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黄昏おじさん異世界飛ばされ楽園創る  作者: 姫野りぉ
第二章 新天地
34/84

デスドラゴン


街道の山道を逸れて林の中を谷へと進むと木立が繁る山の中腹から見える谷底の方に魔が魔がしい瘴気が漂よい辺りの木々が枯れている。


『ヒロよ?谷底は瘴気が満ちている、迂闊には近寄れんぞ?』

「大丈夫だよ、俺達には状態異常のスキルが有るし、毒耐性とかもあるから、シロにも俺の能力が移ってる筈だから。」

『ヒロの能力が移ってる?』

「そうよ!シロちゃんも家族、眷属だっけ?だから能力が皆に行き渡ってるの。」

「ステータスが同じ様になってるんだ、時間がある時ステータスの確認はしておいて。」

『なんか凄い事になってるんだな。』

「だから、デスドラゴンでも大丈夫だと思うよ。」

「どんなのか判らないけどやっつけて仕舞いましょ?」

『デスドラゴンは厄介な奴なんだが?』

「そうなのかい?」

「問題無いわよ!ヒロがいればね!」


心配そうなシロとは違いサラは楽しそうにしてる┅

始めての相手で厄介なのに?

普通のドラゴンと思って無いか?

谷へ近くなると淀んだ重い空気になり草花は枯れ溶けている。

段々と木が立枯れ瘴気が蔓延している。

念のため光魔法の【ホーリーシールド】で囲み谷底へ降りて行く。

ゴブリンやオークが腐ってゾンビになり向かってくる。

近づくとシールドに弾かれ煙りになり消えて行く。

光魔法のバリアーで良かった┅

谷の底は池になっていてその周りは草原だったのだろうに┅

池は濃い紫色に染められ草原は黒く焼け焦げた様になっていた。

デスドラゴンがこちらを見て唸ってる。

さすがにデカイ、10mを軽く超えている。

口からは湯気を出しヨダレが流れる。

赤い目からは怒気が伝わりタダレタ皮膚にはドラゴンの鱗は無い。

醜い┅


「お前を倒しに来た!」

❬人間 憎っくき人間 お前を許さぬ❭

「もう死んだんだ!大人しく成仏しろ!」

❬勝手 人間勝手 滅ぶ 人間❭

「悪いが退治させてもらう」

【ファイアーストーム】

業火が渦を巻き襲う

ドラゴンの口からはブレスの応酬

【ウォーターアロー】

巨大な水柱がブレスに当たり爆発するが水柱は勢いよくドラゴンの体を弾く

サラの【ウィンドカッター】が首を狙うが交わされ崖に食い込む

ドラゴンは尻尾を振り回し攻撃する

ならば【サンダービート】

空の雲が集まり黒く固まりになると雷鳴と共に大きな雷の柱がドラゴンめがけて貫く

ギャーギャー! グワシャーン!

電流が全身に流れ、胸には雷の柱が刺さり穴が開いて痺れた巨体から煙りが上がっている

聖魔法【ホーリーレイン】

キラキラとダイアモンドみたいな雨がデスドラゴンに降り灌ぐと瘴気は治まり巨体はゆっくり浄化されて消えて行く


「終わったな。」

「何だか可哀想に思ったわ。」

『デスドラゴンだからな、この世に未練、恨みが有るからああなってしまったのだ。』

「人間のせいみたいだったよ。」

「ドラゴン倒していい気になりたい人って多いから。」

「とにかく!この辺りの浄化をしないと。」

「どうやるの?」

「そうだな?確か光魔法なら広い範囲魔法が有った筈?そうそう、ホーリーミストだ!」

「私もできる?」

「サラもシロもできる筈だ!良いかい、イメージは光の霧を思うんだ!」

「光の霧┅やってみる。」

「なるべく広い範囲だよ!」

『「わかった!」』

【ホーリーミスト】

一斉に谷底から辺り一面目掛けて放つ

みるみる浄化され瘴気は消え去り大地は元の土色へと変わる

池の水も透明な色になり小さな小川に清らかな水が流れる


「これでどうにか再生出来るだろう。」

「時間が経てば元の森になるでしょう。」

『妖精や精霊が来れば再生も早まる。』


『そうよ!私達が見守るわ、ありがとう!これで清らかな水が大地へと注がれる、私の場所も増えるわフフッ』

『ヒロ、助かったわ、さすがね!』


池からウンディーネが現れ、いつの間にかシルフィードが側にいた。


「デスドラゴンは人間を憎んでたみたいだけど?何か知ってる?」

『あのドラゴンは冒険者に倒されたの、静かにこの山あいの谷ですごしてたのにね。』

『ただの腕試しだったって聞いたわ。』

「ドラゴンを倒せばランクも上り素材で一儲けもできるから。」

「欲に目が眩みって事ね。」

『おかげで魔物が増えて山道は危険になってしまったって訳。』

「討伐対象なら仕方ないが、ただの腕試しで生態系が崩れたら困るのは後に残されたもの達なんだけど。」

『人間は愚かで欲深い物、弱い魂には邪悪が入り込むのよ、気を付けなさい、大丈夫とは思うけどフフッ。』

「片付いたし俺達は先を行くよ!」

『旅の目的は何なの?』

「フォレスト領へ向かってる、向こうで住もうと思って。」

『フォレスト領!また随分と遠くね?』

『今は魔物が溢れてる所よ?前は良いところだったに。』

「他の家族も向かってる筈だ、だからノンビリとした旅でも無いんだ。」

『そう、わかったわ、他の大精霊達も会いに来るかも知れないけど、気を付けて行くのよ?無理難題には構わなくて良いから!じゃあね?また会う時まで。』

『お願い叶えてくれたから貴方達へは贈り物を挙げておいたわ、また、会いましょう!』


ウンディーネが別れ際にフワリと飛び込み優しくキスをして消えて行った。

シルフィードが言った事はフラグなのか?

気にしないでおこう┅

シロに乗り込み街道の山道へと戻り先を急いだ、あの山を越えると平地が続きより早く進める、次に有る町は少し大きな町らしい。

まだ昼食も食べてなかったが今日のキャンプ地を探した。

道すがら戦いの反省をした。


「サラの攻撃は勿体なかったと思うんだ、あの相手だと接近戦は出来ないからカッターより極大のスラッガーの方が確率が良かった筈だ。」

「そうね、相手を見て選ばないと駄目ね!」

「カッターだったら数で足元かな?」

「足元を崩して極大で首を狙うのね?」

「サラは風魔法が得意だからか頼りすぎるキライがある、他の魔法も使わないと!」

「ははっ、ついね、扱い易いから、でも雷魔法は試したい。」

「普段でも色々と使って試したら良いよ。」

「わかった、そう心掛けるね。」


シロは黙って聞いていた。

でもなんだか嬉しそうな雰囲気で駆けていた。

頂上近くに辿り着くと見晴らしの良い開けた場所があった。

夜でも移動は出来るけど、まだそんなに急いで行く旅では無く夜はしっかり休んで明るい時に出来る事を楽しもうと決めていた。

採取も順調だし能力の訓練も先ず先ず出来てる。

シロにも空を飛ぶ?駆ける?術を見つけないと┅

広い場所の端に小屋を建てカマド?みたいなコンロを組み横に燻製用の土窯も造った。

シャケモドキに軽く塩を降り燻製を作る、ホーンラビオットの肉もだ。

今夜のオカズは残りのシチューと大猪のステーキにしてサラに焼いてもらった。

風呂当番はせっせとお湯を溜めベッドの支度を済ませる。

まだ早い時間だからとシロと狩りに出た。

薬草もレアな物が有り俺は薬草主体に採取してるとシロが吠えた。

やれやれ、ダイアウルフ3頭と向かい合ってる。

ダイアウルフは特大狼、灰色の硬い毛を生やし武具の材料には良いとされる。

牙は剣の素材、肝臓は回復と強壮、魔石は大きく高価だ。

傷付けない様にしないと┅

シロには威圧の極大を掛ける様に言って俺は雷魔法【サンダーボール】を確実に放ち1頭づつ倒す。


「傷は無いな、シロ、上手く行ったよ、威圧で動けなかったから魔法が決まった。」

『否、上手く威圧が出なかった┅身体の大きさか?』

「何度か試せば威力は判ると思うけど。」

『そんな所かな?』

「これ、しまってもう少し薬草集めるよ。」

『我はヒロが言ってた空間魔法で飛ぶ練習をしてくる。』

「わかった、遅くならないでね!」


駆けていき試していたので奥へと薬草を探し始めた。

んっ?何だこれは?

ほのかに光る石?を見つけた。

鑑定するとミスリル鉱石だって!

これは?もしかすると!

少し放れて土魔法で辺りの地面をごっそり掘り返した。

すると!やはり鉱脈らしくミスリル鉱石が固まって埋まっていた。

散らばった塊を収納してサラを呼びに行くと慌ててる俺を見て、何か魔物でも出たのかと弓を掴む。


「サラ!一緒に来て!」

「どうしたの?また魔物?」

「違うよ、もっと凄い物を見つけたんだ!」


手を取り急いで説明した。


「ミスリルの鉱脈だよ、それ程大きな鉱脈じゃ無いけど他にもダイアモンドとかこっちにはルビーにサファイアって宝石も埋まってる。」

「ちょ?ちょっと!凄いわね┅宝石がぁ┅」

「サラも女の子だね?フフッ、目の色が変わってる。」

「そりぁ宝石が目の前にあったら嬉しくなるわよ!これ?取って良いの?」

「だから連れて来たんだよ!サラは宝石集めて、こっちはミスリルとか鉱石取るから、取り終えたらまた掘り起こすよ。」


せっせと集めだした。

ドンドン収納して大きなダイアモンドの塊を持ち上げウットリと見てるサラが面白かった。

鉱石の塊は大きく、他にも金や銀、少しだがオリハルコン鉱石とアダマンタイト鉱石がみつかった。


「この山を所有したら大金持ちだね!」

「だね!この辺りは所有者居ないんじゃないの?」

「まだここはローレンス領だと思うよ、暇な時にエドに教えてあげよう。」

「喜ぶわねフフッ、私達が取っても沢山有りそう。」

「まだ夜まで時間有るから取れるだけ取ろう!」

「大きなの見つけるから~!」


薄暗くなるまで集めては掘り返し取れるだけ取った。

かなりの量が取れて2人とも満足げに小屋の所へ戻った。

シロは先に戻っていて燻製窯から匂う美味しそうな薫りにちょっとヨダレが出てた。


「シロ!悪い!遅くなった、向こうに鉱石を見つけて2人で取ってたんだ、お腹減っただろう?」

『鉱石を見つけたのか?珍しいな。』

「ご飯にしましょ。」


風呂の湯で手を洗い燻製窯からできた物を出すと良くできた燻製が香ばしい匂いで食欲を誘う。

ホーンラビオットを一つシロに渡し俺達は焼いてあるステーキとシチューでパンをかじる。

シロがあっと言う間に食べさらにステーキを2枚渡した。


「驚いたよ、ミスリルだけでも凄いのにアダマンタイトにオリハルコンまで有ったから。」

「私はダイアモンドが嬉しかったわ。」

『アダマンタイトか、この辺りは魔力と魔素が淀んでいる、だからダイアウルフなんてのが住み着いてるんだ。』

「ダイアウルフって?」

「鉱石を見つける前にシロが遭遇したんだ、Aクラスの魔物だよ。」

「そんなの居たら教えておいてよね!気にもしなかったわよ。」

「ごめん、でも安心してサラが襲われそうになったら必ず守るから。」

「ウフフッ、うん。」

『お熱いのぉ、我は念のため向こうで休むとする。』


ゆっくりと食べながら取って来た宝石を種類ごとに並べてサラが見つめている。

皆、大きな塊ばかり、日本円だと何十億か?もっと?

異世界ならでは、1つ所に数種類もの宝石と鉱石?

ローレンス鉱山も同じかな?などと思った。

アダマンタイトとミスリルの剣でも造ってみるか?そんな思いをしてサラを抱きしめた。



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