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第十回 四天王雷将軍 ヴォルティーヌさん

「知らない皆さんおはこんばんにちは、一年経っちゃったてへぺろ! ゲストの魔王です」


「てへぺろじゃ済まされないんだよなあこれが。おはこんばんにちは、司会の側近です」


「もともと息抜きで始めたことだから息抜きする必要ないならまあこちらの出番もないということで」


「あとゲストじゃない定期」


「そこは魔王権限ざーますのよ」


「ふざけんなバカ。今日はようやく揃います、四天王の最後の一人、雷将軍のヴォルティーヌさんにお越しいただいております」


「このラジオを聴いてる皆さんおはこんばんにちは、来てはいけないところに来てしまった感のある雷将軍ことボク、ヴォルティーヌです」


「いやいやそんなことないよ! 魔王軍唯一のボクっ娘は貴重だからね」


「そうじゃないんだよなあ」


「貴重で言うなら正確にはボクが天龍神族であることですね」


「ちなみに天龍神族って成人すると魔王より強いからね、ココ要ちぇっく!」


「魔王自ら弱点教えんじゃねーよ!」


「しょうがねーよ出生はリセマラ出来ないガチャなんだから」


「ガチャ言うな」


「というか、天龍神族で魔王軍に入ったのってボクが史上初らしいですし」


「でしょうね。いるのかいないのかとよう分からん種族でしたし」


「おまけにヴォルティーヌって俺が付けた名前で本名ちゃうんですよ」


「は?!」


「ボクの種族ってこの星の外の出身なんで言葉通じないんです。ということで魔王さまに名付け親になっていただきました」


「ヴォルティーヌさん宇宙人」


「宇宙人…、まあ言ってしまえばそうですね。龍人の形してるからそれっぽいですけど」


「ごめんちょっと待って、そこ俺初耳なんだけど」


「なんでだよ! なんでだよ!」


「大切なことだから二回言いました! いやね、隕石の調査行った先でいたのがこの子なんだよね。で、連れて帰って来ちゃった(はぁと」


「はぁと、じゃないんだよなあ。ベタベタ過ぎるわ!」


「聞くところによると行く当ても何もないってんで連れて帰って来たらさ、まあ怒られたんだよ」


「至極当然だわ、誘拐事件だわ。あっ、憲兵!出合え出合え! …ちょ待てよ? 言葉通じないのにどうして連れて帰ってこれたの?」


「直接頭ん中でやりとりしたのよ。魔力とかなら明確な言葉にしなくてもだいたい気持ち伝わるからね」


「で、事案…と」


「ロリコンちゃうわ!」


「ま、まあまあ。流星群に乗って遊んでたボクも悪いですし、なにより人間的な印象で言うとボクはまだ9歳くらいの外見らしいですし」


「流星群に乗っかって遊んでる幼児」


「俺らなんか隕石一個喚び出すのに息切れすんのにな」


「スケール違い過ぎますね、はぁ…。学校で必死こいて赤点回避してたのがバカらしくなっちゃいますね」


「それは引くわ…」


「なんでどぉ?!」


「受験生の時期も遊びまくってた俺ですら平均点は取れてるのに赤点ってあーた」


「ま、まあまあ。ボクの事保護してくれたのも今お世話してくれてるのも魔王さまですから」


「誘拐の犯人に同情や憐れみ持っちゃって恋と勘違いするケースの話する?」


「誰が誘拐犯か!」


「魔王さま定期」


「定期じゃないんだよなぁ。ちゃんと親御さんとは連絡着いてるし」


「あれっ、そうなんですか?」


「言葉通じないし、天龍神族の名前ってこの星のどの言語にも当てはまらなくてね? 難儀してたところにお母さん降臨されたのよ」


「降臨」


「ボクが流星群で遊んでたのばっちりバレてて…、反省の意味も込めてしばらく魔王軍で仕えてこいと言われまして…」


「おめーの母ちゃんのこえーことこえーこと」


「チビっちゃったね」


「容赦ないですね」


「相手はこの星で言うところのガチで神だからな。当時の俺は死を覚悟するどころか生まれたことすら罪だと思ったわ」


「怖杉内」


「それはまあこってり絞られて今に至るんです。気が付いたら将軍でした」


「その気になればこの星滅ぼせるって言われてる天龍神族が魔王軍所属って」


「なあに、戦争になんかなりゃしねーよ。要は留学と変わんねーんじゃん?」


「流星群にin the 留学。ダイナミックにもほどがある」


「最近は手加減にも慣れてきて訓練したら病院のベッドが埋まることもなくなりましたし、なかなか順調です」


「それはご愁傷様、主に部下」


「言葉も読み書きまで出来るようになったから人間界じゃアイドル扱いだしな」


「待て待て待てぇーい!」


「何がよ?」


「こんないたいけな幼ない子どもになにさせてんですか! 人間界って神レベルは偶像崇拝禁止でしょ!」


「何ってサイン会」


「アーウト! バッターチェンジ!」


「いえいえアウトじゃないです。人間界でも通じる人間界の読み書きの練習の一貫です」


「ついでに偶像崇拝禁止なんて意識してんの少数派だしね。歌って踊れる神様とか最高じゃん」


「バッターチェンジどころか一発レッドカード退場だった件について」


「書類に押すハンコも顔文字ですしね」


「おいぃぃぃぃ!」


「しょーがねーだろ向こうの言語こっちじゃ書けねーんだから」


「それにしてももうちょっとこう、あるでしょ!」


「いや、無い」


「反語法か!」


「実際問題、側近さんにも知らされてなかった事が多いのはこっちでまでファンクラブ増えないようになんです」


「本音は同人誌のネタにされないためだよ」


「しねーよ!」


「触手ネタに使われるかと思ってましたがそんなことはありませんでした」


「魔王さま?!」


「性癖バレてるのよチミ」


「プライバシーィィィィ!」


「まあ良くも悪くも馴染んでるからええかな、と」


「なんもええくないわ!」


「魔王軍での生活も女の人ばっかりだから気を遣わなくて済みますし」


「そりゃまあそうなんでしょうけど…、仮にも神様一族がアイドルって」


「それに他の四天王の人達みたいにそれぞれの軍のトップみたいなお仕事はボクにはまだ無理ですし」


「ぐぬぬ」


「歌って踊れて読み書き出来たら手っ取り早いやん!ってことでアイドルだよね!っていう」


「ついでに発電能力で魔王軍の電気代ちょろまかしてんのはここだけの秘密」


「国営放送だわ! たった今国内あまねく全てに知られたわ!」


「他の四天王も妹出来たみたいで嬉しいって言ってたからまあええかな、と」


「ええくないわ!」


「それにこの星の文化も知ることができたのでなかなか楽しいんです」


「ヴォルティーヌさんが不満無いなら良いんですけど…」


「何より人間界にも信者とファンがいるからな」


「信者ってそれ」


「貴重なボクのお小遣い源です」


「じゃこのへんでおハガキ紹介してみるか。ラジオペンネーム、ラブホマイスターさんから」


「嫌な予感がするペンネームですね」


「この間買い物の帰りに魔王さまと雷将軍がラブホに入っていったんですけど二人は恋仲なんですか? 違います」


「ほぉーらね。あのさあ、お前さあ」


「なに、どしたん?」


「どしたん?じゃねーよ! 一体誰連れ込んでんだよ!」


「ボクですね」


「ねえ本人! ねえ本人!」


「大事なことだから二回言いました」


「人間界と違ってとくに成人に年齢も決められてないですし…」


「R18同人誌描いてる奴にラブホで突っ込まれるとは。いや突っ込んだのは俺なんだけど」


「聞いてないわセルフツッコミ! いや二人は倍も歳違うよね?! 例えるなら高校生と小学生くらい違うよね?!」


「べーつに魔界や芸能界じゃよくあることじゃん。逆算したら出会った当時未成年だろそれって。そりゃ公の場では手出してませんとか言うけど絶対裏じゃあんなことやこんなことしてんだぜ」


「ここも公の場!」


「ま、まあまあ。外見だけの話ですから」


「外見だけの問題じゃないんだよなあ」


「早くらい大人になりたいって言うから連れてってあげたんだけど」


「もっとこう、あるだろ! 背伸びしたい年頃の女の子を連れて行くところ!」


「ぶっちゃけ魔王さまの魔力を直に受けたのでボクの体の中はもう大人なんですけどね」


「この世でもっともダメな魔王の魔力なんか受けちゃダメ、ゼッタイ」


「人のことアブナイ草みたいに言いやがって」


「ぶっちゃけ魔王さまが連れ込んだんじゃなくて、ボクが魔王さまを連れ込んだんですけどね」


「お前が連れ込んだんかーい!」

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