試験当日ですが……
試験は2日の予定。期末かな?中間かな?
試験当日。
シンシアは特例で教室では無く、生徒会室で試験を受け、シルヴィー達は表面上は何事も無い様なそぶりを貫いた。
「僕も一緒に此処で試験、受けたかったよ」
パトリックが拗ねた様に唇を尖らせていたが、シンシアはコロコロと笑うと、そっとパトリックの手を握った。
「ルーミアの尻尾を掴む為には、私が無事では不味いでしょう」
「解ってはいるけど、あいつ、鬱陶しすぎるんだ」
「いつも思うのですが、頭がお花畑の方達は杜撰すぎる計画が成功すると、何故信じられるのでしょう?」
「それは僕も聞きたいな」
今日の試験が終わり、生徒会室に集まり始めた仲間にパトリック達は目を向ける。
「自分は世界一有能だ、とでも思ってるんだろうよ」
ウィリアムが面倒くさそうに答える。
「そうですね。自分の思い通りにならない事などない、と信じているのかもしれません」
シルヴィーの感想は既に感情が無い。
「何一つ、思い通りになっていないのに、不思議です」
イザベルがこてん、と首を傾げた。
シンシアが教室で試験を受けていない事で安心したのか、ルーミアは大胆になっている。
パトリック曰く
試験を放棄してどこに行ったのか?
バロス王に何かあったのか?
など、当たり障りのない話題を提供しつつ、パトリックに言い寄ってもいる様だ。
「明日辺り、僕が憔悴した顔でいたら尻尾、出すんじゃないのかな?」
「あり得るな。出来るか?」
ウィリアムが黒そうな笑みでパトリックを見れば
「シンシアと一緒に居られない今ですら、僕は悲しいのですよ」
と、パトリックも黒い笑顔で答えた。
「皆さん、順調に黒さを磨いていらっしゃるようで安心します」
もう咎める事も、嘆く事もしなくなったシルヴィーの頬をイザベルが突いた。
「王族、貴族なんてこんなものでしょ。天使で居られるのは子供の時だけですもの」
「ウィリアム殿下は子供の頃から黒かったみたいだけどな」
ジェフリーがチラリとウィリアムを見るが、やたら優しげに見える笑顔でウィリアムは
「予知夢の撲滅が俺の最優先課題だったからな」
と、しれっと言った。
「予知夢?」
初めて聞いた言葉にジェフリーやルーファス達が一斉に顔を向ける。
「そうか、話して無かったからな」
あっさりと予知夢として、ゲーム内容を話し、にやっとジェフリーやルーファスを見た。
「これが俺の行動理由だ」
腹黒さに磨きが掛かったのは別だと思うし、ドヤ顔で胸を張るのも奇妙なものだ。
皆様、試験は問題なさそうで、なによりです。




