悪の正体
「いちま~い、にぃま~い、さんま~い┅」
なにやってんだか!
「マーサ!そんなんじゃ終わらないよ!」
「いいの!お金をお金をたのしむのぉ~」
「ほっときなさい!毎回ああしてるんだから。」
「いつも?」
「そう、いつもお金に埋まってニタニタしてるの!」
「この輝きがぁ!この匂いがぁ!」
「お金好きなんだ?お金?じゃあこれは?」
こぶし大の金の塊と銀の塊をゴトンと目の前へ置くと、マーサがサッとしがみついた。
「これは!おおっ!きん!ぎん!ウヒィ!」
ヘンな声をあげ塊に頬ずりしてる?
お金じゃ無くて鉱物が好きなんだ┅
« 違うかと フッ »
ちがうの?
「じゃあ屋敷へ戻るよ?」
「ええ、内訳は明日でいいでしょ?」
「うん、今はちょっと気になる事があるから。」
「フ~ン?じゃあ今日は夜の楽しみはお預けなのかな?いいのよ~遅くなってもぉ待ってるから~」
「待たなくて良いです!」
まったく! けしからん!
ううっ、遅くなってもぉかぁ┅イヤイヤ、今日はサラと一緒じゃなかったし、タニアの事が気掛かりだし。
マリアも大丈夫かな?
まぁ調べれば判るかな!
今はタニアの事だな。
屋敷へ戻ると居間でサラが待っていた。
「奥様がお部屋でお待ちです。」
「エッ?なに畏まってるの?」
「いえ、どうぞ。」
どうしたのか?かとお母様の部屋へ入るとタニアがいた。
「テオ?サラ?大事な話です。とってもね?」
「何ですか?」
「ウフフっ、タニア?話してあげて。」
「はい、母さん?テオ?私ね?奥様によ~く相談したの。沢山の人にも話して決めたの。」
「タニア?」
「あのね!王都の学院に行くの。」
「「ええっ!」」
「フフッ、タニアがちゃんと考えて関係する人達に聞いたり話したりしてそして私に相談してくれたのよ。」
「母さん?私ね、将来は薬師になりたいの。だから薬師院へ入りたい。その為に今年から学院へ入って中等院を終え無いといけないの。」
「タニアの言う事は正しい選択だわ!中等院位出て無いと難しいわ。」
「お願いします!王都の学院へ行くの許して下さい。」
「私は大賛成、だから私の了承とオーギュストの許可も有るわよ。」
驚いて何も言えないサラの頬を涙が流れていた。
俺も暫くは放心みたいになりお母様の話しが理解できなかった。
お父様が許可?
いったいなにが?
「ギリギリで間に合ったわ!」
「奥様?どうしてそんな┅」
「サラ?タニアは私にとっても娘なの、テオと一緒に仲良く育ってくれた。貴女が私の代わりに面倒を見てくれた子はこんなになって┅タニアも我が子みたいに私を気づかってくれて、そんな私が出来る事はこれくらいだけどお願い?タニアの希望を叶えてあげて!」
「勿体ないことです。」
「私もね、最初は無理かな?って思ったの、でも奥様が何も心配しなくて良いって┅お金とか色々な事も全部大丈夫だからって。」
「奥様のご恩、ありがとうございます。」
「良いのよ?じゃあ賛成してくれるわね?」
「はい!それはもう有難い事です。タニアには何もしてやれない私です。この子が望む事を阻む事はできません。」
「母さん!ありがとう!」
「決まりね!じゃあサラ!悪いけどタニアの出立の時間が無いの、用意、お願いしますね?」
「ええっ!そうなんですか?」
「フフッ、そうなの、3日後よ!」
「「「ええぇ!」」」
「セバスとギルバートが一緒よ、騎士団の子も二人護衛にね。王都まで長旅になるわ、学院の事はセバスが済ませるからタニアは安心して学園生活を送るようにして。」
「何から何まで┅奥様にお任せ致します。」
「ええ、何も心配しないで。」
サラとタニアは深々と頭を下げ部屋を出て行った。
俺はお母様と話しがしたかった。
「母様?何故もっと早く言ってくれなかったんですか?」
「時期が悪くてオーギュストが王都に行っていて連絡に時間がかかってしまったの。」
「そうだったんだ。」
「それに学院の許可がね?」
「許可?」
「タニアは平民、商会とかの娘でもないから、何かといちゃもんを付けるの!」
「まぁ、貴族優先だから。」
「でもね?オーギュストの一声で全て許しが出て貴族待遇みたいよフフッ。」
「お父様が?そうだ!どうしてお父様がそんなに後押しするの?」
「知りたい?」
「とっても!」
「サラよ!」
「サラ?」
「オーギュストはサラを乳母にする時、反対してたの、貴族の縁ある人をって。でもサラのお爺様がオーギュストの命の恩人だとわかって是非にと心変わりして、娘のタニアの事も理解してくれたの。」
「サラのお爺様┅」
「何でも冒険者で、オズウェルの砦近くの森で魔物に襲われた時に1人でオーギュスト達を助けたって。騎士団へ誘ったら、冒険者でも家族が住む土地を守れると固持して恩賞も取らなかったって。」
「豪傑ですね?」
「だからサラがその恩人の孫だと判ると今までも良く目をかけてたわ。割りと義理難い人なのよ。」
「フ~ッ、そんな事が」
「タニアの事はアンナ達にも話したら色々と教えてたわよ。」
「俺は何も知らなかったなぁ、何だか寂しい┅」
「テオ?貴方はもう子供では無いし、2人の婚約者もいるれっきとした主なのよ!奥さんの娘の事を気にとめて無かったのは落ち度だけど、1人でできる事には限りがあるの、周りに気を配り良く話しをしなさい!」
「はい」
「タニアとも後少しの時間しかないのよ?ちやんと話しなさい。」
「母様┅ありがとう!話すよ、良く話すから┅」
有り難くて涙が落ちた。
叱ってくれる人がいる事がこんなにも身に染みるなんて。
親の有り難み、愛情を噛み締めていた。
タニアがセバス達と王都へ向けて出立したのは事件を解決してから3日後の事だった。
彼女の学院での生活は学院寮で15歳の中等院を終えるまで住ごす。
学院は貴族も平民も一応平等な扱いとされる、中にはバカな貴族の子もいるらしいがタニアなら大丈夫だろう。
貴族待遇らしいし。
タニアのステータスを見て必要なスキルを付与する。
彼女は知らないが少し多めに付与して光属性魔法も与えた。
困りはしないだろう?
お金の事はサラと話しタニアが将来に渡って困らないように手を打つ事にした。
商業ギルドへ商品販売権利とレシピ、作り方等を登録してその売り上げをタニアへ渡るようにする。
前世の知識を使った。
何だかんだと言ってもこう言う事は辺境伯家やお母様、貴族の力が物を言うのだと実感した。
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タニアの事も有って教会の事は後まわしになったがお母様の言い付けを守って周りに気を配る事で手早く片をつけた。
首謀者の証拠と確保、。
関わる者達を暴き追い詰め壊滅させる。
教会と孤児達の安全確保。
一気にしなければ取り逃がすと考えた。
サラにも協力して貰い能力をフルに使った。
絶対に許さないと!
夜中に転移で教会へ行き司祭の部屋を調べた、何か尻尾が無いかと。
暗い教会を不馴れな為か判らずあっちこっちの部屋を見て回ったらマリアの部屋へ入ってしまった。
寝ていた姿につい見惚れてしまった。
薄い透けた肌着で外明かりに照らされた長い白い脚、はだけた桃尻がむき出しで、胸が静かに上下している。
真っ白な首はシワなどなく細い、唇は濡れて小さく息をしていた。
長い髪が体に絡み、ほのかに色香が漂う。
ゴクリと息を飲んだ。
いかん、いかん!
そんな場合じゃない!
司祭の部屋っと!
奥の部屋ヘ入って見ると殺風景な部屋で司祭の部屋らしいが?
探索のスキルに隠し部屋が引っ掛かった。
余程慌てたのだろう、物が散乱して酷い有り様だった。
鑑定と探索で調べたら何やら手紙とメモ、計算書もあった。
帝国の教会とのやり取りで回復魔法の使い手を携え帝国への編入を企んだみたいだ。
他にも誘拐と護送の手順、金額とか記された書簡が見つかった。
治癒院の治療費もお金持ちへ水増しした請求をしている。
王都の教会本部への譲渡金も着服していた。
私腹を柱のくり抜いた隠し金庫?ヘ仕舞っていたのは持ち出して無かった。
オマケに賊のアジトも判明した。
直ぐに冒険者ギルドの裏へと転移して目当ての場所を探した。
路地を何本か入り前に潰したドレスクの娼館から離れた場所だった。
影移動で小ぢんまりした家に入ると何やら話し声がした。
「おい!ドミニクはどうした?」
「へい、司祭の野郎1人で逃げやがってどこ行ったか分かんねぇんです。」
「チッ!ふざけやがって、まぁ、その内やって来るだろう!それよか!邪魔しやがったのは誰だ!」
「何か若ぇ男で魔法を使いやした、あっと言う間に動けねぇ様になって。」
「魔法だと?チビか?」
「いやぁ、背の高い野郎でした。」
「そうか、あいつかと思ったぜ、それと本所のハンクは大丈夫なんだろうな!」
「所詮お役所仕事でさぁ!バレはしやせん。」
「若造の始末と女共を連れてこい!」
「へい!しかしあいつ等、警戒してるんじゃねぇですか?」
「そうだな┅警使達に動きは?」
「ハンクの野郎が上手くやってんじゃねぇですか?」
「ああ、一応、警備主任だからな。」
「ドレスクの旦那?どうしやす?」
「今日の所はドミニクもいねぇし、またしくじる訳にはいかねぇ、明日の夜に踏み込むぞ!」
「へい、でも?俺達だけじゃ心元ねぇです!」
「そうだな!俺も行くし用心棒のバンギャスも一緒だ!しくじるなよ?」
「「「おう!」」」
明日か┅しかしドレスクが┅
本所の警備主任ハンク
役者は揃ったみたいだな
証拠かぁ?
そのまま影移動で本所へと行き警備の部所らしい所を観察する。
夜だから人もまばらだ。
主任の席を見つけ机の引き出しを探る。案の定、無用心にお金のやり取りのメモを取ってあった。
余罪もかなりある。
取り敢えず証拠は掴んだ。
門を出て転移で帰った。
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あいつ等の深読みのお陰で教会は無事だと判りホッとした。
しかし、マリアは無用心すぎるだろう!
早々とあんな格好で寝てしまうとは?
もっと見とけば?なんて┅
帰って証拠を整理してサラに話した。
明日、朝から教会ヘ行って貰うのも頼んだ。
タニアの事もあって元気が無かったが、夜の営みはいつになく激しかった。
多分
寂しさと自分の不甲斐なさを忘れるように
熱く激しく求めてきた




