表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/46

第三章 雪国 ―真由美編―

真由美は我が目を疑った。

確かにそれは魔物だった。そう、雪だるまの姿をした。

「わぁいっ。雪だるまさんだぁーっ。一緒に遊ぼう!」

友美は目を輝かせている。シルヴィアがすぐ止めに入った。

「やめなよぉ。あれ、スノーマンっていう魔物なんだよ」


真由美は実戦は初めてだ。それゆえ綾子が魔物を見つけた時緊張で死にそうだった。それがいざ近づいてくるとあんな姿だ。正直拍子抜けだ。

「しっかし魔物の姿が雪だるまとは…」

「なんか情けない戦闘シーンになりそうですね」

「なりそうじゃなくてなるって完璧!」

どうやら真由美以外は全く動じていないようだ。

「雪国だから雪だるまのお化けがいてもおかしくないか」

綾子は一人で納得している。

「どうでもいいけど戦わねえのかよ」

少しの間に魔物はもうそこまで迫ってきている。

数は六体。ちょっと多いかも…。でもやるしかない!


「はぁっ!」

綾子が雪だるまを頭と胴体部分で切り離す。動きが速い。やはり旅をし続けていただけはある。一瞬の動作で彼女の腕前が相当のものだと解る。

真由美も向かってくる魔物に回し蹴りを喰らわす。するとどうしたことか、蹴りを入れた頭の部分が溶け始めた。

「なに…?」

「あ、それ炎魔壁の熱気だよ。身を守るだけじゃなく、格闘系の攻撃にも威力を発揮するんだ」

答えながら、ルシフェルはファイアーの呪文を唱える。雪だるまはあっというまに溶けて消えた。

リーナも風圧で一体を吹き飛ばし粉々にする。


「さてと」

到は一息置いて眼鏡の留め金を触る。次の瞬間、レンズから出た光線が雪だるまの体を貫いた。

真由美はぎょっとした。前から胡散臭い男だったが、まさか眼鏡から光線なんて。

「な、な、なんなのあんたは!?」

「へ?…ああ、これですか。僕の隠し武器の一つです。目はいいんで度は入ってないんですよ、これ」

到は事も無げに言った。

「一つって何よ、一つって!!あーびっくりした。他にもあんなのがあるかと思うと心臓持たないっつの」

「え、ここって感心するところじゃないんですか!?」

「違うわよバカ!!」


真由美は話に夢中でもう一体が友美の前へ来ていることに気がつかなかった。

「友美、危ない!!」

綾子が叫んだその時、友美は右手を挙げ白い光を作り出し、その手を魔物の方へ向けた。

光は瞬時に魔物に向かい接触する。と同時に魔物の姿は跡形もなく消えていた。

「…え?今友美…何したの?」

友美の瞳はいつもの無邪気なものではなく、相手を睨み付けるような鋭い眼光だった。

今まで彼女について深く考えたことはない。しかし今回、初めて彼女の存在に疑問を持った。彼女は誰なのだろう?そういえば到は初対面の時『匂う』と言っていた。

思い返しながら友美を凝視すると、彼女は手を下ろし目を閉じた。そして再び目を開けた時には、瞳はいつものそれに戻っていた。

「あれぇ〜?雪だるまさんは〜?」

自分のしたことを覚えていないのだろうか。真由美は混乱してきた。何がどうなっているのだろう。

「…魔物も倒したことですし、進みますか」

到の一言ではっとする。そうだ、今はシルヴィアを送るのが先だ。

「そうだね。行こう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ