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ダドリーはダドリー

ダドリーに片眼鏡を掛けさせるべきか?

丁度、馬車がロードライト家の門を潜り、玄関に着いた。


「ですが、お嬢様はそのファースト、と言う人物に思い入れがあるのですか?」


素早く馬車から降り、手を差し出しながらダドリーがシルヴィーを見詰めた。


「思い入れ?特にないわ。何故?」


前世ではこのゲームの攻略キャラに推しは居なかった。


「思い入れがあるなら、その色を纏ってみようかと……」


らしく無い言葉にシルヴィーはキョトンとダドリーを見詰めた。


「必要ないわ。だってダドリーはダドリーで、ファーストじゃないもの。それに私はダドリーの漆黒の髪、結構気に入っているのよ」


濡れた様な艶やかな漆黒の髪と瞳。

ゲームには居なかったダドリーは、この世界という現実で、初めて会った時からその色を纏っている。

他の色のダドリーは想像できない。


「貴方の過去に何があるかは気にしない。私は今目の前にいるダドリーを必要としているし、信頼しているよ」


けっして自分の過去を話さないダドリーに不信感を持つ者は多少居るが、シルヴィーは気にしていなかった。

過去の彼ではなく、今、自分の目の前にいるダドリーを知っていればそれで良い。


執事なのに妙に強くて、超極秘案件ですら調べられる優秀過ぎる存在。


他の家なら彼、と言う存在を疑わしく思うだろうが、ロードライト家では特に問題は無い。

なにせ、メイドですら、そこいらの騎士より強いのだから。


「今、気にしなければならないのは、お花畑さんの行動を阻止して、イザベルの安全を確保する事だけよ」


シルヴィーの中で、具体的に何をするかは決まっていないが、とにかく、入学してから考えるつもりだった。


「何が効果的でしょうか?」

「うーん、容姿を誇っているなら、著しく損なうのが効果的かもしれないけど、流石にそれはね」

「容姿を損なう、ですか」

「流石に怪我をさせたら不味いわ。かと言って、後考えられるのは、太らせる事だけど……」


それもどうかと思う。第一、カーボン家の中にまで入り込むのは無謀だ。


「でしたらそいつが入学してから、食事を増やす様にしてはいかがですか?」

「寮に入ったら全員同じ物を食べるのよ。流石に1人だけ太らせるのは難しいと思うの」

「そうでしたね。では、別の方法を考えましょう」


にこやかなダドリーに促され、シルヴィーはお花畑さんの容姿を損なう方法を考える事をあっさり放棄した。

真っ黒な執事の漫画は読んだ事ないけど、ビジュアルは綺麗だから好き!!

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