パトリックは役者です
パトリック殿下、役者です〜
ある伯爵令嬢視点。
パトリックが憔悴してる。
あの破落戸達、ちゃんと仕事したようね。
後はお父様にお願いしてさっさと始末しなきゃ。
あいつらが生きてたら、あたしがシンシアを始末させたってバレちゃうもの。
変な所で頭が固いから、こっちの素性話さなきゃいけなかったのが今回のネックだったけど、後は褒美を餌に誘き出して始末して貰うだけで、あたしがパトリックの婚約者よ。
ちょっと慰めてあげておけば、あたしに夢中になるはずよ。
試験最終日
人気の無い中庭で、パトリックが項垂れてベンチに座っていた。
試験の時、学園内もピリピリしており、何も知らない学生達は心配そうに、覇気のないパトリックを遠巻きにしてみていた。
ルーミアは1人ほくそ笑みながら、パトリックのもとに歩み寄った。
「パトリック様、お悔やみを申し上げます」
ルーミアが悲しそうな顔で、パトリックに声を掛ける。
だが、パトリックは顔を上げようともしない。
「父から聞きましたの。シンシア王女が街の破落戸に、と」
ルーミアのそれらしい言葉にもパトリックは反応しない。
「……早く捕まると良いけど」
何気なく口にした言葉に項垂れたままのパトリックが立ち上がり、小さい声で呟く。
「犯人達は既に逮捕されている。……あぁ、シンシア」
手で顔を隠すと、そのまま立ち去って行った。
衝撃のあまり、ルーミアは動けない。
「不味いわ、あいつらが生きてたら、あたしの事バラされる。でも、大金や爵位を上げるって言っといたから、黙ってるはずよね」
必死に言い訳を考えても、何の案も出ない。
「まったく役立たずなんだから。俺達に失敗は無い、なんて偉そうに言っててこのザマ。でも、シンシアは殺したみたいだし、あたしが泣きながら知らないって言えば、破落戸より貴族の意見を信じるはずよ」
自分の悪事がバレるかもしれない、と一瞬怯えたが、貴族のあたしの意見をみんな信じる、と思い直し、いそいそと中庭から出て行った。
ただ、ルーミアは、草むらに小さな水晶玉が置かれていることに気が付いていない。
お花畑さん達の思考がやっぱり理解できない(泣)




