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モブも気楽じゃ無いのです。

ゲームではモブでも、現実ではモブなんて有り得ない。

夕食の時、3人で話し合えば、お花畑こと、インリン・カーボン男爵令嬢の事など、些末な事案で問題はジルコニア一族の方だった。


「ジルコン公爵家の事もそうですが、側妃様は本当に陛下に望まれているのか疑問です」


王妃様はウィリアム殿下の出産後、身体を壊し、子供が産めない様になった。

その為、王家の血筋を絶やさない為にも側妃、と言う存在が必要になったが。


「陛下の寵愛を一身に受けている、と言われているが輿入れして20年近く経つが、パトリック様以外のお子を身籠ったとは聞かない」


シルヴィーの疑問にレイモンドも頷く。


「……そもそも、パトリック様が側妃の子供かも怪しいですね」


王家から最も遠いダドリーの目には、似ていない側妃とパトリックの親子関係に疑問がある様だ。


「ウィリアムとパトリックが二卵性の双子、と言う可能性もあります」

「二卵性?」


男2人が、答えを求める様にシルヴィーを見る。


「双子には一卵性と二卵性があります。どちらも一緒に産まれることは同じですが、一卵性の様にそっくりでは無く、兄弟のような似方の双子が二卵性です」


前世の様な医学が進んでいないこの世界に、遺伝子の話をしても理解が追いつかないだろうから、大雑把な説明をした。


「だが、誕生日が……」


ダドリーが2人の誕生日の違いを指摘したが、レイモンドは何度か頷いた。


「貴族の中には双子は不吉だ、と嫌う者もいる。しかも、お2人の誕生日は数ヶ月違いだ」

「小さく産まれたパトリック様を守る為、出生を極秘にし、ジルコン公爵の偽の命令で捩じ込まれた側妃の子供とした可能性があります」


全て推測でしかないが、おそらく真実だろう、と思われる。


「なるほどな。そこら辺の事情は王家の問題だから、私達が軽々しく口には出来ない。だが、ジルコニア一族の力を削ぐのには、いい口実だ」


レイモンドがヒヤリとした笑みを浮かべ、ダドリーを見た。


「子爵の実力を見せて貰おう」

「ご期待に添える様、努力します」


やっぱりそうか、と言いたげなシルヴィーを2人は優しげに見詰める。


「シルヴィー、結婚後は君は王太子妃の侍女として王宮で働く事になる」

「私だけ?」

「アーネストは王太子の秘書に就くから、夫婦で王家に仕えることになる」


レイモンドの言葉に、前世を思い出した時、モブだから気楽なもんだ、と思っていた自分を殴りたくなった。

頑張れ!王宮勤めは花形がだよ。

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