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第八回ゲスト 四天王風将軍 シルフィーネさん

「おひこんばんにちは、司会進行の側近です」


「おひってなによおひって」


「一瞬『お久しぶりです』と『おは』を迷っちゃいました」


「せっかく今日は打ち合わせ行ったのに頭からこれかい」


「あんた打ち合わせ終わる10分前に来たよね?」


「ぶっちゃけ台本に俺の役目書いてないから行っても意味無いでしょ」


「仕事する人だと思われてないんですよ、税金の無駄遣いですから」


「あたりめーだろ誰が働くかボケ」


「ほんっと腹立つわこのヒキニート…。さて、久しぶりの前置きはこれくらいにして、今日のゲストは四天王風将軍シルフィーネさんです」


「お、おひこんばんにちは…。風将軍のシルフィーネです」


「『ひ』はいらないと思う」


「ええっ」


「むしろなんで言ったんですか?」


「いやあ〜、側近先輩が言ってたから私も言ったほうがいいのかなあって…」


「恥ずかしいからそんなん真似しなくていいです。では毎回恒例自己紹介といきましょう」


「え? えーと、私はエルフ族で、風将軍で、森林や草原といった緑豊かな地域の管理と統制をしています。あと人族と一番姿が似てるってことでそっちの折衝もやってたりします」


「昔っからエルフは人族との付き合いあるよな」


「精霊って言われてますからね〜。ぶっちゃけそんなに綺麗なもんじゃないんですけど」


「それぶっちゃけちゃアカンやつですよ」


「ぶっちゃけそんなに綺麗なもんじゃないから魔界にいるんだけどな」


「だからいうなっつってんだろ!」


「もちろん綺麗な部族もいますよ? 人間界に住んでる部族は本当に精霊やってたりしますしね」


「あいるんだやっぱ」


「知っとけよ魔王」


「いやでもあの人たちはあの人たちで、私達のこと普通に馬鹿にしてくるからあんまり好きじゃないというか…」


「分かるわ〜。人間界にいる方のエルフの長ってめっちゃ上から言うよね〜。めっちゃウザいし」


「そーなんですよ!そーなんですよ! ほんとひどいんですよあの人たち!」


「いや魔王さま知ってんのかーい」


「魔王就任後に一回顔見せに行ったことあんだけどさ、すげー上から目線で『寝言言ってんじゃねーよ』って追い返されたからな」


「ちょっと火着けますか」


「結界張ってるエルフの森に火着けられるの上位魔族しかいないからね? 俺ら疑われるからね?」


「いいんじゃないですか? 私あの人たちキライですし」


「なんで俺がツッコミに回ってるのかな? よく考えようねキミ達」


「こっちのエルフ族って他に何してるんですか?」


「むしろ側近先輩が何を知らないのか聞きたいです」


「何って言うとほとんど、かな…?」


「側近先輩って意外と知らない?」


「俺の周りは細かく役割分担されているからな。側近はマジで魔王おれのそばの仕事しか知らねーし、摂政とかもそれぞれ深くて業務量は多めだ。他のこと知る暇も無いくらいに」


「へえー」


「ついでに誰かさんが仕事しないおかげで本当に忙しいです」


「言うて俺の仕事なんてハンコ押すくらいしかないやん」


「中身読めよ!!! 書類だろ!! 中身読めよ!!!」


「ま、まあまあ側近先輩落ち着いて」


「しかも『サインめんどい。もっと楽なのないの?』つってサボり始めたと思ったら次の日突然『今日からハンコだから(はぁと』とか言って勝手に変えたよなあ?!」


「ああ、王子に教えてもらったら次の日の朝に『ウチの御用達に作らせてみたから良ければ使ってくれ』って王子が送ってきた。アイツほんと気が利くよな」


「あんのクソボンボンがああああ!!!」


「王子ってどちらさまですか?」


「ゲーム仲間に人間界の王子いんのよ。ウチのギルドで参謀やってる」


「へぇー」


「シルフィーネは趣味とかあんの?」


「趣味ですか? んー、これと言ってはっきり趣味って言えるものは無いですね」


「意外。エルフってえと読書とか沐浴とかよく聞くからその類かと思ったけど」


「エルフは高尚な種族だからどっかの魔王さまみたいに欲にまみれた趣味なんかやりませんよ」


「しいていうなら毎日ケーキを食べてますね。甘いもの大好きです」


「え、毎日? 胃もたれしないの?」


「しません、というか食後に1つだけと決めて食べていますからよっぽど重たいのじゃない限り大丈夫ですね」


「私は体重にすぐ出るから羨ましいなあ」


獣人族ケモナーは大変だな」


「魔王さまといいシルフィーネちゃんといい、どこにいってるのか不思議でならない」


「シルフィーネについては、まあ、なあ」


「同意。見れば一目瞭然ですね」


「二人して胸を見てくるのやめません?」


「ぶっちゃけ何カップ?」


「せくはらー! 職権乱用ー! っていうか私のときは人の趣味まで押さえといてなんでシルフィーネちゃんには聞くの?!」


「それはほら、個人情報保護法とかプライバシーとか?」


「いまさらそれ言う?!」


「ぶっちゃけ私はGです」


「シルフィーネちゃんも言わなくていいから! なんなら魔王軍やめてもいいんだよ? こんな食っちゃ寝食っちゃ寝まともに働きもしない遊んでばっか穀潰しヒキニートの言うことなんか聞かなくてもいいんだよ?」


「本人の前でそこまで言う?」


「えー、でも私も摂政やりたかったですし。今もやりたいですけど」


「えっ?」


「さあ話が拗れて参りました。胸のサイズからいったいどうしてこうなったのか」


「前回の放送でサラマンディーネちゃんが摂政の役狙ってたから魔王様の特権決議止めたって話てたじゃないですか」


「うんうん」


「あれ、サラマンディーネちゃんだけじゃないですよ」


「うん?」


「周りの皆も摂政ちゃんの実力が摂政たるか見たかったから、っていうのも本当ですけど、四天王は皆摂政の役狙ってましたし今でも隙あらばと狙ってますよ」


「内輪揉めになりそうな話やめて」


「内輪揉めになったら俺がひねり潰すけどな」


「こんな男のどこがいいんだか」


「今の世代の四天王が皆若い女の子なのは知っての通りです」


「魔王さまの趣味で」


「ちがわい! いくら俺でもそんなんしないわ! 第一そんなんでたくさんいる部族の長が納得するわけねえだろ」


「そりゃまあ…、そうですけど」


「確かに四天王にしろ城仕えにしろ女だらけになったけどな? 四天王は立候補にまず部族最強であること、城仕えは志望した時点で規定の魔力値と戦闘力があることを定めている。これは男女統一だ。俺の趣味じゃねえ」


「じゃあ私達の世代の男は皆ヘタレってことになるじゃないですか」


「そうだよ? 最終試験に俺とタイマンがあったんだがそんとき既に女しかいねえんだもん」


「そう、そのときです」


「うん?」


「突然話が戻った」


「魔王様は一切セクハラしなかったんです。城仕えの試験でもです」


「まずセクハラしないは当たり前のことだと思うんですけど…」


「人をセクハラ大魔神みたいに言うんじゃありません」


「セクハラしない、魔界で一番強い、身長高くて顔も良い、知力もあって理解もあるってことで受験者の中で魔王様の話題が持ちきり。これは意地でも合格しなければってなりました」


「そういや俺が初めて魔王になってからやった従者試験は倍率えぐいことになってたな」


「魔王様は身長高くて顔が良いし性格もフランクで親しみやすいって前から評判でしたから。私の友達で試験落ちた子なんか本気で泣いてましたよ、遠くで眺めてるしかないのは切ないって」


「ええ…。遠くから眺めてるだけで済むなら変わって欲しいよ」


「では私達の前の世代までは男性ばかりだったのはどうしてだったと思います?」


「じーさんがアホみたいにセクハラするわ職権乱用するわ気に入らないことあれば当たり散らすわとか色々やらかしてたから」


「はい正解です」


「あー、確か魔王さまのお父上の代でなんとか持ち直したんですよね。なんでも、残った男性陣でもついていけないって辞めてったのが後を絶たないって」


「戦争やめるきっかけにもなったから怪我の功名かもしれんけど魔界からしてみれば恥もええとこや。でもこれ秘密の話あんのよね」


「え? ちょっ魔王さま公表されてない話をここで勝手に喋っ」


「じーさんドMでな。ハ○撮り写真と物的証拠とばーちゃんの証言取りつけたからバラされたくなければ引退しろつって脅したんだよ。じーさん囲ってる愛人にSMプレイさせてたんだわ」


「おいいいいい!! 喋んなつってんだろおおおお!!!!」


「うわあ…。しかもドMってことは、その、痛いことをされてる方ですよね?」


「そうそう」


「もうやだこの魔王」


「私も魔王様の写真撮ってたりしますけど、まさかそんな変態さんが…」


「ん?」


「ん?」


「見ます? 写真って言ってもスマホなんですけどね? ほらほら」


「………シルフィーネお前さあ」


「はい?」


「俺の部屋ってプライバシー保護結界張ってあんだけどさあ、知らない?」


「えっ」


「………。しかもこれ結界抜いてないです、結界の中です、完全に部屋の中ですね」


「……………………………」


「おい」


「エルフで金髪美少女で風四天王が魔王様を盗撮…、減俸だけじゃ済まされませんねえ」


「ごごごめんなさいいいいいいぃぃぃ」


「あっ逃げたぞ! 逃すな! 出合え出あえ! っていうか写真消せや待てこらぁぁぁぁ!!!」

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