とんでもない場所に連れて行かれました。
シルヴィーの心の叫び……
金曜日。
シルヴィーはジルコン公爵家の馬車に乗せられ、ジルコン公爵の広大な屋敷に向かっている。
「ダドリーには、リリーに必要な人材を確保して欲しいの」
「了解だ。だけど、シルヴィーは良いのか?」
「何が?」
「思いっきり巻き込まれるぜ」
2人だけの時はダドリーの口調が荒っぽい。
でも、それだけ素を見せるようになった、と思えてしまうほどシルヴィーは、ダドリーに警戒心を持たなくなっている。
「リリーには幸せになって貰いたいもの。それで、何処まで調べられた?」
「粗方は把握した」
ダドリーが数枚の紙を差し出した。
リリーの父親、リーリウムはジルコン公爵の嫡男で、20年ほど前、ジルコニアが計画した、リーリウム暗殺を企てた嘘の任務に向かう途中、ジルコニアから父、ジルコン公爵がリーリウムを勘当した、と聞かされ失意の中、事故にあった。
その時、後の妻になる平民の村人であるカノコがリーリウムを助け、2人は結婚し、リリーと弟、ユーリをもうけた。
と、ダドリーの報告書にはある。
「こんな前からジルコニアは……」
「調べて解った事だが、カノコ様はかなり裕福な商家の令嬢で、準男爵になってもおかしくない家柄だ」
「カノコ様の為に準男爵になる予定は?」
「無いね。それよりもっと良い所があるからな」
ダドリーの謎かけのような言葉にシルヴィーは首を傾げた。
ジルコン公爵邸は、果てが見えないほど広大な庭園が拡がり、壮麗な屋敷にシルヴィーは心の中で(此処はヴェル○イユ宮殿ですか?)と叫びそうになっていた。
公爵家なんて、そんなもんですよ。




