学園長に呼び出されました。
シルヴィーが学園長に呼び出されました。
「シルヴィー・ロードライト。学園長室に来てくれ」
ベリル先生が授業が終わったとき、教室の外から声を掛けて来た。
水面下では揉めていた様だが、ナタリアが学園長を兼任する事は、学園内ではあっさりと承認された。
ナタリアからの呼び出しに心当たりが無いが、シルヴィーは頷くとイザベルに、先に生徒会室に行って欲しい、と伝えそのままベリルと共に学園長室に向かった。
「シルヴィー・ロードライトです」
「入りなさい」
入室したシルヴィーは、中に居る人物に首を傾げそうになった。
ナタリアがいるのは当然だけど、ウィリアムと見知らぬ人、白く輝くような髪に蜂蜜の様な黄金の瞳をした、物凄くハンサムなおじ様。
チラッとベリルを見れば、物凄く良い笑顔。
「突然呼び出してすまなかったね。私はユーリファス・ジルコンだ」
ジルコン公爵本人が何故、此処に?
「初めまして。シルヴィー・ロードライトです」
当惑した気持ちは胸に留め、綺麗なカテーシーで挨拶をする。
「貴女にはまず、礼を言わなければな。当家の名誉を回復してくれて、感謝している」
アーロンがイーリスを取り戻し、ジルコン公爵家に帰還出来たことへの礼だと理解したシルヴィーは、嬉しそうに笑った。
「お言葉、有り難く頂戴します」
「そして、貴女の腕を見込んで頼みたい事がある」
和んでいたジルコンの目に縋る様な光が見え、シルヴィーは息を吸った。
「……ご子息の行方を、ですね」
「そうだ。20年以上経っているのに、愚かな、と思うかもしれないが、遺体が見つかっていないのに諦めるなど、出来るはずがない」
ジルコン公爵の苦しみ、悲しみが今も、薄れずに纏わりついている様に見えた。
「失礼ですが、望まない結果が出る事も、ご理解ください」
「無論だ。彼が天に召されていたとしても、行方を知りたい」
ジルコン公爵も覚悟はしている様だ。
シルヴィーがウィリアムとナタリアに顔を向けると、2人とも頷く。
なんらかの話し合いは、既に終わっているのだろう。
「では、出来るだけ大きな紙をお願いします」
イカおじのジルコン公爵。




