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学園長室でのウィリアム視点

ウィリアムが色々考えてます。

ウィリアム視点


シルヴィーが魔法陣を描く為、前世では畳二畳分、と言われるくらい大きな紙が用意された。


俺は、少し前、シルヴィーが話していた事を考えてみた。


「ジルコン公爵はご子息が行方不明になった時から、政治にも口を出さず、ただご子息が無事に戻られた時の為に領地、領民にのみ心を砕いていました」


シルヴィーの父親、レイモンド・ロードライトからの情報で世間で言われているとは全く違うジルコン公爵の姿を教えた。


アーロン・ベリルの言葉もシルヴィーが言っていたものと合致している。


清廉潔白なジルコン公爵。

王家の一員として、信じたいが鵜呑みには出来ない。


「ウィリアム王太子殿下も、まだ青いですな」

「……何が言いたい」


余裕ある顔で俺を見るこのオヤジ、絶対、見た目通りじゃない。


「目的を遂げる為なら、自分の意志さえ押さえ込まねばならない時もあります」

「目的?」

「息子が行方不明になったと聞いた時、あの馬鹿は私に服従魔法のアイテムを使った」


ジルコン公爵の言葉に、ウィリアムは魔法陣を描く事に集中しているシルヴィーの背中を見た。


「いつ、解除した?」

「アイテムのレベルはおよそ80。100を超える者なら、気が付けば解除は可能です。ですので、あの馬鹿が何をしたいのか探る為に、数年は掛かったままにしておりました」


自分さえ基盤の駒のように扱う、ジルコン公爵の強い意志に驚きを隠せない。


「あの馬鹿は、息子は死んだ、と言いジルコン家に、自分の息が掛かったものを捩じ込もうとした」


公爵家乗っ取りを企んだのか。


「まぁ、乗り込んで来た阿呆どもは秘密裏に処理したがね」


秘密裏に処理……。このオヤジ、超冷酷。


「それで……」

「馬鹿は何処までも馬鹿だ、と言う事だけが判りましたよ」

「自分の評価がガタ落ちして、得られた結果がそれだけか?」

「私の評価など、息子の命には変えられませんよ」


生きているかもしれない息子の為に、ジルコン公爵は傀儡の振りを貫き通していたのか。


「貴殿は強いな」

「守りたいものの為なら、愚か者にもなって見せますよ」


涼しい目で、魔法陣を描くシルヴィーの背中を見詰めるジルコン公爵は、鉄より硬い意志の持ち主だろう。

前回の後書きにイケおじ、と書いたつもりでイカおじになってた。見直しって大切。

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