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シルヴィーは規格外の有能さん

怨霊騒ぎが終わっても、シルヴィーは東奔西走します。

「まだ、入学して5日なんですが……」


突然、生徒会室に放り込まれたシルヴィーが説明を求める様にウィリアムを睨んでいる。

生徒会室にはジェフリーとルーファス以外のメンバーが揃っており、とても煌びやかで目が痛くなりそうだ。


「必須科目以外の授業が免除の君なら、生徒会の仕事に専念して貰えると思うんだが」

「ご冗談を。私は、選択する全ての授業を受けるつもりです」


生徒会の仕事を丸投げする気ですか?と睨むシルヴィーの横で


「良かった。私、シルヴィーと高度魔法学の授業受けるの楽しみにしていたのよ」

「羨ましいです」


と、シンシアとイザベルがコロコロ笑っていた。

とんでも無く有能で、既に卒業資格まで取得しているシルヴィーに生徒会の仕事を全面的にしてもらおうとしているウィリアムに、シルヴィーは素気無くNOを突き付けた。


「それに、あのお花畑さんが黙っているとは思えません」

「そう言えば、そろそろ許されて出ても良い頃ですが……」


ある程度ウィリアムから話を聞いているパトリックも首を傾げる。


「あいつなら暫く出て来れないぞ」

「まぁ!」

「何をしました?」


ピンク頭の生徒が謹慎牢に入ったのが入学式当日だから既に謹慎期間は過ぎている。さすがにシルヴィーとイザベルは彼女は謹慎牢から出る頃だ、と思っていた。


「何にも。謹慎している間に出される課題をクリア出来ないから、出られないだけだ」


ウィリアムの言葉にシルヴィー達が首を傾げた。


「あの阿婆擦れ、簡単な課題さえまともに出来ないらしく、ガーネット女史が延長を決めたそうだ」


どんどんゲームのシナリオから外れていく現実にシルヴィーはクスッと笑う。


「それでしたら、ちょっとだけお手伝いします。でも、騎士科の授業と高度魔法学の授業だけは絶対、皆勤賞で受けますから」

「両方とも授業数が多いけど」

「この2つは父から絶対、受けるよう言われましたので」


騎士科の授業は騎士になる者達の必須科目で、高度魔法学の授業は王宮魔術院の仕事を得るために必要な物。


シルヴィーの将来はまだ決まっていない為、絞り切れなかった科目らしい。


「でも、シルヴィーは剣受式の試験、突破しているのでしょ?」

「はい。ですが理由は良く分からないのですが、父と兄が受けろ、と言ってますし、エインから渡された物が……」


イザベルの疑問にシルヴィーも首を傾げたが、エインが何も考えずイーリスを渡すはずが無い。


「シルヴィー、あれさぁ……」


ウィリアムがちょっと言い澱みながらシルヴィーを見る。


「なんでしょう?」

「鞘を替えているから他の奴らは分からないと思うけど、あれ、王宮の宝物殿にあった3振の1つだ」

「えっ!」


シルヴィーが絶句するのも無理はない。


王宮の宝物殿には伝説のイーリスが3振ある。


1つは、妖精達を受け入れ、アレキサンド建国の王が持っていたソード。


もう1つは妖精達を守った勇者がアレキサンド王国に贈ったソード。


そして最後の1つは妖精の女王が持っていたレイピア。


シルヴィーの手元にあるのは、そのレイピアだとウィリアムは言うのだ。


「すっすぐに返して来ます」

「いってらっしゃい。多分無理だと思うけどな」


ウィリアムの言葉も聞かず、シルヴィーはレイピアを持ってエインの元に走った。

読んでくださる方々に、少しでも面白いって思っていただけたら、それが私の活力源です。

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