人助け?したようです。
退学者にならずに済んだ人もいます。
「ロードライト伯爵令嬢様」
学生達の後ろに立っていたシルヴィーに、数名の学生が声を掛ける。
「貴方方は……」
図書館で顔を合わせる様になった、あの訓練場で泣き崩れていた生徒達で、一応、ジルコニア一族であるが、ホッとした顔をみれば、今回は退学者に成らずに済んだようだ。
「ロードライト伯爵令嬢様にはお礼の言葉も見当たりません」
1番シルヴィーに質問をしてきた生徒が、深々と頭を下げる。
「随分と頑張っていましたから、気にはしてましたけど、そのお顔を見て、安心しました」
「ロードライト伯爵令嬢様に、人は変われる、と教えられて……本当にありがとうございます」
他の者達も深々と頭を下げる。
「俺達、ジルコニア一族から抜け、平民になりましたが、学園長様がこのまま頑張れば、特待生として卒業までは在籍を許可して下さいました」
晴れやかな笑顔だ。
これからも努力をしなければ、特待生の権利も剥奪されるが、今の彼らなら努力を怠るとは思えない。
「シルヴィーやジェフリーから話は聞いていたが、君達のように努力を怠らず、研鑽を積めば王宮で働くことも夢じゃない」
ウィリアムから直接声を掛けられ、特待生になった者達は緊張でカチコチになってしまったが、ポン、と肩を叩かれ、期待している、と言って貰えたことに今度は泣き出してしまった。
「上手い対処方法でしたね」
生徒会室に戻り、ジェフリーがにやっ、とウィリアムを見る。
「彼らの処遇を見て、ジルコニア一族におべっかを使わなくても身の振り方はある事が解れば、彼らの親達も気がつくだろう」
「偶々、彼らが努力を怠らない存在だったけど、方向性は悪くないですね」
ウィリアムも情で彼らを許した訳ではない。
使えるから手の届く所に残しただけだ。
「新年の舞踏会が楽しみだ」
ソファに腰を下ろし、一枚の報告書にサインを書いて、ジェフリーに渡した。
相変わらず、ウィリアムは腹黒さんです。




