神智核〖マナス〗 フィル
山を越え草原が広がる平地へと降りて来た。
遥か向こうに町らしき物が見える、あれがハーベルンの町らしい。
町ではギルドへ寄って素材を片付けようと話しアイテムBOXと空間収納の中身を確認した。
ダイアウルフが3頭、オークが5匹、猿のアユティーが8匹、フォレスウルフ、6匹にブレードウルフが4匹、後は食料のイーヴィルボアとホーンラビット、ラビオット。
薬草はかなり有るが必要なのはとっておこう、鉱石は商業ギルドかな?
魔物が出たら狩っておくかと話して草原を見た。
向こうで何やら騒いでる。
あれは?
ワイバーンとグリフォンが争ってるみたいだ。
サラがグリフォンを助けましょ!とシロに行くように促す。
シロは直ぐに向きを変え走る。
グリフォンが劣勢で足がちぎれそうだ。
ワイバーンは容赦無く攻め立てる。
サラが飛び降り【ウィンドウスラッガー】
を放つ、ワイバーンの羽根が吹き飛ぶ、すかさず【ウォーターカッター】で首を狙うとスパーン!と跳ねた。
ストンと首が落ち図体もろとも地面に落ちた。
グリフォンも力尽きたのかグラッと身体をよじりフラフラと落下して来た。
サラが駆け寄り心配そうにこちらを見る。
「どうだい?まだ息は有る?」
「まだ大丈夫よ!でもかなりやられてる。」
「ヒールをかけてみて。」
【ヒール】!駄目ね?【エルダーヒール】
光に包まれ傷が消えて行く。
ゴフッと血の固まりを吐き、息が落ち着くと足の千切れた所に【エクストラヒール】をかける。
金色の灯りがジワッと足を繋げる。
「どうやら治ったみたいだね?」
「出来たわ、初めてだったけどイメージ通りに治った。」
「サラ?良かったらこのグリフォンを召喚してみたら?もしかしたら話せるかも。」
「ホント!やって見る、どうやるの?」
「念じるんだ、召喚って、思いを仲良くしようとか友達になろうとか。」
「判ったわ、やって見る。」
【召喚】手をかざし念じている。
すると魔法陣がグリフォンに敷かれサラと見つめ合う。
「お友達になって。」
頭をコクリとサラの前に出して項垂れる。
手を乗せ名前を告げる。
「あなたの名前は?┅ドリィ!」
グリフォンの身体が白く光る。
身体が膨らみ倍の大きさになり羽ばたく。
❨ドリィの名前ありがとう!貴女の名前は?❩
「サラよ、宜しくね。」
❨助けてくれて感謝します、お友達で良いの?主様?❩
「堅くるしいの嫌なの、初めて呼んだ相手はお友達が良いの。」
❨では?サラと呼んでも?❩
「そうして、だけどね?この人は私の旦那様だからヒロ様って呼んで。」
❨判ります、凄いオーラをお持ちで、サラのご主人なのですね?❩
「こっちがシロ、私達の家族よ、仲良くしてね。」
『告 グリフォン ドリィが眷属として
繋がりました 会話ができます』
「わっ!なに?なによ?」
「サラ!ウリちゃんの声が聴こえるの?」
『告 主様からフィルの名を授かりウリエルから神智核へと覚醒 眷属へと連なる者達への魂の繋がりが可能となり 意識の疎通を致しました』
「フィルって?」
「ヒロ!凄いわね?私も話せる、いつの間に名前あげたの?」
「いやぁ┅呟いた程度なんだけど?」
「でも良かったじゃ無い、マナスって?」
『解 神智核は 魂の核と人格 よって私は意思と人格と知能、知識を持った生命体へと覚醒し神と人、両方の存在となりました』
「なんか?偉いことじゃ無いかしら?」
『うむ、確かにヒロのそばに何時でも神と全能の賢者が控えてると言うことだな。』
「それで良いの?」
『「良すぎる!」』
『告 控えてると言うより一緒に居ると┅』
「なんで恥ずかしそうなんだよ!」
『ウフフっ 主様の理想の姿』
「なんだか人ぽい?」
「私にはなんか判る、フィル宜しくね!」
❨話しが理解できる?私の声は?❩
「うん、話せるよ、ドリィの声は┅女の子?」
❨私はメス?女?ですよ。❩
「じゃあドリィちゃんね!嬉しい、やっと私のお友達ができた。」
『告 グリフォンは知能が高く飛行距離も長く飛べ 元々渡り鳥の性質 人とは親しみやすい魔物です』
❨サラを乗せて飛べるよ?乗って見る?❩
「えっ、乗れるの?乗る乗る!」
『グリフォンを手懐けグリフォン部隊なる騎士団もあるからな。』
「へぇ!そうなんだ、サラ!どうだい?」
「凄く高い、大きくなったからかな?羽根がフワフワで持つ所も有るから大丈夫だよ。」
❨飛びます、どう?快適?❩
「うわわっ!飛んだ!凄い凄い!快適よ、とっても、ウフフッ」
『ヒロよ?サラはドリィと行くのが良いだろう、飛ばれては追いつくのが大変だからな。』
「シロが間に合わなかったら俺も飛行魔法で飛ぶから。」
『そうしてくれ。』
ワイバーンを収めサラとドリィを追った。
「ねぇドリィ?どうしてあんな所に居たの?」
❨あのワイバーンから追われてしまって、ホントは山の方へ向かってたの。❩
「何か用でも?」
❨そんなのはないわ、寝蔵を探してたの。❩
「なんだ、それなら良かった、これからは一緒に寝ましょ!」
❨サラ?一緒は無理よ、人間は宿とかお家で寝るんでしょ?❩
「私のご主人様はどんな家でも造れるの、ドリィと寝れる場所なんて簡単に造ってくれるわ。」
❨じゃあ楽しみね。❩
「ほら、ご主人様の側で飛んで。」
❨わかったわ❩
シロのスピードは今までと違い格段と速くなった。
ヒロ1人だとさすがに速く走れるようだ。
町までは直ぐ近くまで時間は掛からなかった。
ハーベルンの町 人口 2万人 亜人が多く済む この町も奴隷制度は無い 農業が主体の町で特産品の豆類は王都でも高く評価されている 領都からダンジョンのあるオルレアの町の中間都市として栄えてる
「ここでは宿を取ろう。」
「エーッ!ドリィと寝たかったのに。」
「一晩だけだよ、明日からは寝れるから。それに町の中までは連れて行けないだろ?」
「わかったわよ、じゃあドリィはどうする?」
❨私はサラの陣の中に居るから。❩
「そうね、それが安心ね。じゃあドリィ?陣を出すから。」
手をかざし陣を出してドリィをしまう。
シロはどうする?
「シロ?もっと小さくなれないか?」
『簡単だ。』
あっと言う間に小さな子犬になった。
かわいい!
サラがパッと抱き締め頬ずりしてる。
「シロ、カワイイ!縫いぐるみみたい!フワッフワッ、もうずーとこのままが良い!」
『シャラ?ずーとは嫌ちゃ、あたちはチンジュら!』
なんだか言葉まで赤ちゃん言葉?
しかし┅かわいい!
サラは虜になった様で放さない。
女の子には宝石と同じかも?
シロも一緒に町へ入れて一安心、ペットも一緒に泊まれる宿を探す。
どうせなら町一番の宿にするかと門番に聞いて教えて貰った宿へ向かった。
流石に町一番の宿!
ペットもOKでベッドもフカフカ、風呂も広く接客も丁寧、選んで良かった。
ギルドの場所を聞いてまずは近くの商業ギルドへ行った。
「こんにちは、ご用件は何でしょう?」
「実はこの町は初めてなのですが、良かったら大きな商会を教えてくれませんか?」
「大きな商会ですと┅オットー商会かオルレガ商会になります。」
「オルレガ商会が有るのですか?」
「ハイ、最近出来まして、有名店が来てくれてギルドとしては喜ばしい限りです。」
「オルレガ商会が有るならそこにしよう。」
「付かぬ事をお聞きしますが?商会へはどう言ったご用件で?」
「実は鉱石と宝石が手に入り売ろうかと思いまして。」
「鉱石と宝石!あのぉ、宜しければこちらで見せては貰えないでしょうか?買い取りも致しますが?」
「サラ?どうする?」
「見て貰ったら、オルレガさんのお店は宝石より鉱石が専門でしょ?」
「取り敢えず見て貰うか┅ここで良いですか?」
「どうぞ、こちらへ。」
奥の部屋へと通され応接室みたいな感じだが?なんで?覗き窓?
監視かな?
「このテーブルへお出し下さい。」
適当に安いと思う物を出した。
「これは!大きなルビーにサファイア┅金塊に銀塊、こちらも!」
「買い取り出来ますか?」
「少々お待ち下さい!」
そう告げて足早に部屋を出ると2人の恰幅の良いおじさんが一緒に入って来た。
「悪いがこの鉱石と宝石はどこで手に入れた?」
「まさか盗んで来たのでは無いだろうな?」
「山で見つけた物ですが?」
「山で!バカな事を、こんなに大きな物が山に転がっていると?」
「何か疑ってらっしゃるのですか?それに、貴方達は誰なんです?」
「私はギルド長のエバンスだ、こちらは町長のルミエス様だ。」
「そのお偉いさんが隠し部屋から覗いて俺達を盗人呼ばわりですか?」
「うぬっ、そうでは無い!ギルドとして用心の為だ!」
「しかし、おかしいでは無いか?山で見つけたとしても、これ程の物は簡単には採れないだろう?」
「偶然地面に一分が出てて掘り返したらあったんです。」
「おい!警使と警使長を呼べ!」
「町からは出られんからな!」
「やれやれ、やっぱりオルレガさんの所に行けば良かったよ。」
「そうね、わからず屋のギルドは駄目ね。」
「待て!今、オルレガさんと言ったな?」
「ええ、オルレガさんとは知り合いなんで。」
「まさかオルレガ商会から盗んで来たのか?」
「ヒロ!駄目よこのおじさん、馬鹿相手は時間の無駄よ。」
「みたいだ、ギルドと言ってもやはり人次第だな。」
「馬鹿だと!ふざけた事を!」
「じゃあお邪魔しました。」
出した物をサッと片付け部屋を出ようとしたら表が騒がしくなってる、シロを抱いたサラと隠匿の魔法で姿を消しさっさと出て行った。
「なんだ?どこへ行った!」
「消えた?」
物を売るのも大変だ。
知らない土地とはこう言う物か?
オルレガ商会へ急いで向かい飛び込んだ。
「すいません、買い取りお願い出来ますか?」
「はい、どうぞ此方へ。」
「良かった、やっぱり最初から来れば良かったね。」
「そうね、仕方ないわよ。」
「あのぉ、その縫いぐるみみたいなのは?」
『なんじゃ?あたちは人形ぢゃない、見なちゃい。』
«きゃぁー キャァー かわいい!»
店が違う意味で騒がしくなった。
シロ?恐るべし。
「この子はシロと行って私達の家族なんですぅ、カワイイでしょ?」
「犬?ですか?」
「狼ですぅ。」
「ひっ!オ・オ・カ・ミ!」
「あははッ、大丈夫ですょ、狼でもカワイイでしょ?」
「撫でても?」
「フワッフワッですょぉ。」
「まぁ、ホント、フワッフワッでつぶらな瞳カワイイ!」
「あのぉ、買い取りは?」
「あっ、ごめんなさい、今すぐ」
奥の部屋へ通され少し待たされた。
綺麗な女の人が若い青年と入って来た。
毛耳に短い尻尾、豊かなバストに大きな腰獣人特有のスタイル。
店長のミリヤさん。
若いのか?獣人は年が判りづらい。
鑑定したら32歳 猫よりの人で青年は秘書らしい。
手際良く話を進める。
「物を見せて下さい、それとギルドカードも一緒にお願いします。」
鉱石と宝石、ギルドカードをテーブルへおくとカードを見て頭を下げた。
「ヒロタチバナ様でしたか?聞いております、ミーリアお嬢さまの義理の息子さんですね?」
「ええ、ミーリア母様には領都の実家のオルレガ商会への面倒をみて貰ってます。」
「あなたのお陰で商会が大きくなったと聞いてます、どうしてこの町へ?」
「旅の途中なんです、そしたら来る途中に鉱脈を見つけて。」
「鉱脈ですと?誰かに話しましたか?」
「まだ誰にも、領主の執事、エードナーへ知らせようかと。」
「そうですか、宜しければ私達オルレガ商会が管理できれば?」
「それはエドと話して下さい、あの山の辺りは領都に近いですから。」
「それは領主様のお許しが要ります、ですが?その前に私共で調査してからと?」
「あの鉱脈はミスリルやオリハルコン、宝石も一緒に採掘できます、変わった鉱脈ですから。」
「なんと素晴らしい!是非とも私達に。」
「これがその一部です。」
「こんな┅凄い!」
さっきと同じ物をだし、少しだけオリハルコン、アダマンタイトも出して、金に銀、宝石を出した、サラが夢中だったダイアモンドの大きなのは出さなかった。
青年に指図して値を相談してた。
やっぱり信用が大事、お互いが納得できる商いをしてる商会は大きくなる。
ミスリル鉱石が白金貨300枚、オリハルコンが白金貨80枚と金貨500枚、金と銀は白金貨150枚と金貨300枚、宝石はまとめて白金貨230枚と金貨400枚合計で白金貨760枚、金貨1200枚┅多すぎる?
ミリアさんが明日用意できると告げて預り証を渡した。
お店を出る前にギルドでの事は話して置いた。
お店の人達は笑って任せてと言い、良く有る事だと言っていた。
それも有ってか冒険者ギルドはすんなりと素材を買ってくれて、ワイバーンとダイアウルフは喜ばれた。
宿では豪華な食事をしてゆっくりと眠る事にして、夜の営みはシロが一緒だから控えた。
翌朝、ミリアさんが宿まで迎えに来てくれて代金を受け取り町を出た。
ミリアさんはあの山の事は任せてと念を押しエドへは直に会って話すからと連絡はしないでくれと頼まれた。
彼女なら大丈夫だと思い全て任せた。
変な事も有ったがハーベルンの町を後にした。
サラはドリィに乗って上機嫌で、シロは元に戻れてうさを張らすかの如く大きくなりあの怪物の姿で駆けた。
空から見るシロはまさに怪獣だった。
因みに、商業ギルド長は降格され町長は辞めさせられた。
エドが大層怒ったみたいだ。
それも有りあの鉱脈の管理と採掘はオルレガ商会が取り仕切る事になりミリアさんは支店長から本店幹部に昇格、エドが送った鉱山技師と作業者達はミリアさんの部下となりオルレガ商会の技師達一緒に働くそうだ。
偶然に見つけた物が大した事となるなんて?
わからない物だ┅
でも、なんだか喜んでくれたし、お金にもなった。
サラが使う弓と矢を作ってみるか?
ミスリルやオリハルコン、アダマンタイトを使ったのってどんな物が出来るんだろう?
良いのができたら┅




