サラもシロも行きたかったと責める。
いつでも行けるからとなだめ、明日は島へ橋みたいなのを架けるからと納得して貰った。
それとトロール退治に行くからね?と告げると何でか?みんな喜んだ。
刺激が欲しいの?
じゃあ今晩はじっくりと久しぶりにサラを刺激しましょう!
もう今から下のジュニアは期待しているぞ!
サラも何だか気づいたみたいで頬を紅く染め腰の辺りがモジモジしてる。
やっぱり営みは疎かにしてはいけない。
後一年で子供も作れる。
家族が増えて行くんだな┅
早く領地を整えないと┅
その夜サラの歓喜の呻きが屋敷を包んだ。




