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黄昏おじさん異世界飛ばされ楽園創る  作者: 姫野りぉ
第二章 新天地
45/84

アンナ達其の4


ふうん~っ

気だるい様子で乱れた髪をワシャワシャと掻き乱しボ~ッと窓の陽射しを眺める。


「おはようございます。」


元気な笑顔でマリアが窓を開け爽やかな風が部屋を洗う。


「良く眠れた?」

「寝すぎたかも┅身体がダルいわ。」

「馬車の中ばかりだと知らない内に疲れがたまってるかも?」

「そうね┅もっと休憩を増やしたが良いかもね。」

「あんなに静かな馬車だけどやっぱりずっと部屋の中ばかりだとね。」

「この子らもストレスが溜まってるのかも。」


ウルティマとマーサがはだけた寝間着でおかしな格好で寝ているのを見て笑った。

アンナは顔を洗い髪を解かしマリアと宿の下へと向かった。

貴女達!朝食終わってしまうわよ!

と声を掛け階段を降りるとバタバタと音が響き何やら騒いでいる。

食堂へ入るとセバスとギルバートはもう朝食を済ませお茶を飲んでいた。


「「おはようございます」」

「「おはよう」」

「早いですね?」

「良く眠れたかの?」

「お陰さまで、やはり疲れが有ったみたいで、これからは休憩を増やそうと思っています。」

「一っ所にずっとじゃからな?身体も固まる。」

「アンナさん?こんな所で良いですか?」


マリアが食事を運んでくれた。

バイキング形式みたいだ。


「ありがとう、美味しそうね。」

「好きな物を選べるの良いですね。」

「この玉子が旨かったな。」

「儂はこの肉が美味しかったぞ。」

「さて?もうすぐオルレアだが、一気に行きますかな?」

「そうね┅速いに超した事は無いわね、両親に逢うのは照れ臭いけど。」

「子爵も待ち遠しいじゃろう?」

「それはどうかな?飛び出した身だし┅」

「娘が何年かぶりに帰ってくるのだから嬉しいに決まっている。」

「アンナさんのご両親ってどんな方達でしょ?」

「まぁ普通の親だよ、うちは兄貴がしっかりしてるから姉さんや私はどうでも良くて、結構放任されてるのが良かったのかな?」

「オルレア子爵は聡明で賢い人だ、早々と王都を抜け出し貴族のしがらみを断ってる慕う貴族も多いのだが。」

「親父様は自由人に憧れてる人だから┅爺さまの偉大さには追い付いてはいない。」

「先代は確かに偉大じゃったな、ダンジョンを見つけた事よりオルレア領をまとめて荒地を開拓してあの町を築いた、魔物を魔の森まで追いやって来れないようにした手腕は見事じゃ。」

「お爺様の功績で子爵位を授かりダンジョンを整備してあの地域は潤ったわ、親父様はあの町が好きで王都は嫌いだから┅」

「私は若い頃のオルレア卿は知っているが今のオルレア卿は変わられたのかな?」

「私は若い頃の親父様は知らないけど今はおとなしい人って感じかな?」

「でも領主として治めてるのよね?ただのおとなしい人では無いと思うわ。」

「そうじゃよ、町を治めるとは大変な気苦労があるのじゃ、アンナ殿が知らぬ子爵がおるのじゃ。」

「┅」


バタバタバタァ


「もうおしまい?朝食終わってしまったの?」

「まだ大丈夫よ、早く食べなさい。」

「マーサ寝坊助バカ」

「ウルティマだって遅くまでふざけてたでしょ!」

「知らないあっ、これ好き」

「ウルティマちゃん?ここは好きなの選べるから自分で盛り付けて。」

「えっ!ホント、じゃあこれとこれとこれ┅」


テンコ盛りのマーサとは違いウルティマは2つのお盆に好きな食べ物を盛っていた。


「貴女達朝からそんなに食べれるの?」

「大丈夫!お代わりもします。」

「マーサ欲張り」

「フンだ、食べないとおっぱいおっきくならないわよ!」

「おっぱいある」

「チッパイじゃない?ウルティマはまだお子ちゃまなんだから。」

「ちがうマーサおっぱい垂れ乳おばさん乳」

「なによ!おばさん乳って?ほら見て見なさい貴女よりおっきくて綺麗でしょ!」

「マーサアンナより小さいバカみたい」

「グヌッウ、この口が言うか!この口が?」

「お止めなさい!おふざけも程程ににね!」

「2人ともアンナさん怒る前に食べちゃいなさい。」

「2人とも姉妹みたいじゃな?仲が良くてハハッ」

「ホントにこの子がエンシャントドラゴンだなんて?」

「何?それは本当かな?」

「ええ、本当ですよ。」

「何でもグリーンドラゴンだったのが進化してそうなったと。」

「ちがう!グリーンドラゴンではない。」

「えっ、そうなの?」

「私は龍人族トカゲではない」

「トカゲ?」

「その辺のドラゴンは人間が勝っ手にドラゴンと言ってるあれはトカゲ」

「そうなの?」

「龍人族は産まれた時竜の姿100年過ぎると人化して郷に住む古竜は300年過ぎた龍人族」

「そうだったのか、じゃがなぜグリーンドラゴンと?」

「若いうちは色が定まらない私はグリーンだが他の色の龍人もいる100年すると深い色になり200年過ぎると黒くなっていく300年で漆黒になる」

「へぇー、確かに昔、古竜の鱗がオークションにでて王宮博物館が凄い金額で落としたって、今は飾ってあるわ。」

「ウルティマの鱗も?」

「簡単には人間に渡さないテオには剣を創るからと渡したこれがその剣」


ウルティマはアイテムBOXから剣を出して鞘から抜いた。


「この剣は私が人化した時に使うようにとテオがくれた小刀もだがこの剣は危険一振で吹き飛ぶ」

「どれ?」


ギルバートが手に持つと冷や汗が出てる、セバスも同じく冷や汗を浮かべ驚いている。


「これをテオ坊が┅」

「なによ?どう凄いの?」

「これは国宝級の剣じゃ、勇者とかが使える剣、生半可な者では扱えないじゃろう。」

「確かに古竜の鱗やコカトリスの羽、ユニコーンの角とかミノタウロスの角は国宝級の物が造れるって聞いたわ、私もテオちゃんのエリクサを真似てコカトリスの羽で造った事があるから判るわ。」

「テオちゃんはその辺の薬草とかでエリクサを造っちゃうから。」

「私達も同じ材料で造るけどできないわ。」

「坊の技術が凄いのかの?」

「技術もだけど必ず試すの、剣や薬とかね、エリクサもオズウェルの森で魔物を倒して色々と試したって。」

「この剣も試した湖が割れた」

「割れた?って、凄く切れるって事?」

「私のブレスと同じ降ると剣撃が飛ぶこの宿軽く吹き飛ぶ」

「物騒ね?」

「だから小刀テオ言ってた町とかは小刀で守れと」

「この小刀も同じよね?」

「フ~ン、なんだか良いな!テオからプレゼントとか、マーサちゃんやアンナさんは何か貰った事あります?」

「「ないわね┅ないわよ」」

「後はサラね?サラは貰ってるわよね。」

「私達も貰えるかしら?」

「さてと、それでは私らはリチャードの所へ行きますかな?」

「私達も精算済んだら行きます。」


食堂を出て部屋に戻り身支度を済ませ表に出ると馬車が待っていた。

後少しでオルレアの町へ着く。

ローレンスを出て4ヶ月も経ってしまった。

オルレアからフォレストの家迄は2ヶ月は掛かる、3ヶ月出遅れたのが痛い。ゴーレム馬車で驚異的な速さで来ても差は縮まらなかった。

ウルティマと飛行魔法で来てたらもっと速く着いただろう。

だけど馬車の旅も良かったと思うアンナだった。



ーーーーー ーーーーー ーーーーー


『告 アンナ達がまもなくオルレアへと到着します』


やっと来たか┅


『告 オルレアへと魔物の群れが押し寄せています アンナ達が順調に進むと遭遇しますが?』


魔物の群れ?どれくらい?


『解 ざっと2000体かと 魔物を指揮してるのは魔人と吸血鬼2体です』


魔人かぁ┅アンナ達で片付けられる?


『解 充分すぎる戦力だと判断します 魔人や吸血鬼も問題ないかと』


じゃあアンナに頼もう、魔人と吸血鬼は必ず殲滅して欲しい、魔物もオルレアの町に被害がでないようにと


『了 補助致します』




ーーーーー ーーーーー ーーーーー


オルレアの町が見えて来た。

町へと向かう街道沿いに高い城壁が続く。


「凄い壁ね?ずっと先まであるわ。」

「昔は魔物が町を襲ったから守る為に高くなって町をスッポリ囲ったのよ。」

「先代は賢い人だったからのぉ、守って攻めるを実践したんじゃろう。」

「領民を守るのは何が大事か?攻めるのは容易いが破れたら壊滅してしまう、強固な守りあっての攻めだな。」

「そんなに襲われてたの?」

「ダンジョンが関係してるらしいわ、魔素と魔力の捻れ?そんなのが影響するんだって、ほら!あの山、鉱石の山も捻れがどうとかって言ってたでしょ?」

「今頃はダンジョンが産まれてるかな?」


『告 オルレアへ魔物の群れが押し寄せています このまま進むと合流します』


「「「「えーっ!」」」」

「どうした?」

「今フィルから連絡があってオルレアへ魔物が押し寄せてるって。」

「いかほどかな?」


『解 2000体程 指揮してるのは魔人と吸血鬼2体』


「魔物が2000と指揮は魔人だって、吸血鬼も2匹。」

「2000┅オルレアからは騎士団や冒険者達が出るじゃろうが?」

「果たして返り討ちは出きるのか?難しいだろう、長期戦になるかな?」


『告 主様よりアンナ達に命令 魔物を討伐せよ 魔人と吸血鬼は必ず殲滅する事 町へ被害がおきないようにと』


「テオちゃんからの命令ね、フフッ言われなくてもやるけど。」

「アンナさん?どう攻めます?」

「そうね、数があるから魔法は極大魔法ね、マリアは攻撃魔法できたっけ?」

「水魔法ならテオから教わりました、後火魔法を勉強中ですね。」

「じゃあ、マリアは後衛からジャンジャン魔法で攻めて、ウルティマは任せたわ、マーサは弓と風魔法かしら?」

「まっかせてぇ!弓で雑魚を蹴散らして大物は風魔法でスパッとやりますよー!」

「OK、行くわよ!セバスさんとギルバートさんは道ゆく人達を町の中へ誘導して!私達で片付けて来るから。」


4人は馬車から飛び立ち群れへと向かう。

ウルティマがドラゴンに姿を変え魔物目掛けてブレスを放つとマリアが【ウォータートルネード】極大を次々に放つ。

いくつも竜巻が群れへと襲い魔物が巻き上げられマーサの弓が先ゆく魔物をバタバタと倒してゆく。

アンナはオークジェネラルを狙い素早い飛行で首を跳ねてゆく。

マーサの【ウィンドスラッガー】極大が多くの魔物を盛大に切ってゆく。


[どうした事だ!あんな人間なぞ見た事がない、それにドラゴン?なぜ人間と?]


2000もの魔物がどんどん倒されてジェネラルやキングまでも簡単に負けてしまっている、ゴブリンの中には森ヘと逃げ出す物も出始めた。

魔人が撤退を決め吸血鬼達を見ると既に遅かった。

ウルティマが1匹の吸血鬼を頭からグワシッと掴み砕いてしまった。

もう一方はマーサの火をまとった矢が何本も刺さり燃えている。

その吸血鬼もウルティマが鷲掴みして潰した。

目の前には5mはある女が拳を打ち込んで来る。


[どうして┅こうなった┅我らの野望がぁ┅]


踏みつけられ胸は潰れた、魔人を掴みウルティマへ投げると足で掴み潰してしまう。

死骸にブレスをかけ跡形もなく消えてしまった。


「後は残ったゴブリンとかオークね?他に強い魔物はいなくて?」

「センセ!あれは?」


出てきたのはアウルベア巨大熊が2頭とダイアウルフ大型狼5頭。


アンナは元の大きさに戻り剣を構える、ウルティマも人化してあの剣を抜くと2人は身体から銀色の光をまとい、アウルベアヘ各々切り掛かる、【身体強化】極みを発動したのだ。

マーサは火の矢でダイアウルフを迎え打つ。

マリアの【ファイアーボール】がダイアウルフを襲うと火に包まれたダイアウルフはみるみると燃えそこに矢が何本も刺さる。

アンナは少し梃子づっていた。

さすがにデカイ。

剣が跳ね返される、硬い毛に阻まれ弾かれると今度は目を目掛けて突き刺した。

グワーッ!

大きな唸り声をあげやたらとデカイ手を振り回す。


「アンナ!首!」


ウルティマがアドバイスを告げると透かさず飛び上がりスバーン!

首から上が飛んでいく。

ウルティマは軽く剣を降ると剣撃が飛んでアウルベアを切り刻んでゆく。

構えてスッと刃をアウルベアに当てるとシューッ、すうっと図体がずれて真っ2つになる。

ダイアウルフが高く飛び上がりマリアを襲う、間に合わない!

ウルティマが剣をシャッと降ると飛び上がったダイアウルフの頭がストンと落ちた。


「ウルティマちゃん!ありがとう!」


マーサは最後の1頭目掛けて【ウィンドカッター】を数発連続で放つとスパパーン!切り刻まれ跡もなく肉片となった。


「大方片付いたわね、ウルティマ?ブレスで死骸と残りを焼き払ってちょうだい。」

「わかった」

「私も訓練込みで焼くの手伝うわ、助けてくれたもんね?」

「わたしはこいつらの魔石を集めます!」

「お願い、でも雑魚のは要らないわよ?数があっても困るから。」

「ハイ!ジェネラルやベアとかですね!」

胸を切り開き魔石を取り出すとアイテムBOXへとチャチャとしまい次々と採取して行く。

アウルボアの魔石はかなりデカイ。

ダイアウルフの魔石はオークキングと同じ位の大きさ、ホクホクとした顔で回収してゆく。



「なぁ?セバスよあれをどう見る?」

「ハハッ、どうにも┅たった4人?いや3人と1匹かな、簡単に片付けてしまったな。」

「ドラゴン娘は判るが他の娘ッ子達の力は凄いのぉ。」

「あれでもほんの一部なんだろう、魔人をいとも簡単に負かした、アンナの剣裁きは元々上手かったが剣がついてこれなかったな、ウルティマちゃんの剣は魔剣より強いみたいだな。」

「あの剣は素晴らしい、アンナ殿も坊に言って造ってもらわないとな。」

「そうだな、どれ?我らも一仕事するかな?」



セバスとギルバートは門にいる騎士団員に魔物を焼き払って穴へ埋める事を進言して冒険者達へはゴブリンやオークなどの魔石を取れば幾らかのお金になるぞ!と声をかけ魔物の片付けを手伝わせた。

マーサが魔石回収を終えウルティマも見渡す限り焼き払って戻って来た。


「お前さん達は飛行魔法が使えたのか、儂等は居ない方が速く来れたのじゃな?」

「ギルバートさんそれは違うわ、ゴーレム馬車で来るようにとテオちゃんが指示したのよ、この討伐もテオちゃんの命令!魔人と吸血鬼は必ず倒す様にってね。」

「テオ坊の命令?」

「フィルが告げたの命令だってね。」

「坊は全部判ってるのかな?」

「フィルが教えたのかな?」

「フィルちゃんって神様なんだって。」

「確か女神様の助手?だったって言ってたわね。」

「フムッ┅儂等も繋がってみたいものじゃ。」

「それはそうなると思うわよ、だってテオちゃんのお手伝いに来たのでしょ?それは配下、もしくは仲間って事だもの。」

「仲間か┅そうなれると幸せなんだが。」

「坊が認めてくれるかの?追い返されたりはしないかのぉ?」

「ハハッ、そんな事は無いわよ!テオちゃんはあなた達をお祖父ちゃんって思ってるんだから。」

「アンナさまー!」


執事のマグウェルが城門から呼ぶ声に振り向くと大勢の人々が手を振り歓声をあげて歓迎している。

馬に乗ったマグウェルは道を開けゴーレム馬車に乗り込んだアンナ達を先導して町の中へ凱旋してゆく。

町中の大歓声と感謝の声援に送られ子爵邸へ向かった。

一躍町の英雄になった一行は照れ臭く手を振り子爵邸の屋敷へと入ってゆく。

アンナはヒロが命令した意図を考えていた。

魔人と吸血鬼は必ず倒す事とは?

何かしら不安な気持ちが込み上げていた。




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